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我ら生命の故郷に思いを馳せちゃったり。死後生前の世界は、きっとみんな一つ… 映画「ノスタルジア」★5over

ソ連の詩人アンドレイ・ゴルチャコフは、自殺した作曲家の取材でイタリアへ。通訳の女性エヴァジェニアとのいざこざ、周囲から狂人と呼ばれるドメニコとの出会い、そして世界の救済…。

1983年 伊・ソ連 126分 「NOSTALGHIA」
監督アンドレイ・タルコフスキー

以前サラッと観た記憶があるが、今回観てみたら、画的にうっすら覚えてる程度で、当然のごとく内容は意味不明だった笑 ただ今回はしっかりと鑑賞したので、良さを再認識。というか良すぎてドハマり。

1回観て、画の美しさにやられるが、内容が分らんかったので、Wikiなどの解説を見たら、そーだったのかーと納得し、もう一回連続鑑賞。作品の鑑賞しただけでは理解できないのはしょうがないな、我が能力の限界。

ある程度理解してから観たらヤバかったなー。とにかく、圧倒的映像美!(ていうのかな)、惚れ惚れする~(そして字幕を見逃す)。印象強いシーンが多い!こんなにときめきの多い作品はそうないんじゃ?

内容は読み取りにくかったけど、解説見たら、そう難しいものじゃなさそうだし(真意は分からんけど)大方はね。芸術的ではあるけども、まったく分からないというものではないと思う。いい塩梅。

どういうところがテーマとなるのか。郷愁、祖国、宗教(信仰?)なんかなのかな。まあ、その辺になるとまったくと言っていいほど、苦手というか、共感しづらいので、得意のパス&ゴー的な。

とは言いつつ気になって調べていると、タルコさんはこの作品制作で国外に出て、完成後に亡命。その後も、故郷に帰ることがなかったらしい。この主人公は、タルコさん自身を表すものと解釈される、と。

また、ロシア人は国外に出たときに、郷愁が強く襲いかかり、死に至る病いに近いとさえ言える独特のものがあるとタルコさんは言ってるらしい。http://www.imageforum.co.jp/tarkovsky/nstlg.html


1滴に1滴を足すと大きな一滴だ。2滴にならない」ドメニコ

これは水の性質の一つだけど、ふと、個人的な死後の世界のイメージと重なった。なんだかそんな感じがしてた。一になる。戻る。根。混ざり合い、同化。他との境はなくなり、すべてが一つの世界。

そんなイメージを持ちつつ、この作品見てると、けっこうしっくりしてくる感じがする。(と思うが…)「故郷」は、その辺の意味合いもあったりするんじゃないかなと、勝手な妄想を広げる。

タルコさんが、「水」を多用するのが分かってきたような(分からないような)原初的イメージを彷彿させるし、人間・生命には、やはり深い部分でのつながりがあるもんなんだろーなと、思ったりして。

我が視覚 我が力 暗がりぬ 2本の神秘なる 硬石の矢 聴覚 父なる家よりの 遠雷にかすみ はりつめた筋肉 萎え 耕作の老牛の如し もはや 夜にさえ 我が肩に 翼 輝かず 祭りには 我は燃え尽きたろうそく、、、、 暁に 燃えかすを集めて 占ってくれ 誰が泣くのか 何を誇るべきか 喜びの最後の一杯をあげ いかに軽く死に 仮の屋根に忍んで いかに 死後に燃えんとするのか 言葉の如くに
(アンジェラ後、本?ノート?燃やしてるところ)

ちなみに、多分だけど、ちょいちょい出てくる犬の名前が「ゾイ」だったような気がするが(間違ってるかな)。気になって調べてみると、これがまた興味深い答えを出してくれたので楽しい。

Wikiによると、「ゾーイは女性名エヴァギリシア語形ゾーエー(ζωή, ラテン文字転写:Zōḗ)に由来し、「生命」「生きるもの」といった意味」らしい。あの犬さんも重要な登場人物(キャラ)だったのか。

そんなこんなでこのNote作ってたら、また観たくなってきちゃったよ。確認したいこと多数だし、きっとまだまだ、新たな発見があると思うし。そうなると、またこれを書き直さないといけなくなる、のはちとめんどい。

そして、なんとなく死に想いを馳せる。
この世界からの亡命、生命の故郷へ。
安楽死、大賛成!


ドメニコのカンピドリオ広場での演説(マルクス・アウレリウス像の上から)

「いかなる祖先の声か?この私の声は、同じ時には生きられない頭と肉体の声だ。私はもはやひとりの個の人間ではない。自分がいくつもの無限定の事物として感じられる。われわれの時代の不幸は、大いなる人間が存在しない事だ。われわれの心の道は、陰に覆われている。声は聴くべきではないか。無用と思われる声でも。脳がいかに下水道や学校の壁、アスファルトや福祉事業で詰まっていようと。虫の羽音も入れるべきではないか。われわれの目に、耳に、大らかな夢の一端が見えて、聞こえてよいではないか。ピラミッドを創ると誰かが叫ぶべきなのだ。実現するしないは大事ではない。大事なのは、夢をはぐくみ、われわれの魂をあらゆる所で、はてしなく広がるシーツのようにのばしてやる事だ。世界が前を向く事を望むなら、手に手を携えるべきだ。混じり合おう。いわゆる健全な人も、いわゆる病める人も。健全な人よ、何があなたの健全さなのだ?人類の目は崖っぷちを見つめている。転落寸前の崖っぷちを。自由に何の意味があろう?あなた方が、われわれを正視する心を持たず、われわれと共に食べ、共に飲み、共に眠る心がないなら、いわゆる健全な人々が、この世を動かして、破局の淵に来たのだ。人間!聞いてくれ。君の中の水よ!火よ!灰よ!灰の中の骨よ!骨よ!灰よ!」

「どこに生きる?現実にも生きず、想像にも生きぬなら。天地と新しい契約を結び、太陽が夜かがやき、8月に雪を降らせるか。大は滅び去り、小が存続する。世界は再び一体となるべきだ。ばらばらになりすぎた。自然を観れば分かる事だ。生命は単純なのだ。原初に戻ろう。みんなで、道をまちがえた所へ帰るんだ。戻らなければならない。生命のはじまり、、、、に。水を汚さぬ所にまで。何という世界なんだ。狂人が、恥を知れと叫ばねばならぬとは! —音楽を。言い忘れた。 母よ!母よ!空気は、こんなにも軽く顔にそよいでいて、微笑ほほえめば、いっそう澄んでいる。」(油をかけ火を点ける、第九「歓喜の歌」流れ、途中で止まる)

確かにこれは聖地巡礼してみたいと思うわ。
サン・ヴィットリーノとかいいなー。
一人で行ったら、アンジェラ(エンジェル)に会えそうな気がする。

ー主なロケ地ー
サン・ピエトロ教会(トスカーナ)。最初エヴァジェニアが行った所。
サン・ヴィットリーノ。水没した教会。謎の少女。
サン・ガルガーノ大聖堂。廃墟。表紙。
カンピドリオ広場。ドメニコ演説。
バーニョ・ヴィニョーニ。村の中の温泉。


★\(^^)/☆

Jah よ! へるぷみ~ (T人T) ナムナム アーメン タスケテ・・ ☆彡(-人- ) 星に願いを・・・ らぶみーてんだー ♡♡♡ <3