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展覧会に出かけたら 使ってほしい コインロッカー

自分のあたり前は 誰かのあたり前ではないんだな。

この至極あたり前のことを改めて実感した出来事が、このnoteを書こうと思ったきっかけです。


ある週末。
仕事が忙しくって 美術館は本当に久しぶりだ!一緒に行くのを楽しみにしてたよ!!!という友だちと、とある展覧会を観に行きました。

その日は、わたしも友だちもリュックだったので、館内に入ってすぐ、

わたし:「よし、ひとまずロッカーに荷物を預けよっか」
友だち:「え、そう?預ける?」

・・・・ん?

コインロッカーがあれば、ほぼ必ず使い、手ぶらで鑑賞するわたし。
友だちのリアクションは 思わぬものでした。

連れ立ってコインロッカーが並ぶスぺースへ行くと、

友だち:「あ、そっか、ロッカーって無料のやつか!」


ここで、わたしはハッとしました。

あれ?美術館にあるコインロッカーが無料だよって、もしかして・・・あんまり知られてない?

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実は以前から、展示室内で度々、気になっていたことがあったんです。

そこそこ重そうなバッグを肩にかけたまま、の方。
まぁまぁのサイズのリュックを背負ったまま、の方。
寒い時期、かさばるダウンを手に持ったまま、の方。

いえ、人それぞれだからいいんです。いいんですが、いかんせん大変そう。

たぶんスタッフの方が確実にコインロッカーをご案内していそうだけれど。たぶん、それでも使わない、という事情がおありなんだろうな、と思っていました。


でも、ハッとしたときに考えました。
空いてるコインロッカーがなかった、とか、そもそもコインロッカーがあるってことに気づいてなかった、ってことでも全くなく、

美術館・博物館にコインロッカーがあるよ、しかも無料なんだよ、ってことが、セットでちゃんと伝わってなかったのかもしれない、と。


世の中でコインロッカーといえば、主に駅などにあるもので、もちろん有料だよね、と考えるのが自然でしょう。

そして、美術館・博物館がどんなところか知っている、よく出かける、コインロッカーをよく使うから、無料だってことも知ってるって、世間ではどちらかと言えば、だいぶ少数派ですよね。わたしもつい忘れがちですが。

これは、あるあるなコミュニケーションロスの一つ、伝えたつもりでちゃんと伝わってない典型的な事例、と言えるかもしれません。

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ということで、改めて大事なお知らせです。

美術館・博物館にあるロッカーは、
サイズに関係なく100円で使えます。
そして、荷物を出したらお金は戻ってきますよ。


手荷物を預けられるコインロッカーは、たいていの美術館・博物館にあります。

小規模な館だと、設置されている数も限られてますが、国立や県立の美術館・博物館のような大規模な館や、週末や特別展の会期末などで大行列ができて大混雑している瞬間などでなければ、だいたい使えるはずです。


ちなみに、これまでわたしが訪れたことがある都内の美術館・博物館で  コインロッカーがなかったのは、駒場にある日本民藝館、根津の弥生美術館・竹久夢二美術館、六本木の東京ミッドタウンの敷地内にある 21_21 DESIGN SIGHT。あと、青山の岡本太郎記念館もなかったような。本当に数えるくらいです。


余談ですが、ギャラリーには基本的にロッカーがありません。でも、「よかったらこちらにお荷物どうぞ」って机やソファを促されることは多いです。

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駅などのコインロッカーでは、サイズが大きくなるほど、利用料金も上がりますよね。
でも美術館・博物館のコインロッカーは、どんなサイズでも、すべて100円です。ご安心ください。

コインロッカーの大きさは、だいたい2~3サイズくらいは用意されていることが多いです。
特に海外からのお客様が多い館は、機内持ち込みサイズくらいのスーツケースや、登山用の大きなリュックなどもすっぽりおさまるような、大きめのサイズが設置されています。

とはいえ、スペースの都合、大きなサイズのロッカーは設置できる数が限られるので、数多く置かれているのは手荷物くらいのサイズですね。
大きなロッカーは譲り合いつつ、自分の手荷物のサイズに合うロッカーを選んでお使いくださいませ。

わたしも、大きなサイズのロッカーがあいていないけど、アウターがかさばってどうにも入らないときは、アウターと手荷物を分け、2つ使わせてもらうってこともたまにしてます。

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そして、帰りに荷物を取り出そうと鍵を開けると、返却口から100円がチャリンと出てきます
これ、うっかり取り忘れてしまうことが多いので、ご注意を。
100円でも、手元に戻ってくるのはやっぱりありがたいですよね。


そんな中で、たまに遭遇するのが、100円不要で鍵がかけられるロッカー

例えば渋谷のBunkamuraミュージアム、新宿のSOMPO美術館などのわりと最近リニューアルオープンしたような館でも、100円不要なパターンに出会います。

確かに、利用者は100円を出すひと手間が省けるし、館も閉館時に忘れ物がないかチェックする手間、 今なら消毒する手間、両替に対応する手間も省けます。


・・・なんで最初からこうしなかったんだろう、って思いますよね。

たぶん想像するに、以前までは、美術館・博物館に置きたいデザインの既製のロッカーは、コイン式しか作られてなかったのかもしれません。
オフィスなどで使われる鍵付きロッカーとは、ちょっと違いますし。

どちらかというと、スーパー銭湯とかジムに置かれているタイプですよね。これらの施設が増えるにつれ、既製のものや カスタム対応するメーカーが現れたのかもしれません。

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あれ?こんなときってどうするの?

◆あれ? お財布に100円玉がない!
慌てて自販機で飲み物を買ったり、ミュージアムショップでポストカードを買いに走ったりしなくて大丈夫。
インフォメーションなどにお願いすれば、両替してもらえますよ。

◆あれ?一番大きなロッカーにも入らない荷物は?
これもインフォメーションなどに申し出れば、一時的に預かってもらえます。

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そもそも無料で手荷物をコインロッカーに預けられるのってなんで?


まずは、利用者の利便性向上のため。
これはわかりやすいですよね。そりゃ手ぶらな方が楽ちんです。

もう一つは、展示している作品や環境を安全に保つため。

例えば・・・ちょっとだけ想像してみてください、こんなシチュエーション。

夢中で鑑賞するあまり近づいていったら、肩にかけてた重たーいバッグが、振り子のようにぐるんと身体の前に行って、展示してる300年前の絵画にうっかりぶつかって キャー!とか

一歩下がった拍子に、背中の大きなリュックがご高齢の方にぶつかり、よろめいた先には、150年前の大きなガラス作品が!あぶなーい!とか

手に持っていたダウンを実は床に引きずってて、うっかり踏んづけて転んで、勢いよくぶつかった展示台には、1000年前の陶磁器が!わー展示台ごと倒れてゆくー・・・とかとか。

・・・冷や汗がでてきますよね。
こんな大惨事にならないように、ということなんです。
なので、コインロッカーを遠慮なく使って なるべく手ぶらで、のびのびゆったり鑑賞してください✨

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ちなみに・・・ここでわたしの展示室めぐりの必需品を、ひとつご紹介させてください。


美術館・博物館で、いつもコインロッカーを利用するわたしは、展示めぐり用のお財布があり、その中に必ず100円玉を入れています。

で、荷物を預けたときの鍵を、そのお財布に入れておけば、紛失防止に。

さらに、展示を観終わって荷物を取り出すときは、鍵を出すためにお財布を開くので、すかさずチャリンと返ってきた100円玉をお財布へ戻します。
我ながらとても合理的なしくみだな✨と。


ご参考までに、お財布の中身は、というと・・・

ほぼ日の「ひきだしポーチポケット」 手のひらサイズです
  • 展示室内でメモるための簡易な鉛筆

  • 最低限の現金とクレジットカード

  • 撮影OKな施設の場合は、デジタルカメラの予備用バッテリー×2

  • 学生証

って感じで、ほぼ日のひきだしポーチは、見た目以上にたっぷり入るんですよ。お薦めです✨


デザインもいろいろと出てます。ドラちゃんシリーズはこちら。
しっぽの赤いポンポンと、中が真っ青なところも好きです。


ただ最近は、スマホと紙チケットの半券も入れられると安心&嬉しいかも、と思いはじめ、長財布みたいな「ちいさいひきだしポーチ」も買い足そうか、ちょっとだけ迷っています。うーんうーん・・・。


まとめ

毎週のように、美術館・博物館へ出かけていると、いつの間にかすっかり忘れているんですよねー・・・、美術館・博物館で、何がどこにあって、どうなっているのか全くわからず、だいぶ戸惑ったときのことを。

今回の、コインロッカーって実は無料なんです問題、のようなこと、まだまだありそうだな、と思ったので、気づいたらまた書きます。

そして美術館・博物館に限らず、こういう伝えたつもりで伝わってないことってのも、あるあるなんだろうなぁ、と。

初心忘るべからず。そして、他者への想像力も忘るべからず、ですね。


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