【20ヶ国108社】世界のフェムテックスタートアップ #femtech
お久しぶりです。Plug and Play Japan Marketing TeamのMireiです。大学1年生の頃からインターンを始めた私もついに大学4年生になりました。Plug and Play Japanの学生インターンを卒業する日も近づいてきています。
インターンとして担っている日々の業務で最も重要なのは、過去にプログラムに参加していただいたスタートアップの近況を把握し発信すること。PRTimesから発信される過去採択スタートアップ669社のリリースをトラックして、TwitterとFacebookでスタートアップ速報として情報発信をしています。
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最近は特に「女性を支えるサービス」を提供しているスタートアップのプレスリリースに注目しています。大学卒業が近づき、「働く女性」、「大人の女性」などの言葉を自分ごととして捉えるようになった今だからこそ書けるnoteということで、今回は世界20ヶ国のフェムテックスタートアップ108社をカテゴリーごとに11本のnoteに分けてご紹介していきます。
あまり時間がないという方はこちらからeBookをダウンロードしていただけますので、保存用としてご活用ください。具体的なサービスの画像などはeBookには掲載しておりませんのでご了承ください。
※note記事中の為替レートは2021年11月のレートに基づき、1ドル=約113円で換算しています
急成長が見込まれるFemTech市場
2016年頃、生理記録アプリ「Clue」のCEOであるIda Tin氏は、テクノロジーの力で女性の健康をサポートするため活動を行うスタートアップが急成長している波を指して、FemTech(フェムテック)という言葉を作りました。FemTechは女性の生活の質を向上させることを目的としているテクノロジーの総称として定義されることもありますが、多くのスタートアップは女性の健康に焦点を当てています。
PitchBookの調査によると、2015年以降、約10億ドル(約1,100億円)がFemTech関連事業に投入されています。2017年単独では、FemTechに分類される企業に約4億ドルが投資されました。
とある予想では、FemTechは2025年には500億ドル(約5兆5000億円)規模の産業になるとも言われています。
①不妊治療に関する課題に取り組む6ヶ国18社のスタートアップ
不妊治療の市場規模は、2019年に203億8,861万米ドル(約2兆3200億円)を生み出しており、2020年から2027年にかけては15.9%のCAGRで成長し、2027年には257億964万米ドル(2兆9300億円)に達すると予測されています。
特に日本では2020年の出生数は87万人で過去最少となり、少子化が深刻化する一方で、不妊治療をしている女性は50万人以上存在すると言われています。
このnoteでは不妊治療に関する課題に取り組む日本、アメリカ、スイス、ドイツ、カナダ、スペインの6ヶ国18社のスタートアップをご紹介しています。
②生理に関する課題に取り組む9ヶ国17社のスタートアップ
ピルのオンライン診療サービス「スマルナ」の調査によると生涯で生理のためにかかる費用は約40万円と言われています。さらに、「日本のユース女性の生理をめぐる意識調査結果」によると、何らかの理由で生理用品の購入や入手をためらったり、購入できなかったりしたことがあると答えた人が717人(35.9%)。その8割は、「収入が少ない」「生理用品が高額」「お小遣いが少ない」など、収入や価格を理由に挙げています。
特に日本では、「生理について、公に語りたくない、恥ずかしい」という声が多くあります。日本は海外と比べて生理に対する不浄感、タブー意識が
強いと示されており、初めて紙ナプキンが発売されたのは、欧米よりも40年ほど遅い1961年のことです。
このように生理に関する問題は山積しており、これらの課題を解決しようとするスタートアップが世界で注目を集めています。
このnoteでは生理に関する課題に取り組む日本、アメリカ、イギリス、スペイン、ドイツ、フランス、オーストラリア、カナダの9ヶ国17社のスタートアップをご紹介しています。
③女性用eコマースに関する6ヶ国10社のスタートアップ
矢野経済研究所によると、2020年のフェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場規模は、前年比103.9%の597億800万円。2021年の生理系アイテム・サービス市場規模は117億4000万円(前年比111.6%)になる見込みです。この状況を鑑み国内外では女性特有の製品を販売するeコマースを展開するスタートアップが増えてきています。
このnoteでは女性用eコマースに関する日本、アメリカ、イギリス、シンガポール、カナダ、ケニアの6ヶ国10社のスタートアップをご紹介しています。
④女性特有の病気や症状の検査・治療後のサポートを行う6ヶ国13社のスタートアップ
2020年、世界の女性の乳がん患者数が肺がん患者数を上回り、がんの全症例に占める割合で最多になったと発表されました。
がんのなかでも乳がんは、日本女性がかかる割合がトップであり、その罹患率は増加の一途をたどっています。
日本ではマンモグラフィ検査による乳がん検診は放射線被ばくの議論もあり、現時点では40歳以上に推奨されているため、若年層は特に乳がんの早期発見が難しく、病状が進んだ状態で診断されることが多くなっています。一方で、乳がんは早期発見・治療を行えば、生存率が高いがんだとも言われています。
このような状況を鑑み、世界では乳がんの早期発見を助ける装置などが開発されています。またその他の女性特有の症状に関しても、もっと簡単に検査できるようにする仕組みが提供され始めています。
このnoteでは、女性特有の病気や症状の検査・治療後のサポートを行う日本、アメリカ、メキシコ、イギリス、タイ、フランスの6ヶ国13社のスタートアップをご紹介しています。
⑤更年期に関する課題の解決に取り組む3ヶ国8社のスタートアップ
Female Founders Fundは独自の調査を行い「更年期障害を経験する女性のニーズに応えることは、企業にとって6,000億ドルのチャンスがある」と結論づけました。2021年時点で、世界の女性人口は39億500万人と推定され、世界全体の人口の49.58%を占めています。これらの女性の中には、更年期障害を経験した人もいれば、これから経験する人もいます。北米更年期学会によると、2025年には閉経後の女性の数は世界で11億人になると予想されており、AARPによると、米国の産婦人科医の研修プログラムのうち、更年期障害に関するトレーニングを行っているのはわずか20%だそうです。そのため、多くの医療従事者は更年期症状を診断・治療するための臨床トレーニングを受けておらず、女性は十分な選択肢やサポートを得ることができないのです。女性が更年期障害を理解し、サポートされていると感じられるようなソリューションを提供することが必要とされています。
フェムテック業界はこれまで、生理中の健康、不妊、妊娠などに関する問題への解決策を提供することで大きな成果を上げてきましたが、全世界で約10億人も存在すると言われている更年期障害のニーズはほとんど無視されてきました。
このnoteでは、このように長年見落とされてきた更年期に関する課題の解決に取り組む日本、イギリス、アメリカを含む3ヶ国8社のスタートアップをご紹介しています。
⑥妊娠中の女性をサポートする4ヶ国6社のスタートアップ
昨今日本では産科施設の減少が進み、定期健診等の通院が妊婦にとって負担となっています。また高齢出産の増加により、出産のハイリスク化も深刻化しています。
国外を見渡してみると、新興国・発展途上国では、専門医不足と超長距離搬送による高い母子死亡率が大きな課題となっています。さらにコロナ禍では、妊婦の感染対策が求められています。
このnoteでは、どんな環境でも安心安全な出産を実現するために課題解決に取り組む、日本、アメリカ、ケニア、エストニアを含む4ヶ国6社のスタートアップをご紹介しています。
⑦女性の栄養管理を助ける3ヶ国6社のスタートアップ
日本においては、食の欧米化に伴い肥満が問題になる一方、若い女性では低栄養が問題になっており、厚生労働省の調査によると、20歳代の5人に1人以上がBMIが18.5を下回る「やせ」の状態であると報告されています。
その原因の一つにエネルギー摂取量不足が挙げられます。また、20代女性の野菜の摂取量は平均220.8g/日(「健康日本21」での目標値は350g/日)、鉄は6.2mg/日(推奨量6~10.5mg/日)、カルシウムは405mg/日(推奨量は650mg/日)、食物繊維は11.5g/日(目標量は18g以上/日)など、さまざまな栄養素の不足も指摘されています。
このnoteでは女性の栄養管理を助ける日本、アメリカ、シンガポールを含む3ヶ国6社のスタートアップをご紹介しています。
⑧オンライン診療のニーズに応える5ヶ国11社のスタートアップ
新型コロナウイルス感染症の拡大によりオンライン診療にはこれまで以上に注目が集まっています。米国ではオンライン診療の利用を経験した人の割合がCOVID-19流行前の14%から57%に上昇したとのデータもあります。日本国内では2020年4月に、COVID-19の影響下で特例的にオンライン診療による初診を解禁する法規制の緩和が行われ、遠隔での処方も可能になるなど、規制緩和が行われています。デロイトの日本での調査によると、オンライン診療の認知率は40%を超えている一方で、実際の利用率は1.9%にとどまっており、マーケットとして大きなポテンシャルを秘めていることが分かります。
このnoteではオンライン診療のニーズに応える日本、アメリカ、イギリス、スウェーデン、シンガポール5ヶ国11社のスタートアップをご紹介しています。
⑨産後・子育て期の女性を支える5ヶ国10社のスタートアップ
財団法人女性労働協会が行った調査によると、妊娠末期(28週〜出産)と産後や育児期を比較した時、産後や育児期に落ち込んだ状態になったことがある女性の割合が多いことが分かっています。
このnoteでは、特にさまざまな面でのサポートが必要となる産後・子育て期の女性を支える日本、アメリカ、イギリス、イスラエル、アイルランド5ヶ国10社のスタートアップをご紹介しています。
⑩避妊を助ける5ヶ国5社のスタートアップ
避妊の方法にはさまざまな選択肢があります。その中でも自らの身体に合った最適なオプションを、自ら探し出すのは至難の業です。
このnoteでは、避妊を助けるアメリカ、イギリス、インドネシア、デンマーク、カナダ5ヶ国5社のスタートアップをご紹介しています。
⑪失禁に関するお悩みを解決する4ヶ国4社のスタートアップ
軽失禁(軽い尿もれ)は、中高年だけでなく、妊娠・出産を機に20~30代で起こることもあり、決して特別な問題ではありません。
脱腸や失禁などの骨盤底部疾患は、世界では、成人女性の4分の1、80歳以上の女性の半分が罹患していると言われています。現在の治療法には大きな問題があり、大人用おむつの売上が赤ちゃん用おむつを上回る日も近いと言われています。
このnoteでは、失禁に関するお悩みを解決しているアメリカ、イギリス、カナダ、スペイン4ヶ国4社のスタートアップをご紹介します。
まとめ
オーストラリアから1社、ブラジルから1社、カナダから5社、デンマークから1社、エストニアから1社、フランスから2社、ドイツから2社、インドネシアから1社、アイルランドから1社、イスラエルから1社、日本から25社、ケニアから2社、メキシコから1社、シンガポールから3社、スペインから4社、スウェーデンから1社、スイスから1社、タイから1社、イギリスから9社、アメリカから45社。合計20ヵ国から108社のフェムテックスタートアップをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
108社の情報をまとめた[20カ国108社] 世界のフェムテックスタートアップeBookはこちらからダウンロードしていただけますので保存用などの用途でご活用ください。
女性という立場で、この記事を書くにあたり、数日間世界のフェムテックスタートアップをリサーチしていましたが、世界各国で、女性のためのサービスが立ち上がっていることを知り大変勇気づけられました。
来年4月から始まる社会人生活、「働く」ということ以外にも女性特有のさまざまな問題に直面することがあると思いますが、これらのサービスを活用しながら頑張っていきたいと思います!
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