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Naomi_Nが2023年1~3月におすすめしたい都内開催の展覧会13選

毎度恒例、備忘録もかねた 美術館・博物館のご紹介シリーズ。
日々どこかで開催されているたくさんの展覧会の中から、規模やジャンルを問わず、都内在住のわたしが行こうと思っているものについて、なんで行こうと思ってるかの一言とともに勝手におすすめしています。

2023年は、円安や原油高 情勢不安によるコスト爆増の影響があるものの(そしてますますチケット代への転嫁が予想されるものの)、海外との作品の往来が復活しつつあり、海外作家の大型企画展がいくつも予定されています。

わたし自身、どちらかというと日本美術好き・ミュージアムのコレクション推しなので、そこまで色めき立ってはいないものの、楽しみにしている企画展があります。皆さまの展覧会めぐりの参考になりましたら幸いです。

※お出かけの際は、ご自身の体調が万全なのはもちろんですが、各館の公式ホームページ等で最新情報をご確認の上、くれぐれも慎重にご判断の上でお願いいたします。
わたしは美術館・博物館を応援する意味でも、対策を万全にした上で、後悔先立たず、会期スタート後はできるだけ早めに足を運ぶつもりです。

これまでの記事はこちらのマガジンで読めます。行った展覧会のレビューは、音声配信「聴くミュージアム&ギャラリーレビュー」やインスタにまとめ、これらの記事にもリンクさせてます。ぜひ!!!


美大・芸大の卒業・修了制作展

いきなりミュージアムの企画展ではないのですが、個人的にぜひお薦めしたい! ものは試しに、観に行ってもらえたらいいなぁと思っているのが、大学の卒展です。
各大学のキャンパス内だけでなく、美術館でも開催されます。ちなみに、チケット代は無料です。

事前予約制ではあるものの、わいわいと多くの方が観に来るし、いろんな学科の作品が一堂に展示される機会なので、さながらアートフェアのよう。
(実際、京都で開催される、京都芸術大学の卒展では、その場で作品を購入できます。)

いろんな学科の作品=日本画、油絵、彫刻、映像、デザイン、写真、染織、工芸、インスタレーションまで、幅広い作品を一度に楽しめますし、作り手である学生たちがその場にいることも多いので、どうやって作ったの?とか、あれこれ質問することもできます。
なので、今年こそギャラリーに行ってみたいけど、ちょっとどうしたらいいかわからない、という方には、いい予行演習にもなるのでは、と。


日程が1月中旬から3月までバラけているので、気になる方はぜひお早めに、各大学の公式ページでご確認・予約ください。

なお、わたしは東京藝大 と、多摩美・女子美・東京造形大・日大芸術学部・武蔵美の五つの大学の一部の学部の展示が観られる五美大展は、必ず行きたい!と思っています。

第71回東京藝術大学 卒業・修了作品展
場所:東京都美術館、藝大美術館ほか(東京・上野)
会期:1月28日(土)~2月2日(木)
★10日前からオンラインで事前予約受付
★巡回予定:なし


東京五美術大学 連合卒業・修了制作展
場所:国立新美術館(東京・乃木坂)
会期:2月25日(土)~3月5日(日)
★事前予約不要
★巡回予定:なし


★2/5追記:京都芸術大学の卒展・修了展へ行ってきました


京都芸術大学・東北芸術工科大学 学生選抜展 「DOUBLE ANNUAL 2023 反応微熱-これからを生きるちから― 」 

場所:国立新美術館(東京・乃木坂)
会期:2月25日(土)~3月5日(日)
★事前予約不要
★巡回予定:なし

森美術館の館長で、京都芸術大学の客員教授でもある片岡真実さんがキュレーションする、学生選抜展。
昨年度までの「KUA ANNUAL」がパワーアップし、今年度からは姉妹校の東北芸術工科大学との合同開催となりました。
通信ですが、在籍している学生としても、楽しみにしている企画展です。

準備の舞台裏については、こちらのページで読めます。ぜひ。


江戸絵画の華 第一部 若冲と江戸絵画

場所:出光美術館(東京・丸の内)
会期:1月7日(土)~2月12日(日)
★要事前予約
★巡回予定:なし

伊藤若冲の著名な作品をいくつも見出した、アメリカの日本美術コレクター・エツコ&ジョー・プライス夫妻。その貴重なコレクション群が、出光美術館への売却されたのは、2019年のことでした。

公開タイミングがずっと延期になっていましたが、ついに!!!
第一部・第二部ともに、それぞれ1か月ちょっとの短い会期ですが、ぜひお早めにお運びください。


実はわたし、2013年に、復興支援のためコレクション群が巡回した展覧会『若冲が来てくれましたープライスコレクション江戸時代の美と生命ー』を福島県立美術館へ観に行き、来日されていたご夫妻にお目にかかったことがあります。

10年経っても、コレクション群を観た感激と、ご夫妻のあたたかい笑顔が思い出されます。再び作品に会いに行くのが楽しみです。

なお、ご夫妻のコレクションへの想いと売却までのインタビューが読める、2020年のT JAPANの記事も合わせてぜひ。

★1/13追記:第1部を観てきました!


生誕100年 柚木沙弥郎展

場所:日本民藝館(東京・駒場東大前)
会期:1月13日(金)~4月2日(日)
★事前予約不要
★巡回予定なし

ついに御年100歳!を迎えてもなお、創作活動を続けている柚木さんの企画展が、いよいよ、日本民藝館の空間で開催されます。

柚木さんの企画展は、2022年、女子美術大学の女子美アートミュージアムや、立川のPLAY!MUSEUMでも開催されましたが、個人的に最も楽しみにしていたのが、日本民藝館での開催でした。

民藝館はいつ行っても、趣があって落ち着いて、とても好きな場所です。
柚木さんの作品が並ぶと、きっと全く違った印象になりそう。楽しみです。


マリー・ローランサンとモード

場所:Bunkamura・ザ・ミュージアム(東京・渋谷)
会期:2月14日(火)~4月9日(日)
★巡回予定:京都市京セラ美術館(4月~)・名古屋市美術館(6月~)

ほんわりと柔らかい色使いで、優しげな雰囲気の人物を描く、フランス・パリ生まれの画家 マリー・ローランサン(1883-1956)。

わたしが彼女の作品を観て初めて、好きだな・素敵だな、と思ったきっかけが、千葉にあるDIC川村記念美術館が所蔵する作品《ピクニック》。

ショップで買った《ピクニック》のポストカード

そして東京・京橋のアーティゾン美術館が所蔵する《二人の少女》でした。

もっと作品を観てみたい、と思ったものの、ホテルニューオータニ内のマリー・ローランサン美術館は2019年1月で閉館。

以降、公開されていなかったコレクションが、ここで一堂に展示されます。渋谷で開催されることで、マリーの作品を初めて知る、好きになる方もきっと増えるんじゃないかな、と。楽しみです。

なお、12月にはアーティゾン美術館でも企画展が予定。
それぞれの"展示の切り口"も気になるところです。


佐伯祐三 自画像としての風景

場所:三菱一号館美術館(東京・丸の内)
会期:1月21日(土)~4月2日(日)
★事前予約がおすすめになりそう
★巡回予定:大阪中之島美術館(4月~)

渡仏し30歳の若さで亡くなってしまった、画家 佐伯祐三(1898-1928)。
大阪で生まれ、東京美術学校で学び、生き急ぐようにフランスの風景を描き続けた、彼の画業を振り返る展覧会、とのこと。
少し前の時代を生きていたゴッホ(1853-1890)の影響を受けていた、とかも含め、改めてどんな人物であり作家だったのか、を、展示を通して知りたいと思っています。


第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap

場所:アーティゾン美術館(東京・京橋)
会期:2月25日(土)~5月14日(日)
★事前予約がおすすめ
★巡回予定なし

ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展とは、世界で最も有名と言っても過言ではない、現代アートの展覧会です。
1895年から2年に一度、イタリア・ヴェネツィアで開催されています。

2022年が59回目の開催年にあたり、日本館でダムタイプというチームがインスタレーションを展示。それがアーティゾン美術館で改めて公開されます。


ダムタイプ?え?誰? って方も、きっと多いと思います。
わたしも大学で学び始めてやっと、現代アートを観る機会が増え、ダムタイプのことも知りました。

さまざまなアーティストが集まり、チームで活動するダムタイプは、専門用語ではアート・コレクティブと呼ばれます。
Chim↑Pom、ライゾマティクス、チームラボなども、アート・コレクティブです。

特設ページを読んでも、正直、どんな展示なのか見当がつかないし、展示室で体感しても理解できるか自信がないですがw 行ってみるつもりです。

同時開催される、「アートを楽しむ ー見る、感じる、学ぶ」は、ラーニングプログラムから派生した展示だそう。
また、コレクション展と画家の手紙の特集展示も楽しみです。


交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー

場所:東京都庭園美術館(東京・目黒)
会期:12月17日(土)~3月5日(日)
★事前予約がおすすめ
★愛知・島根から巡回

1914年に勃発した第一次世界大戦によって急速に変化した社会において、まさにポリフォニーのように、作家たちがときに交わり、共鳴しながら生みだしていった、さまざまな機能のデザインと装飾のデザインを読み解く企画展です。

2022年に行われていた展覧会の評判を聞いていて、都内への巡回をとても楽しみにしていました。しかも!美しき庭園美術館の空間で開催!
会期後半になるほど混雑しそうなので、早めに観に行くつもりです。


泉屋博古館東京 リニューアルオープン記念展Ⅳ 不変/普遍の造形 住友コレクション中国青銅器名品選

場所:泉屋博古館東京せんおくはくこかんとうきょう(東京・六本木一丁目)
会期:1月14日(土)~2月26日(日)
★事前予約不要
★巡回予定なし

リニューアルオープンを記念した、住友コレクションの展覧会シリーズ、最後は中国青銅器です。

え?青銅器?・・・何がいいの? って、わたしも思ってたんです。
思ってたんですが、数年前、たままた青山の根津美術館の2Fで、饕餮紋とうてつもんに関する解説を読み、展示をじっくり観て以来、好きになりました。トーハクの東洋館でもよく観ています。

おそらく彫刻などの立体造形の仲間、みたいな感覚でとらえて好きなんだと思います。空想上の動物や獣神を模したものなどは特に。

この企画展でも、中国青銅器の種類、文様、金文、そして鑑賞の歴史まで、そもそものところから丁寧な解説と共に紹介されるそう。
改めて青銅器のことを知るいい機会になりそうで、楽しみです。


現代のやきもの 思考するかたち 菊池コレクション 展

場所:菊池寛実記念 智美術館(東京・虎ノ門)
会期:1月3日(火)~3月19日(日)
★事前予約不要
★巡回予定なし

智美術館は、都心にありながら、ゆったり静かに展示作品を味わえる、まさに大人向けの空間。個人的にも、とても好きなミュージアムの一つですが、現在、多彩な現代陶芸を楽しめるコレクション展が開催されてます。

用の美とも言われる陶芸から少し離れ、自由なかたちを楽しむような展覧会になっているのでは。

やきものといえば、一般的には皿、鉢、花器などの形を想像することでしょう。しかし、現代の陶芸作品には多彩な形があり、その形を成り立たせている背景に思いを巡らすと、そこには作家の思考が存在していることがわかります。
本展では、器の形態にやきものの魅力を見出し展開した作品や、土を用いた自由な創作としての造形作品を一堂にご覧いただくことで、現代陶芸の形の豊かさと、その根源にある作家の創意に迫ります。

新たな作品の見方や視点を得たいので、できれば出品作家によるアーティストートークや、学芸員の方のギャラリー・トークの時に訪れてみたいな、と思っています。


ARTISTS' FAIR KYOTO 2023とアートフェア東京

最後は、3月に開催される、2つのアートフェアのご紹介です。

★2/10(金)追記:音声でもご紹介しました。予習にぜひ!

まず3月4日(土)5日(日)を中心に、京都市内で開催されるのがARTISTS' FAIR KYOTO 2023
国内外のアートフェアは、ギャラリーが主体となって出展するものが多いですが、ARTISTS' FAIR KYOTOはアーティストが企画から出品まで自ら行うところが特徴です。もちろん、展示作品は購入することも可能。

2018年にスタートして、今回が6回目ですが、回を重ねるごとに、全国各地からこのアートフェアを観に京都を訪れる方が増えています。
わたしもできれば、今年のARTISTS' FAIR KYOTOを訪れてみたいです!

場所:
京都府京都文化博物館 別館(京都市中京区三条高倉)
京都新聞ビル 地下1階(京都市中京区烏丸通夷川上ル少将井町239)
渉成園(枳殻邸)(京都府京都市下京区東玉水町)
会期:3月4日(土)~12日(日)
★事前予約不要
★巡回予定なし


そして、言わずと知れた国内最大の国際的なアートフェアが、アートフェア東京です。
古美術・工芸から、日本画・近代美術・現代アートまで、幅広いギャラリーが参加し、数多くの作家の作品が展示・販売されます。

会場には、無料で楽しめるCrossingエリア・Projectsエリアと、有料のGalleriesエリアがあります。

無料で楽しめるCrossingエリア・Projectsエリアだけでも、相当な展示数なので、十分楽しめます!ぜひ!

でもやっぱりメインは、有料のGalleriesエリアです。
ただ、チケット代、はっきり言って高いです。
前売券 4,000円 / 当日券 5,000円。会期通し券ではないし、なかなかです。

でも、相応の見ごたえと、こんなメリットがあると思っています。

1.とにかく膨大な数・幅広いジャンルの作品を観ることができるし、好きな作家が見つかりやすい。
2.都内はおろか全国各地に点在するギャラリーを1日で巡れる。
3.人が多いので、普段だと超絶入りづらいギャラリーにも立ち寄りやすいし、ギャラリストや作家の方ともお話しをしやすい。
4.各ギャラリーが選りすぐった、推しの作家や作品を観られる。
5.古美術などは美術館のガラスケース越しにしか観られないような作品が、直接じっくり鑑賞できる(しかもお値段がついてる・・・)

わたし自身がまさにそうだったのですが、アートフェアがきっかけで、何度も個展に足を運ぶほど好きな作家の方を知ることができました。

また、気になったギャラリーのブースで、ギャラリストや作家の方とお話ししておくだけで、後日、ギャラリーを訪ねるとき「アートフェアで観て」と言えると、ギャラリストの方が覚えていてくださったり、お話しのきっかけにしやすくて、心理的なハードルがかなり下がります。

なので、有料チケットは、アートギャラリーに興味があるし、作品を買ってみたいけれど、どこに行ったらいいかわかんないし、そもそも入りづらい、作品の相場もよくわかんなくて怖い、みたいな方には、特にお薦めかなと。

場所:東京国際フォーラム(東京・有楽町)
会期:3月10日(金)~12日(日)
★前売券 4,000円 / 当日券 5,000円
★巡回予定なし


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ということで、今回も長文の記事をお読みいただきありがとうございました。
引き続き、体調を万全にし、1日1日、しっかり仕事して、展覧会にも逃さず足を運びます!!!
毎度毎度のことですが、あぁ、どこでもドアが本当にほしい。

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