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針と種 100分deフェミニズム

『別冊NHK100分de名著 フェミニズム』
お正月に放送された番組が書籍化したもの。
本に、読むものにしてくれ、出してくれて、本当によかった、と思った。
すこし語らせて下さい。

 番組を観たときはしみじみと2つの気持ちになった。

 
100分にまとめるにはテーマも情報量も多すぎる。
収録は8時間を超えたとのツイートも見た。
 
「これはまとまらへんやろ、1テーマ(1冊)でもまとまらへんやろ」
 
4人の出演者がそれぞれこのテーマに沿った1冊を紹介する、というかたちで進む。
本の内容は朗読と映像で紹介される(これはこの番組のいつもの形)
そうして討論会というか座談会形式で司会と出演者が語り合うのだけれど、
素敵に素敵なほどアクの強い(褒めてる)論客4人、
プラス最近ちょいちょい“そうゆう風に”出てるバービーが喋るとなるとなかなかに話が広がる、個人的な体験など(それ大事やもん)も織り交ぜて語るとさらに広がる。

おさめるには、難しすぎる。
 
まとまらない、まとまりきらない。
きれいにまとまる訳は、たぶんない。
うん、まとまらないことこそ、真実というか、それが意義深いことでもあるのかもしれない。
 
この番組をきっかけとして、この放送を経て、「これから」へ。
さあ、じゃあ、あなたが、
あなたとあなたも、
皆で悩みながらもがきながら、
でも胸を張っていい張るべきことはきちんと張り、声をあげるべきときやことはあげましょう、みたいな。
 
「(たぶん100分で、では大きすぎるとわかった上で)地上波でこの企画をやった、というのはめっちゃすごいことやな、きっとほんとうに意義深いなあ」
 
だからこの番組が書籍化すると知ったときはうれしかった。
(鴻巣さんのツイッターで知ったのが最初だった気もする)
 
わたしはどうしても文や読み言葉を「読む」ことでの方がメッセージや情報が頭に体に入って来やすい性質なのだと思う。
自分のペースで一字一字一言一言入れていくことが出来るからかもしれない。
記憶力は無駄に悪くない方だと思っているので(興味のないこと以外は、ですが)
話し言葉や、喋ったこと喋られたこと、意味と物が一致しているものは割に覚えがよい方ではある。
でもやはり、思考し、言葉や言い方伝え方を選び、順番や構成の仕方を選んで「書かれた」ものは特に頭に入ってくる、気がする。
喋りや視覚的なものより優ると言っているのではない。あくまで私のとろい頭の場合の話ね。
 
だから書籍化されたことで、
各人が「語る」ように書かれた言葉、
「このテーマを語るならこの本です」と選んだ4冊、
4冊が1章ずつ解説というか文字で語られ、
番組で紹介されたことに加えて「よりわかるための」補足なども入ったこの一冊は、よかった。
視覚という「エンタメ」としてもわかりやすく興味深いがあまりに情報量が増えてしまうものでなく、
それを経ての「書籍化」、
ゆっくり(まだ一読だけどこれから手元に置いて何度かめくっていくということも含め)知れて、学べて、よかった。
 
解釈を地べたの状況と合わせ話して下さったこと。
それらを頭に体に気持に身に入れさせていただき、考えるきっかけと種……
自分のこと(だけ)じゃなく、他者を社会を人の尊厳を、
考え、動くべき動きを動く、そのための針をいただけて、ほんとうによかった。うん、少しずつ、入ってきた、入れていけた。
 
わたしの中には、ミソジニーの気持ちが、いや、も、か、が、ある。
少なくない、とも自覚したりしている。
ミソジニーだけじゃなく、
ミサンドリーも、
うん、女性男性関係なく両方、人間というものへの嫌悪感もたくさんあるのだけれど。
育ってきた環境と無駄な負けず嫌いと無駄なまっすぐさ、
とある過去のトラウマ、
これは許さなくてよかったことを恐れと嫌さと悔しさから
でもそれでも無駄な負けず嫌いで許した(いや、許していないけれど)ことなのだけれど、
そんなこんなで自己否定やコンプレックスや自分の弱さもあるし、
ゴミみたいな業界と人たちに関わってきたことからもある。
ま、人間ってゴミみたいなもんですが。
(って、乱暴すぎて語弊しか招かないだろう書き方ですね、と言いながら笑い&真顔)
自分の中で麻痺したりさせていたり、そうしている内にべったりと固まってしまっていたものもある、愚かすぎることにも、ほんとうに。
 
でも近年、そんな自分のこともやが、だからそれでも、だから、
「わかり合えないからわかり合えないけど皆が共に生きるには?」
そんなことをとても考えるようになった。
きっかけは、いろいろを通して辿り着いた劇場と舞台の世界、
女性たちが輝く大好きな舞台の世界だ。
舞台に客席に大好きな人と人達がいる世界で、
でもつまり人間だらけ故に(や、いろんな理由で)決して全てを美化だけはできない、美化だけというのは、それは多分違うと思ってはいる。
でも、そんな世界で、大好きなステージをつくり見せつづけてくれる人や人々から、客席で知り合った仲間から、多種多様な皆、皆から、
たくさんのことを気付かせてもろたり、考える種をいただいたりするようになって。
アタマより体が先に動いたり、めちゃ笑ったり泣いたりするようになって。
生きる支えというと言葉が重いし何か違う気もするが、
〝日々やっていく中で気持ちの上での大事なとっておきの美味なるもの〟
みたいな感じになり、
楽しさと活力や刺激と肯定、肯定の意味、善悪の意味、を感じたり噛みしめたり考えるようになった。
 
フェミニズムもその中のひとつだ。
いい悪い好き嫌い賛同とかそういうのを越えて、どれかに偏ったりじゃなくて。
そもそもフェミニズムという言葉はあまりにおおきすぎる。おおき、き、すぎる。
非常に偏ったり、思い込まれたりされがちな言葉だ(なんでやろねえ)とも思うし。
だからこの言葉は難しいというかわたしはあまり使わないようにしたいなとしているのだが。
(否定や反対の意味ではなく、前向き大事だからこそ使う言葉に酔って何かや誰かが見えなくならないようにの意味でね)
この度の企画で、そしてその書籍化されたものを読み、ああ、やはりもっと知り、学んでいきたい、いかねば、となった。
 
好きなことやものも苦手なことやものも含むいろんな色々に、
これからも出会い、考えたい。
自分や自分の周りだけじゃなく。
血の気多いけど、だからこそ。
 
〝個人的なことは政治的なこと〟
 
長くなりました。
でもなんだか、こうして置いておきたいな、と思いました。
 
〝小さなわだかまりから大きな波へ〟
 
読むこと、書くこと、観ること、書くこと。
 
いろんなひとやことに出会って、出会えて、よかったな、
たのしいし、うれしいし、いつもいつもよかったな、って思っています。
という、めっちゃ抽象的MAXな書き方で、しめます(笑)
 
決して分厚くはないけれど、
ぎゅっと詰まった、歴史と、想いと、
これからへの、針、みたいな、1冊。よかったです。
 
読むこと、書くこと、観ること、書くこと。
 
やって参ります。
 
ああ、やはり、まとまらなかったなあ(笑)



なんかなんとなくつぶやいた昨日のインスタ。


◆◆◆
以下は、すこしだけ自己紹介 。よろしければお付き合い下さい。
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構成作家/ライター/コラム・エッセイスト
中村桃子(桃花舞台)と申します。
大衆芸能、
旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。

普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。

劇場が好き。人間に興味が尽きません。

舞台鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)と、
学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)、
本を読むことと書くことで生きてきました。

某劇団の音楽監督、
亡き関西の喜劇作家、
大阪を愛するエッセイストに師事し、
大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリーに。

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lifeworkたる原稿企画(書籍化)2本を進め中。

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各種ライティング業をずっとやってきました。
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