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地球で見つけた好きな物の話ー本の章3頁ー

 地球を旅する冒険者の皆様、空の青さ、風の心地良さ、草と土の匂い、旅のブーツで踏みしめる砂利の音を楽しんでおられますでしょうか?元本読師の文者部屋美です。


 「本の章」3頁目の内容は「地球に降り立ち過酷な冒険の末、冒険者である事を忘れて物語を楽しむ術を失ってしまった時に出会った光の本と、再び冒険者として立ち上がり、現在読了した作品 上位3冊」について綴ろうと思います。


 冒険者の皆様におかれましては、誰しも冒険を続けているとふと「あれ…どうして、自分は此処にいるんだろう…」と、疑問に思う瞬間があるかと存じます。


 詳細は、前頁を読んで頂くとして…あの十年間は、本を読む事も創作する事も忘れ、「ただの村人」として何の面白みもない日々を無駄に過ごしておりました。


 そんな時、ある本を見つける訳です…そう、あれは…エアコンが壊れた所から、始まりました(笑)


 文者部屋はこの十年のせいで、恐ろしいほどの魔の巣窟と化しており、とても他の冒険者の方々をお迎えするような場所ではなくなってしまっていたのです。


 魔王を倒すべく立ち上がった勇者が、まさに幻覚魔法をかけられて返り討ちに遭い、勇者自ら魔王と化してしまった状態です。


 このままではいかん!と、魔法が解けた文者は「断捨離」を始め、過去からの必要ない物を全て処分するに至った訳です。

 お陰様で全てが浄化され、冒険者が羽を休めるに相応しい居心地の良い空間が出来ました!

 無事にエアコンも新しくなり(笑)、心機一転冒険者としての新しい旅立ちを迎える事と相成りました。


 私は本と同じくらい、文房具も大好きでして…本を綴るのに、文房具はなくてはならない相棒の一つです。


 この度の断捨離で、数多くの文房具を手放してしまったのですが、手元に残った文房具を見て、とてつもない運命を感じてしまったのです!

 その物語につきましては、いずれ「文房具の章」で綴らせて頂く予定でおりますので、文房具好きの冒険者の皆様お待ち致しております。


 話を戻しまして、新たな旅に出ました冒険者文者部屋美は、不思議な事にあちこちで「ユニコーン」が目に留まるのです。


 そうです、空想上の動物であり、馬に似た体を持ち、頭に一本の角を生やした一角獣とも呼ばれる、あのユニコーンです。

 それはイラストだったり、グッズだったり、ネットの情報の中だったり、何気ない瞬間に「ユニコーン」の存在が、まるで新たな旅の仲間になってくれるとでも言わんばかりに、飛び込んで来るのでした。


 さあ、此処までお読み下さった本好きの冒険者の皆様!私の読書熱を思い出させてくれた光の本が、どの作品かピンと来た方もいらっしゃるのではないでしょうか?



 冒険者 文者部屋美を救った光の本

「最後のユニコーン」
「最後のユニコーン 旅立ちのスーズ」

ピーター・S・ビーグル ハヤカワ


 どうでしょう…当たった冒険者の皆様は、おりますでしょうか?もう、本当にこの本の存在は、私の冒険譚を語る上でなくてはならない作品に位置付けられました。


 世界で最後の存在となってしまったユニコーンが、本当に自分だけになってしまったのか真実を知る為、居心地が良く一度も出た事のなかったライラックの森の外へ初めての一歩を踏み出し、冒険の旅に出ると言う物語です。


 もうこのあらすじだけで、文者部屋美の求めている冒険譚に大いに合致している訳です!

 「ユニコーン」と言うキーワードが度々飛び込んで来ていたのは、この為だったのかもしれないと、運命を感じました。


 この地球で旅をするにあたり、ついつい忘れてしまいがちな事がありまして、それは「偶然な出来事は一切なく、全ての出来事は必然的に起こっている」と言う事です。


 同じような内容の台詞を自分の冒険譚に綴られている皆様は、恐らく旅の途中でそれを無事に思い出されたのでしょう。

 そうでない冒険者の皆様は、さぞかし旅の先々で苦戦されている事と存じますが、それもまた必然的に起こっておりますので、必ず思い出せる日が参りますから、其処はどうぞご安心下さいませ(笑)。


 この本を手に取った時、まだ少し恐怖が残っておりました…また、1頁目で閉じる事になってしまったらどうしよう、と。

 ましてや、私が最も得意とする大好きな海外作品のファンタジーですから、これが読めなくなってしまっていたら、本当に立ち直れないかもしれないと思いました。


 冒険者の皆様は、本を読む時に「合う合わない」「面白い面白くない」の基準は、どのように決めていらっしゃいますか?

 私、文者はまさに「1頁目の内容」なのです!


 これは本以外にも、マンガ、アニメ、ドラマなら「第1話」、映画なら「冒頭の10分」、これだけでもう私の冒険に必要な作品かそうでないかを判断しています。


 魔の十年の間に出会ってしまった作品の数々につきましては、冒険者としての文者ではありませんでしたので、今読み直すと違った感じ方が出来るかもしれません。
 

 ですが、先程申し上げました通り全ては必然的に起こっておりますので、恐らくいつ何処で出会ったとしても文者には御縁がなかったのだろうと、割り切って考えております。


 ドラマやアニメなど、人気の作品は「第○話から面白くなるのに!」と仰る方のお気持ちも分からなくはないのです。


 しかし「元本読みの章」で綴りました通りの性質である文者は、次のお気に入りを見つける旅に既に出てしまっているのでした(笑)。


 さて、どれだけ前置きが長いんだと…勿論こちらにご紹介させて頂いている訳ですから、当然ユニコーンの物語はその一行目から冒険者文者部屋美の目を覚まさせてくれた訳です!


 瑞々しい純文学のような、美しい詩を詠唱しているかのような、そんな素晴らしい世界観にどっぷりと浸かり、私は登場人物達と共に旅をしながら、本を読む楽しさを無事に思い出す事が出来たのであります。


 此処からはもう、怒涛の読書ラッシュです(笑)!堰を切ったように、次から次へと本を読み漁りました。


 其処で、新冒険者になる前とは少し違った本が読めるようになりました文者の、最近の読了本をご紹介致します。


1.「煌夜祭」多崎礼 中公文庫

 どうですか!あの文者が、ついに国内作品を読み切りました!(笑)

 今年、多崎さんの「レーエンデ国物語」が本屋大賞にノミネートされましたね。


 当然国内作品に興味のない私は、本屋大賞も縁のない人間でしたし、前頁にも綴りました通り、勿論本好きとして図書館で借りて読んでみようと努力はしたのですが、1頁目からもう全く面白みを感じませんでした。


 そんな中でも、実は多崎さんの作品は借りるのではなく、何故か「いつか買いたい本リスト」に名を連ねていたのです。


 この「煌夜祭」はその中の1冊であり、魔の十年と言う時を経て、今買う機会が訪れたのもきっと必然だったのだろうと、国内作品であるにもかかわらず、すんなりとこの度の購入に至りました。


もう!これは!

文者が読む国内作品としては「霧の向こうのふしぎな町」や
「長野まゆみさん作品」以来の大ヒット作です!


 1頁目から、独特の世界観に引きずり込まれて行き、一応1話1話は短編になっているのですが、1話に登場した脇役が2話では主役になっていたりと、まるでスピンオフ作品を読んでいるかのような楽しみ方が出来ます。


 そう!何を隠そう、文者はスピンオフ形式の作品が大大大好物で御座いまして(笑)。


 メインの登場人物が物語を進めて行く中で、一方その頃脇役達は…と、先程までメインと一緒にいたキャラクター達が、同じ時間に何処で何を経験していたのか?を掘り下げてくれている作品は、非常に楽しいですね!


 最近はその脇役達がメインの作品として出たりして、スピンオフ形式は当たり前になって参りました。

 本でもアニメでもドラマでも、そう言った内容の物にはついつい飛びついてしまいます。


 当然、スピンオフ形式の物語も数本自分で創作しておりますので、いずれ綴らせて頂ければと思っております。


 えーと…ついつい、自分の語りもスピンオフしてしまう文者ではありますが(スピンオフの意味・笑)。



この「煌夜祭」最終話は
全ての物語の伏線が回収され、ラストは思わず
「マジか…やっぱり、そう言う事?」
と声に出して呟いてしまいました!



 これは新冒険者として生まれ変わった私の心に深く残る作品となりましたし、国内作品を改めて冒険し直してみようと思う切っ掛けをくれました。


 実は「レーエンデ国物語」は、第1巻が発売された時点で「絶対読むだろうな…」と、「ユニコーン」同様感じておりました。


 ゲームクリエイターの小島秀夫さんが、YouTubeの本を紹介するチャンネルで「文庫版は作者が当時とは違う視点で描きおろしやあとがきを追加する場合があるので、本を買うなら文庫版をおすすめする」と言うようなお話をなさっていて、私もうんうんと大きく頷きました。


 私も文庫派で、ただ単に価格とサイズが手頃だと言うだけの理由ですが、この「煌夜祭」では多崎さんが文庫オリジナルの書き下ろしを追加して下さっており、尚更小島さんの御意見に同意させて頂いた次第であります。


 但し、多崎さんも注意されておりますが、「煌夜祭」文庫版の書き下ろしは「内容のネタバレ」になりますので、書き下ろしや解説、後書き等を先に読まれるタイプの冒険者の皆様は、是非ともご注意下さいませ!!!


 そんな訳で私は「レーエンデ国物語」の文庫化を、のんびりと待ちたいと思います。



2.「旅のラゴス」筒井康隆 新潮文庫

 めでたき国内作品2作目であり、これも本当に不思議で独特の世界観であり、文者の冒険者心を大きくくすぐる作品でありました。


 主人公である旅人のラゴスは、まさに我々地球を旅する冒険者達の姿そのものであると、私は感じました。


 当然、皆様がこれまでに綴って来られた冒険譚は、冒険者の皆様それぞれが違った内容であり、全く同じ物語はこの地球上に決して1つたりとも存在する事は御座いません。


 なのでこのラゴスを自分に反映させて読んだ時、きっと皆様御一人御一人が違った感じ方をなさると思います。


 筒井さんは作家としてあまりにも有名ではありますが、私にとって国内作品は…(以下同文・笑)であり、「七瀬ふたたび」のドラマを「木曜の怪談」で見ていたような記憶があるだけです。

 七瀬役は、確か水野真紀さんでしたっけ?何も調べずに、曖昧な記憶だけで綴っておりますので、正確な情報がお知りになりたい冒険者の皆様は、どうぞ御自分の旅の途中でお調べ下さいませ(人任せ・笑)。


 今回あまりにも「旅のラゴス」が気に入ってしまい、「七瀬三部作」も取り寄せ注文してしまいました。

 「時をかける少女」の方がメジャーなのでしょうか?原田知世さんが、好きです(そっちの時代かい・笑)。

 と言うか、私が見ていたのは内田有紀さんと袴田吉彦さんのシリーズで、とても面白かったのですが…御存知の方はいらっしゃいますか?


 ああ…「ドラマの章」も、早く綴りたくなって参りました(笑)!読みたい事、書きたい事が次から次へと溢れ出して来るって、何て素晴らしく幸せな事なのでしょう!



3.「姑獲鳥の夏」京極夏彦 講談社文庫

 結局帰って来る所は、講談社(笑)!と言う事で、京極さんの百鬼夜行シリーズは100%好きになるであろう事は、分かっておりました。


 昔から映画でもドラマでも、金田一耕助のシリーズが大好きで、あのレトロな感じの日本の雰囲気に堪らなく心惹かれ、きっとこの時代でも冒険をしていたに違いないと思っております。


 その世界観に似た物を感じ、映像の方を先に見させて頂いて、是非とも原作を制覇したいと意気込んでおりましたので、予想通りの面白さと魅力的な登場人物達にもう大満足でなのであります!


 待望の新作「鵼の碑」が出て暫く話題になり、百鬼夜行ファンの冒険者の皆様はさぞかし感無量だった事でしょう。


 まあ、如何せん長編シリーズで御座います故、私が其処まで追い着くにはいつになる事やら。


 ひとまずは「魍魎の匣」「絡新婦の理」が待機しており、いずれは「鉄鼠の檻」を購入しようと思ってはおりますが、順番に読んだ方が良い物かどうか、悩ましい所です。



 さて、随分と長くお付き合いさせてしまったようですので、本日は此処までとさせて頂きます。
 まだまだ御紹介したい作品は山程御座いますので、そちらも是非お読み頂ければ幸いです。


 それでは冒険者の皆様、地球を冒険の地に選んだ我々ですから、地球でしか体験出来ない事を、この旅を通して思う存分楽しみましょう!


 私の冒険譚をこうして読んで下さる皆々様がおられますように、貴方は貴方しか語る事の出来ない冒険譚を、自分の旅の道しるべとして必要となさっている別の冒険者が、この地球の何処かに必ず存在しております。

 何故ならそれは、今現在まさに貴方がこの地球で旅をしている最中だからであり、その内容を必要としている冒険者達にその物語を語ってあげる事が貴方の旅の目的の一つでもあるからです。


 もしも、貴方の冒険譚を必要としている別の冒険者が一人もいなかったとしたら…恐らく貴方は今現在、この地球には存在していないでしょう。


 つまり貴方が今現在この地球に存在している=貴方を必要としている冒険者が地球の何処かに必ずいる、と言う訳なのです。


 この仕組みを素直に受け入れる事が出来た時、きっと貴方は何段階もレベルアップした伝説の冒険者として、この地球上の歴史に末永く名を刻む事となるでしょう。


 貴方の名が掲げられた、地球史上最大の図書館を訪れる日を楽しみにしております。



※今回の画像の投稿者様が、ブックカバーのお話を綴られておりました。ちなみに文者は、汚れ防止の目的で自分で好きな色のコピー用紙を購入し、カバーとして付け、ジャンルごとに色を決めたペンで背表紙に題名と作者名と出版社名を書き込んでおります。
 夢は、これだ!と思える本革のブックカバーに出会う事です。投稿者様の旅のご無事をお祈り申し上げます。



その他の本の章の頁はこちら!


noteの門開設1か月を記念致しまして、綴らせて頂きました

放浪の元本読師 文者部屋美の本棚ーサイトマップー

 こちらも是非、御活用下さいませ!
(クリエイターホームページ「プロフィール」のタブにも
         固定させて頂きましたので、そちらからもどうぞ!)


同じ地球を旅する仲間として、いつか何処かの町の酒場でお会い出来る日を楽しみにしております!1杯奢らせて頂きますので、心行くまで地球での旅物語を語り合いましょう!共に、それぞれの最高の冒険譚が完成する日を夢見て!