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俳句、短詩

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自分の俳句作品や、鑑賞、思いなど気ままにまとめています。また、短歌などの短詩形作品などについても触れています。
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#作品

✤2024日日俳句 にちにち・はいく✤
6/16 父の日や大川ゆたかなる青さ

✰俳句結社の同人鍛錬句会。事前に墨田川を各自吟行。初めて川周辺を歩いたが大川という呼称がぴったり。水がたっぷりで広い。開放的な景色で気持ち良い。公園から牛島神社と三囲神社を回る。すっかりゴキゲン✨

✤2024日日俳句 にちにち・はいく✤
6/15 玉繭の闇を抱きて光りけり

✰画像は見づらいが、蚕の繭である玉繭。最近、見る機会ができて足を運んでいる。
この間までは桑の葉を食べてた蚕たちが突然繭を作り始めたそう。命のステージの変化と神秘。知らない人と小声で興奮(^_^;)

✤2024日日俳句 にちにち・はいく✤
6/14 片蔭やじやれ合ひながら登校す

✰もはや梅雨は無いような天気💦暑さ極まれり! でも、意外に片蔭は涼しい。湿気がそれほどではないのかな。歩道にはサングラス+麦わら帽子+日傘の対策バッチリな方も。俳句的には季語だらけ(^_^;)

✤2024日日俳句 にちにち・はいく✤
6/13 梅雨茸地図の祠に赤き✕

✰梅雨茸(つゆきのこ)、初めて知った季語、なので使ってみた。ところで今年の6月は定額減税。周囲は働き方がそれぞれで、既に経験した人の話を聞くも自分は該当するのかさっぱりわからん💦結局、確定申告で決着?

✤2024日日俳句 にちにち・はいく✤
6/12 コーヒーゼリー旅の計画ふくらんで

✰俳句結社の後輩とランチ。久しぶりにお話したが、その人らしく作品づくり等の活動をしていて充実ぶりが嬉しかった。元気と美味しいご飯、ご馳走様でした☺短かったけど、良い時間をありがとう。

【物語る句】『その時までは』の巻〜「続 夏目友人帳」を基に

【物語る句】『その時までは』の巻〜「続 夏目友人帳」を基に

『その時までは』の巻奪われた友人帳の名の舞えば

 たましい二つ春に溶けるよ

凸凹と妖(あやかし)退治 湯けむり行
 
 雛、孵る夜の月あたたかく

空と海約束の樹にひとり占め 

 少女の陣は夕日に滲む

朽野を呼んではならぬ影重く

 不死の想いの人魚の汀(みぎわ)

満開の桜並木の彼を抱き

 若き祖母座す仮屋の窓辺

無月なる呪術師の会ひそやかに

 廃屋の少年 げんげ田の輪舞

同じ花

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軽やかに、カラフルに:箱森裕美句集『鳥と刺繍』

軽やかに、カラフルに:箱森裕美句集『鳥と刺繍』

雷鳥や刺繍の花のその軽さ

句集タイトルのイメージにもっとも近い作品を挙げるとすれば、上記だろうか。
雷鳥のまるまるとした愛嬌ある姿。
季節ごとに羽の色が違うという雷鳥の特性に「刺繍」という措辞が重なる。
花の刺繍は実際の植物ではない。だからこそその「軽さ」に作者が感じたであろう表現としてのリアリティと発見を読者は我が物として共有できるのだろう。

あるいはこんな刺繍の句もある。

ジャンパーに花

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【自選俳句10句】2023「日日俳句」より

【自選俳句10句】2023「日日俳句」より

対岸柏柳明子

初がらす垂直に時止まりけり
まなうらに四日の海を仕舞ひたる
対岸の翳りはじめし桜餅
あの蝶はあの日失くしたピアスだらう
風が来てサンバはじまる百日紅
去り際のみづいろ揺れてゐるプール
いとうりの知らん顔にて隣り合ふ
途中から白桃になる暗号文
凩に心臓攫はれぬやうに
宿木のささやく昔話かな

note「日日俳句」では、2023年1月1日から毎日・1つの俳句(日によっては2句)を掲載し

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【日日俳句】2023年、一日一句の掲載・更新を続けてきて

【日日俳句】2023年、一日一句の掲載・更新を続けてきて

はじめに「日日俳句(にちにち・はいく)」とは、2023年の元日から一日に一つの俳句(および短文と写真)を更新・掲載しているページです(下記参照)。

大晦日までやるので振り返りにはまだ早いのですが、年末は記事を書いている時間がないと思うので💦、12月初旬ではありますが「やってみての感想」などを書いてみようと思います。

なぜ、「一日一句の掲載・更新」をやろうと思ったかもともと非公開の状態で普段か

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【雑感】川崎市生涯学習財団「俳句入門・秋編」を担当して

【雑感】川崎市生涯学習財団「俳句入門・秋編」を担当して

川崎市生涯学習財団で年三回(春・秋・冬)開催の「キラリ文化教室」。
その講座の一つに「俳句入門」が加わって、今年で三年目になります。

以前も担当時の雑感を記事としてnoteに書きましたが、今回、久しぶりにまた書いてみようと思います。

一緒に前進、生徒さんも講師も

この三年で、毎回参加される方(レギュラーさん)が随分増えました。
本当にありがたく嬉しく思っております😊

同時に、初参加の方々

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「今」を真空パックする:俳句甲子園2023のある俳句を読んで

「今」を真空パックする:俳句甲子園2023のある俳句を読んで

少し前の話になるが、NHKによるドキュメンタリー番組を観た。
内容は俳句甲子園2023。
そこで紹介された茨城県立下館第一高校の下記の句に目を奪われた(以下、作者名は敬称略)。

不登校やめられそうなほど朝焼 武井佳奈

後で俳句甲子園の公式サイトで今年の結果を見たところ、入選作だった。

結果はPDFになっており他の入賞作も掲載されている。
全部読んだが、私にとってはこの作品が最優秀作品だった。

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俳句を紹介・鑑賞いただきました☆2

俳句を紹介・鑑賞いただきました☆2

ありがたいことに前回の記事に続き、角川『俳句』7月号に掲載された12句作品のうち、下記の数句について写真の俳句結社3誌でご紹介いただきました。
感謝申し上げます😊

◆『響焰』10月号(主宰・米田規子氏、執筆者・秋山ひろ子氏)

まだ眠り足りぬ木香薔薇の家

◆『森』10月号(主宰・森野稔氏、執筆者・古澤桃氏)

甘藍を嘘の見つかるまで剝がす 
まだ眠り足りぬ木香薔薇の家

◆『繪硝子』10月号

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俳句を紹介・鑑賞いただきました☆

俳句を紹介・鑑賞いただきました☆

角川『俳句』7月号に掲載された12句作品のうち、数句について写真の俳句結社誌でご紹介いただきました。
どうもありがとうございます😊

◆『氷室』9月号(主宰・尾池和夫氏、執筆者・大島幸男氏)

制服に着られてゐる子ひめぢよをん

◆『ランブル』9月号(主宰・上田日差子氏、執筆者・高瀬瑞憲氏)

傷みつつ微笑んでゐる苺かな

◆『田』9月号(主宰・水田光雄氏、執筆者・上野犀行氏)

よく猫に会ふ一

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【俳句20句】ほたるぶくろ~劇場版「夏目友人帳 うつせみに結ぶ」に寄せて

【俳句20句】ほたるぶくろ~劇場版「夏目友人帳 うつせみに結ぶ」に寄せて

ほたるぶくろ柏柳明子

「名を返そう」記憶涼しく揺らめいて
片蔭にふはり気弱な妖(あやかし)よ
さるすべり溢れ知らない祖母のこと
夏座蒲団どこ吹く風の用心棒
滝壺へ運命落つる迅さかな
高貴な妖サイダーを所望する
朝焼に禁断の実のまるまると
三体に分かれ先生の炎昼
猫追へばアリスのごとし夏夕べ
「君は誰」短夜を目覚めてひとり
自転車の苦手な息子雲の峰
告白の低く始まるねむの花
母と子のほたるぶくろ

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