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365のこと

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27歳の一年間の記録帳。2020/4/10までなるべく更新をしていきます。 #365のこと
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2019年7月の記事一覧

051.仕事と食のこと

051.仕事と食のこと

職業柄、日常生活と仕事が切っても切り離せない。街を歩けば溢れかえる広告を目にしない日も場所もないし、SNSやネットメディアは自分では知り得ない情報の収集ツールになっている。
最近は食品系をメインに担当していることもあって、スーパーやドラッグストアさえも仕事の延長で行く。普通に買い物できない体になってしまったのはちょっと切ない。商品と値札よりもPOPや棚づくりの方が舐め回すように見ている気がする。気

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050.「自分のために作られた」という錯覚のこと

050.「自分のために作られた」という錯覚のこと

「大人になったらグッチとか身につける大人になるのかな」と思ってたけど、27歳3ヶ月の今、我が家のクローゼットやアクセサリーボックスはノーブランドばかりだ。
もちろん好きなブランドもある。ケイトスペードのぶっ飛んだバッグ欲しい。グランドセイコーの時計だって一本くらい欲しい。ルブタンのピンヒールをゲットしてかっこいい女になりたいし、ティファニーのピアスやディオールのロングジャケットも素敵で眺めていると

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049.「東京のつらい場所」のこと

049.「東京のつらい場所」のこと

一昨年の冬からはてなブログで始めた「東京のつらい場所」という企画が終わった。

端的に概要を話すと、人生で一番好きだった通称「飯田橋の彼」のことが忘れられなさすぎて飯田橋駅に降りられないから、飯田橋を克服するために彼との(+他のいい思い出のない元カレたちも)思い出の場所をめぐる東京散歩をするだけなのだが、企画を進める中でもリアルタイムで色々なこともあり、とても感慨深いものになった。

インタビュア

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048.「恋の思い出を燃やす日」のこと

048.「恋の思い出を燃やす日」のこと

友人の引越しの手伝いへ行って荷造りをしている最中、終わった恋のかけらをいくつか発見してしまった。
棚の裏から出てきた薄い紙袋から出てきた合鍵だとか、カードケースの奥にしまわれた4角が綺麗にピンと伸びている会社の名刺だとか。

「こんなもの、もう持ってても意味ないんですけどね」とあっけらかんと言う彼女の横顔は、言葉とは裏腹に影をほんのり落としていてとても美しいなあと思った。
彼女のグレーがかった瞳が

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047.「劇団 白昼夢」のこと

047.「劇団 白昼夢」のこと

学生時代から好きだった劇団がある。「劇団 白昼夢」だ。

白昼夢は2010年結成の日芸出身の演劇団体で、本当もうめちゃめちゃやばい。色々な意味でやばい。尖りすぎてるし、クールだし、センチメンタルで喜劇で最高に泥臭くてかっこいい。

はじめて出会ったのは、入学した年。
新入生歓迎会でたまたま出会い、一瞬で虜になった。
だっていきなり「禁じられた禁次郎」なんて意味わからない紙芝居見せられて(しかも第1

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046.「夏の約束」のこと

046.「夏の約束」のこと

去年、ビアガーデンに行こうと約束した人とはもう会わないだろう。
一昨年、また夏が終わる頃に旅行に行こうねと約束した人ともう二度とどこかへ遠出することはない。
社会人一年目、線香花火を一緒にしたいなと言った人は今どこにいるかもわからない。
大学を卒業する年、またパンケーキを食べに行こうと微笑みあった人は遠く遠くに行ってしまった。
二十歳、岡本太郎美術館に連れて行ってあげると言った人は朝焼けの新宿ラブ

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045.「歳を重ねるごとにビールが好きになる」のこと

045.「歳を重ねるごとにビールが好きになる」のこと

お酒が好きだ。ふわふわした気持ちで歩く帰宅路がすきだから。嫌なことも全部わすれられるから。本音がちょっと聞けるから。少しだけ長く一緒に居られる言い訳になるから。

本当は炭酸が苦手で普段はコーラも飲めないんだけど、お酒だとなぜかスルスルと飲んでしまう。喉にくるキック感とか胸にくるせりあがりとか、全然すきになれないのに。煙草だって同じようなものか。

一番最初に飲んだビールは気が抜けてて、でも炭酸も

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