【未経験転職】事務職がデザイン業界に就職するまで |前編
転職どころか、そもそも就活すらしたことがない。結婚を機に前職を退職し、初めて就活をした。分からないことだらけだった。
そして、ついに憧れのデザイン業界へ転職することができた。
今回は、そんなわたしの転職活動について、ノウハウなどをまとめてみた。
ものすごい熱量になってしまったので、前編と後編に分けてつづる。
1) 就活方法を学ぶ
高卒のわたしは、就活をしたことがなかった。
就活の仕方が全く分からないので、一から学ぼうと「東京わかものハローワーク」を利用した。この選択がよかった。
普通のハローワークは、毎回担当者が代わり、一から状況を説明する必要がある。しかし、わかものハローワークは専門のアドバイザーがつき、同じ方がずっと指導してくれる。応募書類の添削はもちろん、キャリアプランの相談にも乗ってくれる。
しかも、そこでは毎月「ジョブクラブ」というセミナーが開催されている。就活中の方々と一緒に約4日間、講義やグループワークを通して、就活の仕方を学ぶことがきる。おかげで、自己分析、仕事の価値分析、行動特性などを分析することできた。
最近は転職エージェントの広告が多いが、そちらを利用してみるのもよさそうだ。
2) デザイン業界を知る
一般的な転職と違い、デザイン業界は自分の作品をまとめたポートフォリオが必要になってくる。企業に「こういうデザインができます」とスキルをアピールするためだ。
また、デザイン業界は特殊すぎると感じていた。インハウスからデザイン事務所への転職が難しかったり、基本的にみなし残業が含まれていたり、訳が分からない。
前職はほぼ公務員に近く、ホワイトな会社に11年も勤めたので、デザイン業界の求人情報は異国のようだった。
そこで、業界に詳しい友人3名に話を聞いて、リサーチすることにした。
母校のデザイン専門学校で働いている方、デザイン業界で働いている同級生らに、転職活動をする中で得た経験、実際に働いてどうかなど、教えてもらった。
また、ポートフォリオを見てもらい、具体的なアドバイスをもらった。
ここで重要なのは、信頼できる方に相談することだ。信頼関係がないと、気を遣ってアドバイスしてもらえなかったり、曖昧(あいまい)なフィードバックで終わってしまうからだ。
3) キャリアプランを考える
デザイン業界に詳しい方々の話を聞いていると、不安になることが多かった。特に「体力」と「経験値」だ。
すでに30歳だったので、20代のような体力がない。そんな中で、終電で帰宅したり、会社に寝泊まりだなんて、とても自信がなかった。
そして、デザイン経験の低さだ。コンペに応募したり、個人で仕事を受けたりしていたが、実際にデザイン業界で働く方々に比べるとスキルもスピードもかなり劣る。
しかも一般企業なら、そろそろ主任など役職がつき始める。社会人としてそれなりに経験を積み、今度は人を動かすポジションになる。
つまり、総じて30歳で未経験業種への転職はかなり厳しいと痛感した。
さらに厳しいのが、仕事も頑張りつつ、家族との時間、個人制作できる時間を確保することだ。
友人に相談したら「まずはアシスタントとしてアルバイトしてみたら?」とアドバイスをいただいた。心がスッと楽になった瞬間だった。
アルバイトで働いて、デザイン業界がどんな雰囲気か間近で学びつつ、よさそうなら正社員を目指すなり、他のデザイン会社を応募するなりして、キャリアアップすればいい。
前職で働いた分の貯金がほんの少しあるので、アルバイトでも数年は生きていけそうだ。
夫に相談したら、「夢にチャレンジしてみたら?」と背中を押してくれた。
4) 練習で応募してみる
色々と諸事情があり、印刷したポートフォリオができあがるまで、一か月半かかりそう。一番気になっている会社は、印刷したポートフォリオが必須だ。
それまで時間がもったいないので、デザイン業界のアルバイトやパートを検索して、練習で応募してみることにした。
課題のポートフォリオは、PDFデータで応募できる会社があるので、それらを念頭に探した。
ここで重要なのは、気になる度70%なら応募してしまうことだ。100%絶対にここで働きたい!という会社は、なかなか見つからないのが現状だ。
求人は「Job by 美術手帖」「JDN デザインのお仕事」「ハローワーク」で探した。
穴場だったのが、ハローワークだ。デザインに特化した求人サイトは、デザイン業界を目指す方々はみんな見ている。だから、倍率が高いのだろう。それらで応募した会社は、全部ダメだった。
むしろ周りを見ても、ハローワークまでチェックしている人は少なかった。しかも、ハローワークならブラック企業がある程度は外せる。
求人票と実際の内容が違ったら、ハローワークに報告すると行政指導が入るからだ。
ハローワークで検索してみると、思った通りDTPなどが多いが、中にはデザイン事務所もあった。
5) 応募しまくる!
一番気になっている会社へ応募する前に、練習で面接まで漕ぎ着きたい。
最低でも毎週一社は応募し、応募に慣れるようにした。
気になる企業を全て応募し切ったら、いろんなデザイン事務所が紹介されている「MdNデザイナーズファイル」を見て、片っ端からHP検索し、求人が出ていれば応募する覚悟だった。
初めて応募した事務所からは案の定、お祈りメールが届いた。覚悟していたが、一社目ということで落ち込んだ。だが、それもだんだんと慣れてくる。
要は、相性なのだ。
「就活は恋愛に似ている」とよく聞くが、本当にそう思う。片思いではダメで、両者がそれなりに惹かれ合わないといけない。応募という告白をして振られたのなら、ウジウジせず、次に切りかえて行く。
ちなみに、ここでひとつ気づいたことがある。
それは、各会社の仕事のスタンスとの相性だ。
「書類を受け取った」とメールをくれるところがあれば、音沙汰のないところもあった。
前職の社風は、どんなお客様でも一人ひとり丁寧に対応する会社だった。対応の仕方も含め、自分の考え方と合っている会社を見つけるいい練習にもなった。
次回予告
次回は後編をお届けする。
はたして、本命のデザイン事務所に就職できるのか?
乞うご期待…!
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