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アート鑑賞の解像度アップ✨単眼鏡選びと使い方のコツ

ミュージアムの展示室で、見かけることありませんか。
小さな筒のようなものをのぞいて、じーっと作品を観ている方を。

それが単眼鏡たんがんきょうです。

ミュージアムやギャラリーへよく出かける、という方でも、意外にお持ちでない方も多いと思う、単眼鏡。
わたしもミュージアム好きながら、数年前までは、なくてもいいかな~と思っていました。

が、とあるきっかけで、お試しで使ってみて、驚愕
なぜもっと早く買わなかったんだー!!!と自分につっこみました。

ということで今回は、2023年のミュージアム巡りがもっと楽しくなるはず!な便利アイテム・単眼鏡のすすめです。

いくつかのメーカー・種類の中から、わたしが何を基準にして選んだのか、そして、どんな展示を観に行くときに持って行って、どんな感じで使っているのか、といった具体的な話をご紹介します。

単眼鏡ってずーっと気にはなってたけど、どれを選んだらいいのかわからん!って方や、思いきって買ってみたはいいけど、なんかうまく使いこなせない!って方のヒントになったら嬉しいです。

もしかすると、ミュージアムなんて正直、たまにしか行かないわーって方こそ、物は試しに買ってみたらいいかもしれません。
展示されている作品の見え方がガラッと変わって、あれ?美術鑑賞って面白いかも?もっといろいろ観に行きたいかも?なーんて楽しい発見に繋がるかもしれませんよ。


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そもそも単眼鏡ってなに?双眼鏡じゃだめ?


双眼鏡との違い、まずは単純に、のぞくレンズが両目か片目か、ですよね。
もちろん双眼鏡でアート鑑賞しても問題ありません。実際、お持ちの方もたまに見かけます。両目で観る方がやっぱり快適ですしね。

ただ、双眼鏡だと、ちょっと、いや、かなり、ピントが合いにくいかもしれません。
なぜなら、双眼鏡には、かなり遠くにあるものを拡大して観る用途のレンズが入っていることが多いので。専門用語で言うと、倍率が違うんです。

倍率とは、観たいものをどのくらいまで拡大できるか、を示した値。
数値が大きいほど拡大できるけど、同時に視野が狭くなります。

双眼鏡の倍率、というと、だいたい10倍以上のものが中心のよう。

倍率についての詳しい解説は、キヤノンさんのページでぜひ。
わたしが書いて説明するより、ずっと分かりやすくて勉強になりました✨


で、単眼鏡は、片目で観ることを前提にしているからか、比較的、近しい距離から、ものを拡大して観るための倍率のレンズが使われています。

特に美術鑑賞に適している、と言われるのは、4倍か6倍程度
ちなみに、わたしが愛用しているのは6倍です。
あと、手のひらの中に納まるくらいコンパクトで、軽くて持ち運びしやすいっていうのも、単眼鏡のメリットですね。

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単眼鏡をお試しで使ってみて、驚愕

ミュージアムが好きなくせに、単眼鏡、なくてもいいかなぁ、と思っていた理由は、主にこちらの3つ。きっと皆さまも思い当たる節があるのでは。

1.さして目が悪い訳でもなく、困ってなかった(レーシックしたし!)
2.双眼鏡とか単眼鏡とか、何をどう選んだらいいかわかんなかった
3.ちょっと高そうだし、実際どのくらい便利なのか想像できなかった

ところが、お試しで使える機会があったのです!
青山の根津美術館で!!!

2018年6月にお邪魔した企画展『はじめての古美術鑑賞 漆の装飾と技法』展でのことでした。

残念ながら現在は行われてないようですが、実質無料で単眼鏡をレンタルできるサービスがありました。
大好きな螺鈿や蒔絵をしかと見つめることができ、非常に眼福でした。

この時お借りしたのが、双眼鏡や天体望遠鏡でもおなじみ、ビクセンさんの4倍の単眼鏡だったのです。

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で、何を基準にどれを選んだの?

後日ネットでポチっとしたのは、ビクセンさんではなく、ケンコー・トキナーさんの「ギャラリーEYE」6x16(6倍のモデル)でした。

メガネの方でも支障なく使えます!

正直なところ、ビクセンさんもケンコー・トキナーさんもトップメーカーなので、どちらの単眼鏡を選んでも、ほぼ遜色なく快適に作品を鑑賞できると思います。

そして両社とも、スペシャルページで、単眼鏡を使って美術鑑賞をする楽しさを存分に紹介しています。わたしもとても参考になりました。


で、どっちがいいかなーと熟慮した結果、

1.わたしは美術鑑賞専用で欲しい 他の用途ではたぶんほぼ使わない
2.高コントラスト、高解像度でクリアな視界(らしい)
3.広い視界で疲れにくい(らしい)
4.デザインが好み

ということと、で、「ギャラリーEYE」を選びました。
名前に"ギャラリー"とつけているからには、美術鑑賞の場面で、最もパフォーマンスを発揮する!と相応の自信がある製品なのでは
、と。

そして、4倍か、6倍か、という倍率問題
もともと双眼鏡などの仕組みに詳しくない分、なかなか難しかったです・・・。
ただ6倍の方が、ちょっとだけ距離があっても観やすいこと、そして今後もし用途が広がったときにも許容できそうだなぁと考え、選びました。

使い始めて数年経ちましたが、全く壊れることもなく大活躍。日々のミュージアム巡りの良きパートナーです。

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どんなジャンルの作品を観るときに使ってる?

わたしは本当に雑食もいいところで、ありとあらゆるジャンルの展覧会を観に行っているのですが・・・
例えばこんな作品や展示を観るときに、サッと取り出してのぞいてます。

平安時代以降の日本の絵画いろいろ

あらゆる時代・技法・作家を問わず、本当によく使っています。

わかりやすいところでは、若冲の作品のような、とにかく描き込まれている作品は、肉眼で観る以上に、えええ!すすすすごい!!!と、倒れそうになるくらい、細かく繊細な筆遣いや彩色が見てとれるんです。

あと、個人的に楽しくて大好きなのが、絵巻物や、「洛中洛外図屏風」のような、画面めいっぱいに、人物や建物、風景などが、わーっと細かく細かくたくさん描き込まれている作品。
単眼鏡を使うと、本当に驚くくらいに、一人ひとりの姿や着物の柄、持ち物、表情が、とても丁寧に描き込まれていることに気づけるんです。

大名行列や祇園祭の様子の端っこに、きっと描いた本人も相当楽しんでたんだろうなぁ、と嬉しくなってしまうくらい、相当ユーモラスなおじさんとか、子どもとか、犬や猫、にわとりとかが紛れているんですよ。
これは『ウォーリーを探せ』を楽しむみたいな感覚に近しいと思います。

仏教美術いろいろ

例えば、仏像さまの表情や、身につけているアクセサリーのような品々、衣の截金といった細かな装飾なども、くっきり拡大して鑑賞できます。
また、掛け軸になっている仏さまの姿や、特に平安時代の来迎図のような古ーいものも、単眼鏡で観ると肉眼では気づかなかった描写に気づけることも多いです。

さらに、展示ケースや展示室の構造の都合で、鑑賞者と作品までの距離がまぁまぁ離れている場合にも、単眼鏡は大活躍してくれます!

浮世絵・錦絵・新版画

細かーい描写はもちろん、木目もわかるような摺りの色、現代のエンボス加工のような空摺りの陰影など、照明の都合で肉眼では見えにくいところも、じっくり観察できます。
単眼鏡を使うようになって、絵師はもちろんですが、彫師と摺師の職人技も、より一層尊敬するようになりました。

原宿にある太田記念美術館や、両国にある すみだ北斎美術館、上野のトーハク こと東京国立博物館の浮世絵コーナーなどには必ず持参します。

銅版画などの細かい細かい版画

木版画よりも細ーい線で表現できる、銅版画などの版画作品も、用いてよく鑑賞します。上野にある国立西洋美術館がコレクションしている西洋版画を観に行くときも欠かせません。版画の世界は、奥深くて本当に大好きです。

漆工芸・根付・かんざし・雛人形などなど

螺鈿や蒔絵などの細かーい装飾が施された品々や、根付などミニチュアサイズの工芸品、そしてこの企画展で展示されていた七澤屋さんの雛道具などの鑑賞にも、本当に欠かせません。(また観たいなぁ・・・)


七宝 京薩摩などの超絶細かな文様の陶磁器

七宝、大好きなんです。明治期の超絶技巧として名高い並河靖之さんの作品をはじめ、有線七宝・無線七宝のどちらも、単眼鏡でじっくり鑑賞してます。
そして同じ明治期の超絶技巧の陶磁器といえば、京薩摩。気が遠くなるほどの世界が広がる芸術品です。本当に本当に、美しい世界しか見えません。

刺繍で描かれている文様 着物・帯や古裂など

展示ケースの中の作品までちょっと距離があるときなどは特に、細かーい刺繍を観察するのにぴったり。「正倉院展」などは絶対に必須です。
あと、刺繍絵画のような明治時代の工芸作品を鑑賞するときも役立ちます。

印象派や新印象派の絵画 ベルギーやオランダの絵画など

日本美術ばっかりご紹介してきましたが、もちろん西洋美術の鑑賞にも大活躍。特にいろんな色を重ね、筆致が残っている印象派の絵画は、拡大して観察すると、本当に色の洪水です。

また、個人的に、ジョルジュ・スーラさんやポール・シニャックさんなど、点描の技法で描かれた新印象派の絵画が好きなのですが、単眼鏡で観察すると、この色とこの色を!と驚くような色を組み合わせて表現していることに気づけるので、何度観ても本当に飽きません。

そして、こちらの企画展のように、ちょっと癖のある独特な世界を描いているヒエロニムス・ボスさんとか、ピーテル・ブリューゲル(父)さんとかの作品や、

ルーベンスさんのような、大型で壮大な作品なども、単眼鏡でじっくり観察すると、画力のものすごさに圧倒されると思います。

アートピースのようなジュエリーいろいろ

ヴァンクリーフ&アーペル、カルティエ、ブルガリや、ルネ・ラリックなどのゴージャスなジュエリーを展示する企画展でも、単眼鏡が大活躍します。
七宝同様、本当に本当に、キラキラと輝く美しい世界しか見えません。
そして、これを職人の方が一つひとつ、手で作り込んでいる、と想像するだけで、気が遠くなります。お高いわけですよね。


ということで、挙げればキリがないので、このあたりで。
とっても役に立つ&案外 何にでも使える、ということが伝わりましたら幸いです。

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持ち歩くときは リング製のシリコンストラップがお薦め


さて、普段どんな風に持ち歩いているか、のお話しを。

まず入れ物。
「ギャラリーEYE」には、純正のロゴ入り巾着がついてるんですが、カプセルトイで手に入れた、プーさんのミニポーチがかわいかったので、今はこちらに入れています。

クッション性はないけど ふわふわ生地 何よりかわいい



そしてストラップ。
「ギャラリーEYE」には、純正のレザー製ストラップ(白)がついてます。多くの単眼鏡ユーザーの方も、首から下げている方が多い印象。

ですが、わたし、首からものをぶら下げるのがちょっと苦手でして・・・

コンデジにつけて愛用している、リングタイプのシリコン製ストラップを、単眼鏡にもつけています。

楽天でポチりました いろんな色が選べたよ


使っていて、うっかり落としたことは、これまでに一度もありません。

これ、とーっても快適なので、超絶 お薦めです。
鑑賞の邪魔にならないし、持ち歩くときもかさばりません。

お値段 なんと!数百円でした!!!


ということで、最後は、単眼鏡を使いこなしていけるかどうかの最大のハードル、かもしれないところを(大袈裟)。

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片手でくるくるとピント調整するコツ

単眼鏡のピント調整は、一般的に、目でのぞくところのレンズを、くるくるとネジを回すように時計回り・反時計回りに、都度 回転させて行います。

使い始めてしばらくは、ピント調整のコツがなかなかつかめず、結局使わなくなってしまった・・・という方もいらっしゃるのでは。
確かに、新品の時は特に、くるくる回すのもちょっと硬かったりして、使いにくいかもしれないです。

壊れない程度に自宅でくるくると回して慣らし運転してみたり、ミュージアムへお出かけする前に、お部屋でいろんなものを観て、シミュレーションしてみる、っていうのは有効かと。

わたしも最初はぎこちなかったのですが、何度も使っていくうちに、くるくると調整できるようになりました。
そして、今では片手でくるくるできるようになりました。


実は、単眼鏡をお使いの方をこっそり観察してみると、両手でお使いの方が多いかと。
どちらかの手で単眼鏡を掲げて、もう一方の手で本体かレンズをくるくる。
確かに両手でも全く問題ないんです。安定して持てますしね。

でも、片手で単眼鏡をピント調整できると、地味に快適なんです。
もう片方の手で出品リスト&鉛筆やカメラを持ったまま、単眼鏡がササッと使えるので。
そして完全に個人の感想ですが、あんまり他の方の鑑賞の邪魔にもならず、スマートにふるまえる・・・ような気がしています。

ということで最後は、わたしが実践している、片手でくるくるとピント調整するときの持ち方をコツをご紹介します。

なお、右手でも左手でも、どちらにお持ちでも、基本的には同じコツです。
わたしは両手どちらでもできますが、お読みの方は恐らく右利きの方が多そうなので、右手でご紹介します。


まずは、中指・薬指・小指でしっかりと本体を支える。
そして、親指と人差し指だけで、力を入れてレンズをくるくるする

これだけです!!!

中指・薬指・小指でしっかり持って!
親指と人差し指だけで上部をくるくる!


大事なポイントは、
動かすのは、中指・薬指・小指で持つ本体ではなく、
親指と人差し指で持ったレンズの方!と意識すること。

本体ではなく、親指と人差し指で持ったレンズのほうを
親指と人差し指の力だけで くるくると回すのです!


わたし、これがいつの間にかできていたのは、たぶん、ですが、
茶道のお道具を持つ所作が影響しているのでは、と。

茶入という、濃茶を入れている小瓶みたいなお道具がありまして、それを左手だけで持ち上げ、くるくると反時計回りにまわす、という所作があるんです。

これ、美しくなめらかにくるくるするのが地味にかなり難しく、自宅でコツコツと自主練していました(まじめか)。
これと、単眼鏡のピント調整、何となく動作が近しいんです・・・!!!

気づいたときはテンションが上がりました。
が、茶道をやっている方じゃないと全く伝わらないですね すみません汗

あとは練習あるのみ!!!健闘を祈ります(大袈裟)。


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まとめ

単眼鏡、肝心のお値段ですが、ご紹介したメーカーのお品物だと、だいたい1万円前後です。
そこそこいいお値段、ですよね。
そして、4倍より6倍の方がお値段高めです。

他にも単眼鏡を販売しているメーカーがありますし、Amazonなどで見ると価格もピンキリ。
ですので、最後はやっぱり、ご自身の目的・用途やお財布とご相談の上、選んでいただくのが良いかと。

新モデルが定期的に常に出ているものでもないため、値下がりすることもほぼありません。
各社おそらく、今販売しているものが単眼鏡としてほぼ完成されてるスペックかと。

わたしは、安物買いの銭失いよろしく、ケチってイマイチだったらやだなー、長く使い続けたいしなーと思い、安心と信頼の「ギャラリーEYE」を選びました。

ちょっと奮発した甲斐、ありました。
あるとないとじゃ、確実に、美術鑑賞の楽しさが変わります。
そして、地味だけど、確実に、かなり使えます。壊れなければ一生もの。

ぜひ、前向きにご検討くださーい!!!
(決してメーカーの回し者でなないので、ご安心をw)

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