百沢 烏(ももさわ からす)

都内住みのクリエーター志望です。週刊少年マガジン漫画原作公募用のアカウントでしたが、応…

百沢 烏(ももさわ からす)

都内住みのクリエーター志望です。週刊少年マガジン漫画原作公募用のアカウントでしたが、応募作の一つである「三毛猫チューニングメーター」を引き続き漫画化を意識した小説形式で書き続けています。他には書評なども書いています。

最近の記事

ぴよぴーよ速報「小学生でもわかる世界史」

最近フラメンコについていろいろ書いていましたが、今回は書評に戻ります。読んだ本は「小学生でもわかる世界史」です。こちらの本は先日、書店の通路横の小中学生向け参考書や雑学書コーナーに平積みしてあったので、パッと目に留まり衝動買いしたものです。作者は想像がつかないのですが、Youtubeに歴史動画を上げている歴史に詳しい人のようです。が、私は動画は観たことがない状態で本を読みました。2023年12月に初版ですが、翌年1月(本では2月20日とある)には第2刷となっていますので、結構

    • フラメンコについて その8(フラメンコギター・フラメンコ音楽の楽しみ方) -そして最終回-

      これまで7回フラメンコギターに関する記事を書いてきましたが、いよいよ最終回の今回は締めくくりとして、フラメンコギターの楽しみ方、フラメンコ音楽の楽しみ方について書きたいと思います。これまでの記事のリンクは最後にまとめてあります。 まず、フラメンコギターの楽しみ方ですが、私は「とりあえずわからなかったらパコ・デ・ルシアを聴いておけ、おススメアルバムはこれだ!」とやってしまっているわけですが、もう少し本格的に楽しみたいと思われる方には、ぜひ古典的なフラメンコギターを聴いてもらい

      • フラメンコについて その7(パコのその他おススメアルバム)

        前回まで6回にわたり、フラメンコギターについて語ってきました。今日は天才ギタリスト「パコ・デ・ルシア」のそのほかのおススメアルバムと、最後の締めくくりとしてフラメンコギターの楽しみ方をザクっとご紹介します。過去の記事は最後にリンクをまとめていますので、そちらをご覧ください。 私のパコのおススメアルバム No1は「二筋の川 / FUENTE Y CAUDAL」です。こちらに関する記事はその4からその6に記しましたので、そちらをご覧ください。これを決める際、いくつか他のアルバム

        • フラメンコについて その6(フラメンコギターの聴き方 の続き)

          今回で6回目となるフラメンコ投稿ですが、前回はパコ・デ・ルシアのおススメアルバム「二筋の川/FUENTE Y CAUDAL」の曲説明の途中でしたので、その続きとスペースがあれば他の次点となるパコのおススメアルバムについて書きたいと思います。前回までの記事のリンクは最後にまとめてありますので、そちらからたどってくださいませ。 前回の記事で説明できていない曲は4曲目と6曲目と8曲目です。曲のタイプから説明します。 まず、4曲目の"BULERIAS POR SOLEA"ですが、

        ぴよぴーよ速報「小学生でもわかる世界史」

          フラメンコについて その5(フラメンコギターの聴き方)

          なんだかんだで5回も書いている本記事ですが、そろそろ終わりになります(多分)。過去4回分は量が増えたので記事の最後にまとめていますので、そちらのリンクをたどってください。 今日はフラメンコギターの聴き方について書きたいと思います。前回おススメしたパコデルシアのアルバム「二筋の川/FUENTE Y CAUDAL」を基に説明します。 まず、アルバム(サブスクはSpotifyにはないようです)の裏面を見ると曲名が書いてあると思うのですが、フラメンコの場合、曲名の後ろに()書きや

          フラメンコについて その5(フラメンコギターの聴き方)

          フラメンコについて その4(パコ・デ・ルシアのおススメの一枚)

          フラメンコギターについて書き続けています。過去の記事はこちらです。 その3 その2 初回(その1) 4回目となる今回は天才フラメンコギタリスト、パコ・デ・ルシアのおススメアルバムを紹介します。 ちなみに、今回は細心の注意を払って記事を書いています。なぜかというと、ポロっとアルバムを紹介して「かっこいいから聴いてください!」とやると、おそらく聴いた人達は「あぁフラメンコギターってこんな感じなんだね」で終わってしまう可能性があるからです。 J-POPやロック(最近はE

          フラメンコについて その4(パコ・デ・ルシアのおススメの一枚)

          フラメンコについて その3(天才ギタリスト達)

          第3回の今日は天才フラメンコギタリストについて書きたいと思います。 前回、前々回の記事はこちらから。 その2 初回(その1) 近代になるまで、フラメンコにおいてギターは歌と踊りを支える伴奏の位置づけでした。もちろん、今でもタブラオといわれるフラメンコが楽しめるレストランでのステージでは、フラメンコは歌と踊りが中心ですし、ギターがソロで1曲まるまる演奏するということはありません(曲中にはギターソロっぽい部分はあります)。 歌と踊りから切り離されたソロとしてのフラメンコ

          フラメンコについて その3(天才ギタリスト達)

          フラメンコについて その2(フラメンコギター)

          先日フラメンコについて書き始めました。その時のリンクはこちらです。 今回はフラメンコギターについて少し書きたいと思います。前回もお話しましたが、フラメンコは大きく、歌(カンテ)・踊り(バイレ)・ギター(トーケ)の3つから成り立っています。逆に言えば、いわゆるバンド的な演奏をするのはギタリストだけです。もちろん、もう少し大きな編成ではカホンやフルートなど他の楽器や演者が含まれたり、歌い手や踊り手が時にそういう楽器を演奏することもありますが、基本的にフラメンコ音楽のコード感やリ

          フラメンコについて その2(フラメンコギター)

          フラメンコについて

          今日は書評ではなく、個人的に関わりのあるフラメンコについて書きたいなと思います。 noteでもフラメンコについて記事を書かれている方もいらっしゃいますが、その多くが女性でフラメンコの踊りをメインにした記事がほとんどです(男の私がざっと読んできた限り)。フラメンコでは踊りが重要であることはもちろんなのですが、フラメンコは踊りだけではありません。少しでもフラメンコに興味を持ってくれる人が増えることを期待しつつ、ザクっとフラメンコについて語ります。 まずフラメンコでいくつか知っ

          ビル・パーキンス「DIE WITH ZERO」訳:児島修

          あけましておめでとうございます。プライベートで別の作業をしており、書き込みの間隔が開いてしまいました。今年も自分のペースで書いて行けたらと思いますので、よろしくお願いします。 今回の本は米国人著者の「Die with Zero」です。タイトルは訳されていませんが、私が訳しますと「財産を残さないで死ぬ」という意味になります。サブタイトルは「人生が豊かになりすぎる究極のルール」ですが、正直あまり良い邦題とは思えません。2020年に日本語版が発行された本ですが、2023年に17刷

          ビル・パーキンス「DIE WITH ZERO」訳:児島修

          中根千枝「タテ社会の人間関係」

          今回は社会学の分野で名著と言われている本書を紹介します。筆者は非常に有名な社会学者であり、本書は彼女の名を世に知らしめた代表的な著書です。 本書は昭和42年(1967年)に講談社現代新書から発行されています。内容は、日本人の人間関係や組織的な行動様式を日本社会の場の意識と単一性に軸を置いて論じたものです。 50年以上前の内容ながら、今なおここに書かれる日本人の行動様式やその特徴はほとんど変わっていません(と思います)。ここから本書の論点をまとめます。 まず日本社会は個人

          中根千枝「タテ社会の人間関係」

          松岡圭祐「小説家になって億を稼ごう」

          今回はタイトルが非常に景気が良い本を紹介します。 新潮新書から出ているこの本は自身も作家である松岡圭祐氏の書下ろしです。松岡氏は小説でミリオンセラーを複数抱え、作品が映像化されるなど、いわゆる売れっ子小説家として活躍中です。 もともと私はこの本を正に億を稼ぐための How to 本として読み始めたわけですが、読み進めるともに印象が変わっていきました。最初のイメージは「自分の小説がミリオンセラーになるにはXXが必要で、それを実現するためにはXX」もしくは「書いた小説はXXの

          松岡圭祐「小説家になって億を稼ごう」

          ピエール・バイヤール「読んでいない本について堂々と語る方法」訳:大浦康介

          前回は「本を読む本」という読書法の本を紹介をしました。今回はそれと対極にあるような本「読んでいない本について堂々と語る方法」を紹介します。 前回のリンクはこちら ↓ この本ですがフランスで出版されベストセラー、その後も世界で翻訳されており、ニューヨーク・タイムズの「サンデー・ブックレビュー」が選んだ2007年のベスト100冊の中で唯一のフランス人著者の本だったそうです。 まず、タイトルが勘違いしやすいのですが、この本は ”本を読まなくても何か別の方法でその本の内容がわかる

          ピエール・バイヤール「読んでいない本について堂々と語る方法」訳:大浦康介

          MJアドラー・CVドーレン「本を読む本」 訳:外山滋比古・槇未知子

          講談社学術文庫(背表紙が青い文庫本シリーズ)から発刊されているこの本は1940年に米国で発行され、世界各国で翻訳されているそうです。日本語版も1978年に刊行され、講談社の文庫本としては1997年1刷で2008年に27刷(私の手持ちの現物)というロングセラーの名著という位置づけの本です。 事前に断っておきますと、筆者は新聞など事実を伝える情報や娯楽のための読書に特に技術が必要とは言っていません。一読しただけでは全てを理解できそうもない、一生をかけて何度も読みこむ、世界的に名

          MJアドラー・CVドーレン「本を読む本」 訳:外山滋比古・槇未知子

          谷崎潤一郎「文章読本」

          今回は文豪の文章読本を読んでみました。昭和9年(1934年)に書かれたとのことなので約90年前の作品です。当然良い文章に求められるものも全く違っていたんだろうと思いつつ読みましたが、結果的にはそこまで違っていないなという印象です。この時代から「最近では外来語がたくさん入ってきたり、口語体が主流になり言葉が変わってきている」という認識が谷崎にもあって、いつの時代も言葉は変わるんだなと思いました。 まず本文と関係ないところで凄いなと思ったのが、谷崎潤一郎という人の博識ぶりです。

          谷崎潤一郎「文章読本」

          神田桂一/菊池良「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」

          この本はタイトルの通り、様々な作家がカップ焼きそばの作り方を文章にしたらどうなるのか?に焦点を当てた作品です。当然、物マネであり、作家本人は書いていません。また、対象の作家が有名な場合もありますし、雑誌や求人記事というライターが匿名のものも取り上げられたりもしています。個人的には文章好きのエンタメとしてはアリだなと思いました。 ちなみに、本の中に挿絵もいくつか挟まれていますが、こちらも「XXがXXを書いたら」という特定の漫画家の作風を真似たものになっていますし、本の「はじめ

          神田桂一/菊池良「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」