泣きがお

泣いても泣いても

泣きがお

泣いても泣いても

最近の記事

  • 固定された記事

カフェの店員さんをすきになってしまった

すきって言ってしまったら 終わるような恋ばかりしてしまう。 半年間通っているカフェがある。 そこの店員さんに恋をした。 10歳年上の店員さん。 いや、正確に言えば恋、というか、 このひとのここがすきだ、を集めていたら それは恋のような、かたまりになっていた。 笑う時の目元も、綺麗な手ももちろんすきだけど、 誰も傷つけないように並んだやさしい言葉を、 わたしのネガティブな思考を引き上げてくれる 前向きな言葉選びを、わたしはすきになった。 言葉はこころだと思う。 わたしは言葉

    • 人生の閾値まであとどれくらい

      ずっとゆるかやにしにたいと思っている。 そのしにたい、のピークがゆらぎとなってわたしを襲う。 会社で思いっきり上司に怒られた。それは“注意”だったかもしれないけれど、わたしには“怒られる”だった。わたしのやろうとしていることが違うと気づいていたならもっと早く言ってくれればいいのに。そうやって、気づかなかったあなたが悪いって手を離されて人前で怒られて、頭を下げて泣くのを堪えて何やってんだろう、と思う。わたしが意見すると、何言ってんの、と言いたげに上司が深くため息をつく。 今

      • すきなひとを推しと呼んでしまう弱さ

        すきなひとがいた、心からすきだったひとのこと。 わたしはすきなひとを「推し」というかみさまにしないと、すきだと伝えられない。 何度も何度も気持ちを伝えた、呼吸するように「すき」と言った、何度もプレゼントを贈った、何度も会いに行った、春も夏も秋も冬もどの季節が過ぎても思い出す、自分から離れたくせにばかだなと思う、でも自分の気持ちを決して返してくれないひとを想い続けるのって結構しんどい、しんどかった、結局上下の関係がわたしたちの間にはあって、その関係は変わらないものだった、出会

        • 女として生きるのはむずかしすぎる

          女として生きるのはむずかしすぎる。 わたしは、女はいつも不公平だと思って生きてきた。女だというだけでいろんな不幸を押し付けられる。こういうことを言うと、男性軽視だと言う人もいるかもしれない。もちろん、そんな人ばかりじゃないことは知っている。 それでも、自分が女性だというだけで、生きる世界が少しだけ狭くなる。 初めて男性が怖いと思ったのは、小学生の時だった。幼い頃から続けていた習い事では、毎回男性の先生が女子生徒のターゲットを決めて精神的に追い詰めるような、先生から生徒に向け

        • 固定された記事

        カフェの店員さんをすきになってしまった

          吉澤嘉代子さんのライブに行けなかったあの日

          吉澤嘉代子さんのライブに行きたかったな、と思って金曜日のオフィスで泣いてしまった。もちろんこっそり泣いたけれど。頭の中ではリリースされたばかりの「みどりの月」が流れている。 小さなついていないことが10個くらい続くと、永遠に辛い人生が続いていくような感覚に陥る。ついていないことは大抵同じ時に重ねて起こる。思いがけないところで失敗するとか、信じた人に突然手を離されるとか、そんな小さな不幸に嫌気がさす。 今日はこの仕事を終わらせたら帰れる!久々に残業なしで退勤する!渋谷のタワ

          吉澤嘉代子さんのライブに行けなかったあの日

          ひそかにこぼれる、あふれるもの

          大きな池の水面がゆれる。広がった丸い波紋が折り重なって網目をつくる。水のあやとりみたい、思わず心のなかでつぶやく。まっすぐな直線ではなくてもそれはきれいに編み込まれて静かに揺れている。 休日のお昼時、市ヶ谷での用事が終わった後、ふらふらとオフィス街を歩く。市ヶ谷から麹町、半蔵門、皇居に出たら霞ヶ関、日比谷、とゆっくりとあたたかい陽気に包まれた3月の街の景色を流し見る。日向はぽかぽかと暖かいけれどたまに吹く風はまだ少し冷たくて、それが歩いていてとても心地いい。ヒールのブーツだ

          ひそかにこぼれる、あふれるもの

          蕾のままで、咲かないで、咲かせないで

          少しだけ蕾が綻び始めている。 会社で気がついたら目で追ってる先輩がいる。 だめだよ。 咲かせたら終わってしまうから、水をあげないように、日に当てないようにひかりから遠ざける。 でも時々、この蕾が偶然ひかりに包まれる瞬間がある。そのひかりが心地よくて泣いてしまいそうになる。 わたしはそれだけで幸せだと思う。 何も手に入らなくてもいい、何にも繋がらなくてもいい、ただ一目見てあなたが笑っているのを見るだけで、笑い声を聞くだけでいい。時々話して、わたしの顔を見てくれるだけでいい。

          蕾のままで、咲かないで、咲かせないで

          わたしはあなたの知ってるあの子じゃない

          あなたはあの子に似てるね、って言われると、むっとした顔になってしまう。え、普通に嫌じゃない?誰々と似てるとか他の人に例えられるのすきじゃないし、それが自分の知らない相手だったらなおさら、だからなんですか?の気持ちになる。全然いい気持ちしない。人を自分の知ってるものですぐに分類するの、やめた方がいいよ。と心の中でいじわるなことを言ってみる。なんでも分類してわかった気になっていて、ばかみたいだなあ、と思いながらハイボールをぐびぐび飲んで適当な相槌を打つ。 昔よくライブに行ってい

          わたしはあなたの知ってるあの子じゃない

          わたしの恋は冬を越えられない

          寒くて悲しくて冷たくて、それでもわたしはこの季節がずっと終わらないでいてほしいと思う。 だいすきだったひとたちを思い出すための引き金を、だいすきなひとたちとの大切な思い出を数えている。 赤信号の小さな横断歩道 タリーズのバニララテ 頭を乱暴に撫でる大きな手 ライブハウスの眩しい照明 たばこ臭いフロア 居酒屋で出てきた妙に濃いレモンサワー 好きだと言っていたバンドのあの曲 深夜のコンビニで選んだ冷凍の焼きおにぎり 好きだと言っていたセブンの冷凍うどん かわいいと言ってくれた

          わたしの恋は冬を越えられない

          「何を考えてるかわからない」とか「感情が見えない」とか

          こころがざわついて、いてもたってもいられなくて、怒りともどかしさと寂しさに押しつぶされそうになって、わたしは23時半の街へ飛び出した。 周囲の音を消したくてイヤホンの音量を2つぶん上げた。ただひとりになりたい。誰もいない、誰にも邪魔されない場所でだいすきなものに囲まれて閉じこもっていたい。 仕事で社内のひとに散々なことを言われた。 わたしの仕事への気持ちを馬鹿にするような言葉たち。そっちは甘い気持ちかもしれないけど、とか表情から真意が読み取れない、とかこの案件への愛が感じら

          「何を考えてるかわからない」とか「感情が見えない」とか

          燃え落ちた流れ星のかけらを抱えて

          わたしは冬の夜の散歩を愛してる。 だいすきな音楽を聴いて街の景色を眺めながら歩く。冬は寒いからひとが少なくて、寒さで空気が澄んでいて、流れる空気そのものがきれいだと感じる。この空間を知っているのは世界でわたしだけという錯覚に陥る。 人目も憚らず空を見上げると、東京なのに星がちらちらと揺れて見える。東北にいた頃の冬の夜空もきれいだったけれど、東京の冬の夜空も悪くないとわたしは思ってる。冬の星空を見上げるたび、いつも思い出す人がいる。 わたしは高校生の頃、学校の先生がすきだった

          燃え落ちた流れ星のかけらを抱えて

          それでも言葉にし続けるということ

          冬がすきだ。 寒くて痛いからすきだと言ったら、友達に笑われた。わたしは冬になると安心する。寒くて冷たい空気のなかにいると、わたしはひとりじゃないと思える。ああ、冬もわたしと同じでひとりなんだと思える。その冷たさに救われる。 それをうまく言語化して伝えきれなくて、「冬は寂しさのそばにいてくれるから」と言うと、いつも伝わらない。それなら、春も夏も秋も、寂しさのそばにいるじゃん、と言われて、わたしはちがう、と思う。自分よりも温かいものと出会ったら、そのやさしさに不安を抱いてしまう。

          それでも言葉にし続けるということ

          わたしは、愛が、わからない

          「愛する」という行為はどこで学べばいいのだろう。ときどきそんなことを考える。わたしは愛しかたがわからない。愛されかたもわからない。だからいつも間違える。ばかだなって思う。 わたしにとって、愛はお金だった。 買い与えられるという行為が愛だった。 幼い頃から報酬のために必死に頑張った。 頑張らなければ、完璧でいなければ必要とはされない。 でも、これまでいろいろな本を読んだりテレビやネットの情報をみるうちに、愛は無償で無条件に与えるものであることを知った。両親からそのままの自分を

          わたしは、愛が、わからない

          カフェの店員さんをすきになってからこの恋が終わるまで

          いつものカフェに行って、 すきな店員さんに会いにいく。 わたしのささやかな日常のたのしみだった。 前職の会社の下にチェーンのカフェがあった。 イートインもテイクアウトもできるタイプのコーヒーやさん。わたしは、そこの店員さんを好きになった。きっかけは、人懐っこい笑顔だった。 入社当初のわたしはよくそこのカフェでお昼を食べていたんだけど、2回目行った時にもう顔を覚えてくれていて、気さくな感じで話しかけられた。会社という閉鎖的な空間に早くも辟易していたわたしはそれがすごく嬉しか

          カフェの店員さんをすきになってからこの恋が終わるまで

          置かれた場所で咲けなかったら、咲ける場所まで飛んでやる

          退職・転職するまでいろんなことがあった。 だれかの参考になれば、なんて想いで記すわけではないけど、この時のあれこれを備忘録代わりに。 退職すると決意するまで 退職すると決めたのは突然だった。 当時セクハラとパワハラでメンタルと体調を崩していたわたしは、ある日突然「もう、むりだ」と張り詰めていた糸が切れた。金曜日の夕方、オフィスで教育担当の先輩に冗談みたいな雰囲気でセクハラの相談をしたつもりが、話しているうちに涙が溢れて止まらなくなった。見かねた先輩がわたしを別室に連れ出し

          置かれた場所で咲けなかったら、咲ける場所まで飛んでやる

          青信号が3つ続くみたいな幸せがたくさんありますように

          「いちばんしあわせになってほしい」 友人から送られてきたメッセージを見て、 わたしは電車の中で泣きそうになった。 遠い街で必死に看護師として働いている友人のことを思い出す。 その友人とは高校の同級生で、3年間同じクラスだった。高校ではたまに絡む程度だったけど、卒業してわたしが上京、彼女が地方へ転居してからかなり仲良くなったと思う。不思議だよね。毎日顔を合わせていたクラスメイトの頃よりも、離れてからのほうが深い話をするようになった。 高校の頃はクラスや進学コース、受けている授

          青信号が3つ続くみたいな幸せがたくさんありますように