それでも言葉にし続けるということ
冬がすきだ。
寒くて痛いからすきだと言ったら、友達に笑われた。わたしは冬になると安心する。寒くて冷たい空気のなかにいると、わたしはひとりじゃないと思える。ああ、冬もわたしと同じでひとりなんだと思える。その冷たさに救われる。
それをうまく言語化して伝えきれなくて、「冬は寂しさのそばにいてくれるから」と言うと、いつも伝わらない。それなら、春も夏も秋も、寂しさのそばにいるじゃん、と言われて、わたしはちがう、と思う。自分よりも温かいものと出会ったら、そのやさしさに不安を抱いてしまう。