作品をつくること

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石の時間について考える

「石ってものすごく壮大な年月をかけてできたもので、もう石そのものの存在がかっこいいじゃん、だから俺なんてかなわないと思っちゃって、石を彫ろうとは思えないんだよね。」

と、そんなことをある人に言われたことがある。
その人に限らず、このような意見はよく聞くし、なんならわたしもそう思う。わたしなんかが彫ったものより、石そのものの方がよっぽどかっこいいじゃん、と。

わたしも、かなわないと思う。石そのも

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穴を掘ること、水を待つこと、そしてそれから、

「諸岡って穴を掘ってるみたいな進み方だよね」

と、友達にそんなことを言われたのは予備校時代、浪人生の時だ。
その頃わたしたちは藝大目指して毎日毎日、石膏像をデッサンしたり、水粘土で自分の頭部を作ったりしていたわけだけど、その受験に向かう姿勢、進み方が「穴を掘っているよう」だと言うわけだ。

どのあたりでそう思われたのかわからないけど、まあなんとなく、自分でも納得できた。

穴を掘ってるよね、とい

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「予感」についてー最果ての向こうの風景

以前、「最果て」という自分が初めて大理石で制作した作品について、前編/後編と分けて記事を書いた。

その後の話として、「予感」という作品について書いてみようかと思う。

「最果て」はわたしにとって、一言で言えば祖父の死と向き合うことだった。

そんな「最果て」を彫っていた学部3年のころ、見に行った展示で非常に印象に残るものがあった。東京都写真美術館でやっていた「マリオ・ジャコメッリ展」だ。

その

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コンプレックスのその先へ

彫刻(及び彫刻科)には、多かれ少なかれ「マッチョイズム」がある、と思っている。

ここでいうマッチョイズムっていうのは、こう「体力勝負で作品はデカイ方が良くて力持ちのやつが強い」みたいなもの。簡単に言うと。もちろんそれが全てじゃないけど、そんな価値観が全くないとは言い切れない。

でもそれがいいとか悪いとかっていうことをここで論じたいわけでは全然なくて、ここに書くのはわたしのもっと個人的な話である

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Where am I ? - Here (個展の話)

個展「Where am I ?」が無事終わってからもう一ヶ月近く経とうとしている!早い。来てくださった皆様、気にかけてくださった方、本当にありがとうございました。

最初は、展示タイトルを「Here」にしようと思っていたのだけど、今の自分が「ここだよ!」って言えるほど足元固まってないなあ、と思って、「Where am I ?」というタイトルに変えた。ちょっと情けないタイトルだ。でも格好つけてもしか

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踊りながら石を彫りたい

わたしは結構、音楽に左右されてしまう。と、思っている。
ので、作業中に聞く音楽はそれなりにこだわるというか、ちゃんと選ぶ。プレイリストを作ったりもする。

高校生のとき、色彩構成の課題を夜なべしてやっていることがあった。
最初は何を聴きながらやっていたんだっけ?bonobosだった気がする。
とにかくわたしはさわやかめな音楽を聴いていて、朝焼けをイメージしたようなさわやかな色を作っては画面を埋めて

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「最果て」によせて(後編)ー受け入れる

※前編はこちら→「最果て」によせて(前編)ー石は割れる

制作していた石が真っ二つに割れてしまった。
その時、わたしは自分が何を彫ろうとしていたのか、もう一度見つめ直さなければならなかった。

話は石を彫り始める前に遡る。

………………

3月に、春からは石を彫るぞということだけ決めて、一体どんな形を彫るのかは全く決まっていないのに、「ザラメみたいにキラキラして素敵」というだけで一目惚れの勢いで

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「最果て」によせて(前編)ー石は割れる

わたしは石を彫って作品を作っている。と言うと、たいてい

「ええ、石って割れちゃったりしないんですか?割れちゃったらどうするんですか?」
「木とか粘土とか、他にも素材はあるのに、どうして石を彫っているんですか?」

というようなことを聞かれる。
石って割れるんじゃないですか、どうして石を彫ってるんですか。

一つ目の質問から答えよう。割れます。石は割れる。割れちゃったり、全然する。
多分、石彫をや

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