【連載詩集】No.31 門番
あれこれ文句を言う暇があるなら、さっさと動きな。
人の批判をする時間があるなら、己の胆力を磨きな。
世の中を呪うくらいなら、自分自身の前途を祈りな。
——俺は門番だ。
あんたの中にいる。
俺はあんたの一部だ。
俺が語る言葉は、
あんたの言葉だ。
どうやら、先を急ぎたいようだな。
いいかい、それなら、よく聞きな。
あんたが、今までのように、
門の前で座り込んで動かずに、
何も実践せず、何も実証せず、
この門は待っていれば開くと、
思い込んでいるならば、
それは大きな間違いだ。
試しに体を動かしてみな。
今のあんたはもう、
あんたが思っているほど、
自由に体を動かせないぜ。
何せ長いこと、座り込んで、
高みの見物をしてきたんだ。
体はあちこち錆びついているだろうから、
多少は苦労して実践を続ける必要がある。
それくらいの代償は、当然、
あんたが自分で支払わなきゃあならない。
さあ、どうする?
ずっとそこに座っているか、
すっくと立ち上がってみるか、
決めるのは、あんた次第だ。
自分で肚を決めな。
誰のせいにもできないぜ。
——俺は門番だ。
あんたの中にいる。
俺はあんたの一部だ。
俺が語る言葉は、
あんたの言葉だ。
固く閉ざされた門を開き、
気高く生き残りたいならば、
何をしなきゃいけないのか、
あんたが一番、
よくわかっているはずだ。
くれぐれも、がんばりな。
実践と実証を繰り返しな。
門の先に何があるのか、
あんたは見なくちゃいけない。
あんたの宿命を受け入れな。
寿命は待ってはくれないぜ。
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