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エフェクチュエーションって何? を妄想してみた ~起業家の思考と行動~

私の周りで「エフェクチュエーション」が凄いと言っている人がいたので、少し調べてみました。
世界で成功している起業家を徹底的に研究して、その思考パターンを論理的に整理したものらしいです。

「エフェクチュエーション」は、サラス・サラスバシー教授が2008年に提唱

不確実な状況の中で、いかに成功にたどり着くか。何度も起業を成功させているシリアルアントレプレナーは、単に運がいいではなく、何か思考や行動に特長があるはず。その成功パターンは?という観点で研究。
バージニア大学ビジネススクールのサラス・サラスバシー教授が2008年に提唱したそうです。

2010年にTED登壇、日本語訳本は2015年に出版。ずいぶん前ですが、気づかなかったなぁ。専門家の間では話題になったんでしょうか?

ともかく、動画といくつかの解説ページから内容を探ってみます。原著は読んでないので、ある種の妄想です。w

目的ではなく、手段から始める

事業を始めるとき、普通なら、目的から考えましょう
Why? が重要なんだよ
と言ってしまいがちですが、なかなか、明確に目的を言語化できるケースは少ない。

たとえば、製造業で技術や設備は凄いものを持っているけど、環境変化に対応して、どのように事業転換すればいいのか? 方向性や、テーマ設定すら難しい。という企業さんは多いです。こういう状況で、目的から考えましょうと言っても、「う~ん」と唸って終わりそうです。

手段から考える ~1.手中の鳥の原則(Bird in Hand)~

今持っているもの、自分たちが得意なこと、やりたいこと、そんなところからスタートしてもいいよ、と言われると、気が楽になります。とりあえず、やってみましょうか。と。

投資規模を決める ~2.許容可能な損失の原則(Affordable Loss)~

ただし、何にでも手を出していたら、資金も時間も尽きてしまうかもしれない。だから、どこまでなら投資できるのか、許容範囲を考えておきましょう。

投資なので、最悪はゼロになるかもしれない。その金額(資金)と時間(人のリソース)を考えて、投資がすべて「無」になっても、許容できるか、確認します。
実際は、すべて「無」になるわけではなく、貴重な経験が残るんですけど。短期的には、ゼロになると考えた方がいいでしょう。

撤退基準というと大げさに聞こえますが、意味は同じ。どこまでやるか、どこで止めるか、あらかじめ決めておくことが重要です。途中で判断するのは心理的に辛いし、判断を誤ることが多いので。

できれば、次の投資ができるくらいの余裕は欲しいです。新規事業は一発で成功するほど甘くないので、何回かトライできる余裕はほしい。できれば、10回くらいトライしたい。そうすると、許容範囲の1/10くらいの規模でスタートしてみる、といった観点で、投資規模を決めるのが良さそうです。

やってみて、反応を見ながら、方向性を決めていく

やりながら、方向性を決める
  手段 → 目的
と演繹的に自分たちらしさ(価値観)との整合性を取っていきます。

プロトタイピングとテストマーケティング ~3.クレイジーキルトの原則(Crazy-Quilt)~

色々な可能性を組み合わせて、プロトタイプをつくってみる
売れるのかどうか、素早くテストしてみる

やってみないと何もわからないんだから、早くやってみましょう。という志向です。当然、やるからには、戦略的にやるんですけどね。

一緒にやる仲間(メンバー)が重要ということで、同じ方向性、熱量を持ったパートナーを集めましょう。

テスト結果をポジティブに評価 ~4.レモネードの原則(Lemonade)~

テスト結果は、色々な捉え方があるけど、ダメな点に着目するのではなく、いい点を見つけましょう。一見ダメな結果でも、ポジティブに意味づけできないか、リフレーミング。

どんな状況でも、ポジティブに捉える。その先に、未来があります。

ちなみに、レモネードの原則とは、レモンからレモネードをつくるというアナロジー。レモンは欠陥品、ダメなものという意味らしく、そこから、ちょっとおいしいレモネードができるということから、こういう名前がついているみたいです。私は、リフレーミングでいいじゃん、と思ってしまうのですが。。。

予測ではなく、主体的にコントロールする

どんな状況でも、主役は自分たちです。外部環境に踊らされるのではなく、テストマーケティングの結果に一喜一憂するのでもなく、自分たちが望む結果を得るために、できることを徹底的にやる。それだけです。

臨機応変に、出来ることは全部やる! ~5.飛行機の中のパイロットの原則(Pilot-in-the-plane)~

出来ないという選択肢はない
成功するように、主体的に、あらゆる手段を使う。ということ。

成功するまで、やる!
成功するように、やる!
これぞ、成功の絶対法則です。

「じゃあ、具体的にどうすればいいのよ?」と疑問が出てきそうですが、これは原理の話なので、具体策はケースバイケースということになります。


ここまで、「エフェクチュエーション」を構成する、5つの原則について見てきました。おさらいしておきましょう。

  • 手段から考える ~1.手中の鳥の原則(Bird in Hand)~

  • 投資規模を決める ~2.許容可能な損失の原則(Affordable Loss)~

  • プロトタイピングとテストマーケティング ~3.クレイジーキルトの原則(Crazy-Quilt)~

  • テスト結果をポジティブに評価 ~4.レモネードの原則(Lemonade)~

  • 臨機応変に、出来ることは全部やる! ~5.飛行機の中のパイロットの原則(Pilot-in-the-plane)~

計画から始める「PDCA」への反論として、観察と行動から始める「OODA」が登場した流れと似ている。出発点が違うだけで、本質は変わらない。

「エフェクチュエーション」も従来型の未来洞察・バックキャスティングなどを使った事業計画と本質的な差はあまりないと思います。捉え方、出発点をどこに置くかの違いかな。

どちらもサイクルなので、1回で終わることはない。何回も回していれば、結局同じこと。
「エフェクチュエーション」も、まず、やってみたら? 当然、戦略的に、徹底的に、やるんだよ! ということなら、とくに目新しさは感じません。

一通り原理を理解した後は、実例を見ていくと、理解が深まりそうです。


入門用のやさしい解説

こちらは、平易な言葉で説明してくれています。

吉田さんは、原著の翻訳に関わっているそうで、色々な解説動画に登場されています。少し詳しく知りたい方は、こちらの動画で全体像を掴むと、いい感じです。


ということで、まだ原著を読んでないのに、読み終わったかのように解説してみました。
仮説を立ててから読む。そういう順番もいいのでは。という実験です。


もし、違ったら、やさしく教えてくださいw
ではでは。



この記事を書いたのは、
収益の柱を増やす「未来実現パートナー」 川原茂樹
https://mousoubiz.com/
https://twitter.com/mousoubiz




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