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ぞわっ

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実際に体験した怖い話と、怖い体験を元に創作した小説を集めました。
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豆椅子

豆椅子

※実話です。怖い話が苦手な方は猫と共にお読み下さい。猫がそばにいない方はごめんなさい。

数年前の話。

あの日は曇りでした。

午後3時頃だったと思います。

仕事が休みだったので一人で薄暗い部屋の中、電気もつけずに「ほんとうにあった怖い話」の再放送を観ていました。

内容はうろ覚えなので細かくはわかりませんが、亡くなった子供の霊が家に出るというお話でした。

怖いというか胸が締めつけられるよう

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【小説】うしろの正面どっちだ?【ショートストーリー】

【小説】うしろの正面どっちだ?【ショートストーリー】

またか…

玄関で靴紐を結んでいると、頭痛と共にある映像が浮かんでくる。

人が階段に立っている映像だ。

その映像にある階段は、俺のすぐうしろにある。

いつからだろうか…

玄関で靴紐を結び、出かける準備をしている時に必ず起こる。

幽霊…?

俺は今まで幽霊というものを見たことはなかったが、こう頻回に起こるとそれを疑わざるを得ない。

はっきりとした映像ではないのに、女という事だけはわかる。

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【小説】藻のぐらいプールの底から【ショートストーリー】

【小説】藻のぐらいプールの底から【ショートストーリー】

女の子の家には金魚がいた

夏祭りで、おじいちゃんがすくった金魚だ

2匹の金魚は、金魚鉢の中を気持ちよさそうに泳いでいる

女の子は毎日エサをあげた

金魚鉢の中にエサを入れると、水の底にいた金魚が水面まで上がり、口をパクパクさせている姿が可愛いからだ

女の子は毎日毎日エサをあげた

パクパク

透明だった金魚鉢が、だんだん緑色になっていく

それでも女の子はエサをあげ続ける

エサを食べる姿

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あそぼ

あそぼ

あれは夢だったのか

夢じゃなかったのか

幼い頃、近所で火事があった。

現場の野次馬に混ざり、私と母がいた。

記憶が曖昧なので、もしかしたら母と一緒ではなかったかもしれない。

昼間だったから、近くで遊んでいて、消防車やパトカーと救急車の音で騒がしかった為、好奇心で一人で行ったのかもしれない。

現場から少し離れた所に規制線が張られ、すでに鎮火した後だった。

大勢の人がいて騒がしかった。

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ゆうれいといっしょに寝よう

ゆうれいといっしょに寝よう

息子とふたりきりの夜があった。

夫は出張で泊まりだ。

夜は寝てくれるかな。

息子はいつも、昼間のテンションのまま夜になる。体力があり余っているのか、なかなかベッドに入ろうとしない。

昼間どれだけ遊びまわっても、とても元気だ。

だけどその夜はちがった。

素直にベッドに入った。

めずらしい日もあるものだと、少し嬉しくなった。

息子は真っ暗だと嫌がるので豆電球にする。

カチカチ

布団

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ぞわっ

ぞわっ

息子が幼い頃、古いアパートに住んでいた。

そのアパートは日当たりが悪く、昼間でも薄暗くジメジメしていた。

住みはじめて暫くした頃、奇妙な事が起こる。触ってもいないのにカルガモのおもちゃが勝手に鳴りはじめたり、料理中に人が横切る気配がしたので、夫だと思い声をかけようと横を見たら誰もいない。夫はリビングでテレビを見ていた。他にも悪夢を見たりなど。

そのアパートに住んでた頃の息子は、カタコトの日本

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