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atsukamakun01
詩『なつのこい』
いきるということはわすれてゆくこと。すべてのかんじょうはいろあせて、どんどんわすれられていってしまう。だからなんどたちどまっても、またあるきだせる。ましろなとちにあしあとをのこして、やがてあたらしいあしあとのしたにうもれてゆく。いきることはかなしいおんがく、いきることはさみしいぶんがく。しずかなあめがこうやをやさしくたたく。ほそくながくたたく。つめたいあめにぬれたからだやいふくやかみをかわかすために、あかりをともす、ともしつづける。もえる、さんそがもえて、ほのおがゆれる。くうきがかわいてゆくから、たんさんすいをぐっとのみほしたいとねえさんがいった。くもったぐらすしかないから、はだかのりんごをみがくように、ぐらすののみくちをぬぐう。たんさんすいはとうめいなあらしだ。わっとふくれあがって、かたちのないしぶきがあがる。のどをかきみだして、しゅわっときえてゆく。せつなのそうかいかんゆえに、ねえさんはなつにたんさんすいとくちづけしたがる。わたしはのどのびりびりかんがふかいだから、たんさんすいとくちづけするのをこのまない。あまずっぱいかんきつるいがわたしのこいびと。のどやしたにいとしさがのこるのがくちづけのあとあじ。わたしにとってのなつのこいは、かんきつるいへのねつりょうだ。すっぱいつばがじわじわあふれだすくちづけのよいん。すぎさりしなつのこいは、せつなのまぼろしのともしび。
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photo:見出し画像(みんなのフォトギャラリーより、あつかまくん/ゆみかまこさん)
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design:未来の味蕾
word&poem:未来の味蕾
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