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織田信長、徳川家康、豊臣秀吉に見るビジネスリーダーに必要とされる力 Vol 2

前回に続き、今回は秀吉について書いて行こうと思います。

豊臣秀吉は、人たらしと言われて有名ですが、その他の事について考えてみるならば、彼は自分の見せ方というのがとても上手だったのではないかと感じます。自分をどういった場面で、どのように見せたら、相手に自分という存在が効果的に映るのか?相手の印象に強く残るには、いつどのようなタイミングで自分を見せたらいいのか?それを彼は熟知していたのではないかと思います。

彼は自分の一番効果的な見せ方をよく知っていた。だから、いつ何をどのようにすればいいのか?それも全て熟知していたのではないかと思います。

秀吉という人間は、やみくもに動いたりはしない。自分を効果的に見せられる時がいつであるのかをいつも伺っていて、今だ!という時に、自分を見せる。彼は、的に当たらない矢は絶対に打とうとはしない。確実に的にあたる矢しか打たない。無駄な博打は打たない。

秀吉は、何本も矢を打たない。沢山の矢を打って、一本でも当たればラッキー!というような考え方をする者ではなく、彼は自分が矢を打つと決めたら、その自分が放つ矢一本で相手を確実に捕らえる。無駄な矢は決して打たない。

自分の打つ矢を絶対に無駄にしない。自分が打つと決めたら、その矢は絶対い相手に当てる。これが秀吉の在り方。一撃で相手を捉える。絶対に外さない。彼は自分の放つ矢を決して無駄にしない。数打てばどれか一本位当たるだろう。こうした考えが嫌いだったのかも知れない。打つからには一発で捉えなければ意味がない。こういったことから秀吉の在り方を分析するなら、彼は究極の完璧主義者であったのかも知れない。やるからには、絶対に失敗は許されない。確実にやらなければいけない。そう言った意味では、彼はいつも相当なプレッシャーの中で生きていたと想像する。

一発で捕らえなければいけない。そう思うからこそ、秀吉は何をするにもとても慎重だったはず。いつもそう言った意味ではピリピリしていて緊張状態にあったという可能性も考えられる。

秀吉という人間は、いつも自分をとことん追い込む事で自分の人生を生きてきたのかも知れない。自分という存在を極限の状態において、自分を鼓舞し続ける。そうする事で、彼はどんどんとのし上がっていった。

彼はそうやって、確実に相手の心をとらえて、自分の事業を拡大させていった。彼のしたことはある意味事業を拡大していくには大切な能力であると考えるが、こうした在り方が、秀吉の精神をすっかり疲弊させてしまったのも又事実ではないかと考える。

彼は、常に自分を追い込んだ。そうする事で、自分を律し続けた。つまり、他人には、優しく、柔軟な考え方が出来たのかも知れないが、それが自分には一切出来ていなかった可能性がある。

人を魅了する事は出来た。でも、彼は自分自身を魅了する事は出来なかった。相手を自分の中に取り込み、その相手を自分の思う様にコントロールする事は出来た。でも、彼は自分自身をコントロールする事は出来なかったのではないかと想像する。

こうした秀吉の在り方はビジネスリーダーにとって、とても大切であるとは思うが、彼の生き方には学ぶべき所がある。それは、目的に盲目的になりすぎて、自己を失ってしまってはいけないという事だ。

彼は、天下統一という目的の為に、自分を顧みずに突っ走った。彼は自身を振り返るという事をしなかった。自分というものに目をかけてやるという事をしなかった。自分が果たすべく目的に盲目的になりすぎて、自分を大切にするという事が出来なかった。彼はそう言った意味では自分を見失ってしまったのではないだろうか?つまり、天下統一する事で自分が燃え尽きてしまった。つまり、その時点で自分が完全にバーンアウトしてしまったという事になる。

自分の持っているエネルギー全てでぶつかっていく。これはとても素晴らしい事ではあるが、これは自分の事を全くわかっていない人が取りがちな行動だったりする。全力でぶつかっていけばそこで自分の力を全部使い果たしてしまう。秀吉とはまさにこんな感じだったのではないかと思う。

自分の持っているエネルギー、力。それがどのくらいあるのか?それを彼は把握する事が出来ていなかった。だから、なんにでも全力で向かい、力を抜く事がなかった。

こうした秀吉から学ぶべき事といのは、目的達成のために、盲目的になりすぎると、自分を見失ってしまうという事なのではないかと思う。目的達成に盲目的になりすぎると、視野が狭くなる。そうなれば、自分以外の他に対してもあたりが厳しくなったりする。これが、一組織のリーダーであるならば、そのリーダーは完全に独裁的になってしまう。

目的達成のために、自分を見失い、その目的達成の為だけに猛進する事により、周りの事が何も見えなくなり、ただ目的達成の為だけに猛進する。こうなると、もう何も周りにある事は見えなくなるし、聞こえなくもなる。自分というものに何の余裕もなくなる。これでは組織のリーダーとしては失格。

目的達成のために集中する事はとてもいい事。でも、それで自分を見失ってはもともこうもない。一組織のリーダーに求められる力というののは、どんな時でも、自分を顧みるという事が出来なければいけない。自分を常に省みて、自分の感情すらも自分で上手にコントロールする事が出来なければいけない。自分の感情をコントロールする事が出来なければ、いつしか、その感情の奴隷となり、自分は小さく固くなっていってしまう。そしてその小さく固まった自分が自分の大切な仲間を傷付けてしまう事もあるという事をリーダーは知らなくてはいけない。

常に、自分自身を点検。これが一組織のリーダーには出来なくてはいけない事なのかもしれない。




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