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虚構

「嘘をついてはいけませんよ」

人間なら誰しも聞く言葉でしょうね。
そうでなくても「嘘つきは泥棒の始まりですよ」とか。

でも、もしも世界が私たちに嘘をついていたとしたら…
世界は泥棒になるんでしょうか?

もしかしたら、泥棒なのかも知れませんね。
しかも、ルパン三世も真っ青な大泥棒ですよ。

では、ここで考えます。

「世界が噓つきなのかどうか?」ってどこで解るのでしょうか?
それはね。他の存在と対比するからだと思うんですよ。

■我々は五感を頼りにして生きている

日常生活において…

今こうして私たちの前に事実として現れているものを「現実」といいます。

私たちは基本的に五感を頼りに現実を見ており、またそんな現実と接触しながら生活しています。

ですが、それら「見たり」「聞いたり」「触ったり」「嗅いだり」「味わったり」しているもの、つまり私たちが現実と呼んでいるものは、果たして嘘偽りない世界なのでしょうか?

犬は人間よりも遥かに優れた嗅覚・聴力を持っています。

コウモリは視力が退化している代わりに口から高周波を出してその反射音を耳で感知し、障害物を避けながら飛行することができます。

鷹の目は人間なんかよりもずっと遠方を正確に捉えることができます。

猫の目なんて人間の目に比べりゃ解像度こそ落ちるものの、暗闇になっても盲目にはならないようです。

反対に、ハエの目から見た世界なんて酷いものですよ。モヤが掛った同じような風景ばかりのようです。

このように、み~んな、見え方とか感じ方とか、感覚とか、全部異なるんですよねえ。

でも、各々の種族には、その見えている世界が「現実」なんですよねえ。

ところが、世界を統治するゴッドのような存在からみれば、各種族の現実なんて「全体のごく一部」に過ぎないってことが判るんですよ。もっとも、ゴッドが居るのかどうかも、私たちの文明では知る術がないんですけどね。

だから、

私たちは世界から「幻覚」や「錯覚」を見せられているに過ぎないのですが、いわば、そんな中から得た情報を「思慮分別」して生きています。

「幻覚」の中から思慮分別し「想念」を持ちながら生活する。
つまり日常は「幻想」ということが判ります。

■人は二極性から英知を獲得する

「ゴッドもそんな周りくどいことをしなくても、また嘘をつかなくても、私たちに真実を見せてくれればいいのに」

そう思いませんか?

もしかしたら、ゴッドは真実を見せてくれているのかも知れませんよ。
ただ、私たちが真実に気づいていないだけなのかも知れません。

「何でそんな事が言えるのか?」っていうと…

生まれた時から自分1人しか住んでいなければ「一体何の為にここにいるのか」解らないし、そもそも、自分自身が一体何者なのかも解らないですよね。他に誰もいないんですよ。名前?何それ?ってなる訳ですよ。

でも、2人になれば違ってきます。もう1人が居ることで「他人」と「自分」というものを理解します。「あっち」があるから「こっち」がある。

人は二極性によって英知を獲得する。
もっと取り上げてみましょうか。

「女性」がいるから「男性」がある。
「夜」があるから「昼」がある。
「闇」があるから「光」がある。
「病気」を知るから「健康」も自覚できる。

1枚のコインの裏と表みたいなものですね。

■なぜ私たちは幻想に生きるのか?

難しい質問です。
でも、それは…二極性から想像するに…

幻想とか嘘とかいう「虚構」を生涯かけて体験し、最後にそれを打ち破り「真実」に到達する為なのかも知れません。

…という訳で…

ようこそ、とある不肖の反逆文学(アンチ・ブンガク)へ。

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