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白とか黒とか『アンチヒーロー』とかバニラアイスとか

正しいとかなんだかんだとか生きることとか考えるようになったのは、
己の身内事(過去から今も)からなんだろうなと思うが、
嫌でも、吐くほどわかりだしたのは、
やはり、旅芝居・大衆演劇、
「生きることそのものの舞台であり芸能」を観て、観出して、観続けて、である(!)
そんなこんなでこのnoteにも、
何度か、特に意識したりしなかったりしながらせずに書いてきたりもした。
「勧善懲悪なんて、無い」「いや、ある」「絶対に、ある」
「けど、だから。だから、けど」
と、いう人間にとって、今期の日曜劇場『アンチヒーロー』は面白かった。
最終回は遅ればせながら火曜日にやっと観られたのだが、リピートもした。

主演の長谷川博己もよかった。
でも圧巻だったのは、ヒール役の野村萬斎だ。
私的に、だが、そう思った人はぜったい少なくないはず。
「説得力」についてしばらく考えたりした。
説得力、すなわち、それは身体性とも言える?
脚本家が想像したキャラクター(人物)を、
己の頭で想像し、己の肉体で表現する。
頭と体、ほぼ完全レベルに一致していたように見えた。
だから、ものすごい説得力があった。すごかった。
やはりあれか、あれが伝統文化、古典芸能に生きてきた身体の説得力か。
 
でも、これは、いやこれも、
わたしが元々野村萬斎が好きだからという
単純な理由からの贔屓目というか、
見方の偏りも少なからずあるだろうとも自覚もしていて。
 
そう、わたしは、いや、私たちは、って言ってもええ?
人間は、あまり賢くないし、強くもあまりない、ことが、結構多い。
好き嫌いという主観に振り回されるし、振り回される。
きれいなはったりには騙される(騙されたいのかもしれない?)
自分の信じたいものしか信じないことが多い。
みたいものをみたいようにしかみられていないことは、
たぶん、少なくない。
 
正義や、悪は、むずかしい。
むずかしくあっては、いけない。でも、だから? むずかしい。
 
こういった際、
以前はよく菊池寛の『恩讐の彼方に』を例えとして引用していた。
でも、すこし前にひさしぶりに読み返したら
「そもそも論」として主人公は「クズやな」としみじみ思った。
仏門に入ろうとクズはクズだ。亡くなった寂聴さんもクズだ。
ああ、人のことをクズだなんて言ってはいけない。

「クズやなーー!」「でもな」「でも、だから……」「だから、でも……」
 
やっぱり、考え続けること、
この言葉もなんかぴんとけーへんな。
聞こうとすること。知ろうとすること、って、大事なんじゃないかな。
まずは。そして、まずはだし、やっぱり、そこじゃないかな。
「もしかして?」「今、私、固まってる(凝り固まってる)?」
って自問自答することとか、
それにはやはり、「聞こうとすること。知ろうとすること、知ること」を
忘れないこと、忘れないでいようとすること、じゃないかな、
なんて、思ったり、してる。
それは、それも、ほんとうに、
もしかしたら最もむずかしいことのひとつかもしれない。
しれない、けれど。
 
萬斎演じる伊達原はすごい顔で言っていた。
 
「ある行為が正義か悪かは見え方次第」
 
長谷川博己演じる明墨は力を込めて言っていた。
 
「法律とは一体なんなんでしょう。
我々は法律によって、白か黒かを公平に判断することができます。
ですがそれも所詮、人間が作り上げた尺度です。
法によって白になったことが、本当に白なのか。
黒の奥には、実は限りない白が存在しているのではないか。
それを考え続けることこそが、
こんな世の中を作ってしまった我々の役割なのかもしれません」
 
 

『アンチヒーロー』の野村萬斎や
ネットフリックス『シティーハンター』の鈴木亮平、
身体性と説得力! うそとほんとと、つまりは、ほんとうになる!
ってことを書きたいなー、とずっと思っていたはずが、
なぜか、また(?)こんな話になった(笑)
 

白とか黒とか正解とか正義とかの謎のバニラアイス過去記事はこちら。
なんでこんな記事を書いたのか書けたのかはわからん。
が、なんか自分でも気に入っていないことも、ない2つです(笑)



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【略歴や自己紹介など】

構成作家/ライター/エッセイスト、
Momoこと中村桃子(桃花舞台)と申します。

旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。

普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。

劇場が好き。人間に興味が尽きません。

舞台鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)と、
学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)、
本を読むことと書くことで生きてきました。

某劇団の音楽監督、
亡き関西の喜劇作家、
大阪を愛するエッセイストに師事し、
大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリー。
lifeworkたる原稿企画(書籍化)2本を進め中。
その顔見世と筋トレを兼ねての1日1色々note「桃花舞台」を更新中。
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