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[詩]ザルモクシス

降り注ぐ鱗粉が最悪で大好き
気管支に詰まらせて
あの女を犯してしまいたい
ぶち殺す興奮が最悪で大好き
動かないおもちゃに
サヨナラを添えて夜空を泳ぐ

憎悪も愛も受け入れて
瞬きと共にこんにちは
あなたの描く物語は誰といるの?

薄雲から溢れる天使の梯子
私を救う救世主
薄氷を溶かす

あなたのことが最悪で大好き
世界に火を焚べた
いつか逸れてしまうとしても
裸の心が一番星になりたいと
夜空に願ってしまった
糠星が儚いものを抱いてしまった

今日は機嫌が悪いやって
誰と喧嘩したの?とは
聞けないからあなたの頭を撫でる

スコールが降るこんな日には
雷鳴が散っていく
カタルシス決めて

あなたのことが最悪で大好き
萌芽に火を焚べた
いつか逸れてしまうとしても
裸の心がギブスを探している
ホスピタリティが消え
糠星が消えても誰も興味ない

空気を殴って歩いていける
そんな強い人にはなれない
凪を乱さないような人生
鉛を吐き出して

あなたのことが最悪で大好き
世界に火を焚べた
いつか逸れてしまうとしても
裸の心が一番星になりたいと
夜空に願ってしまった
糠星が儚いものを抱いてしまった

羽ばたくほどに色彩を変える
蝶のように舞うのは
灯蛾ではなく胡蝶の夢をみている


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