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SF、読書のよろこびマガジン

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大人になってからSFの楽しみを知った人の記録。本が好き、ゲーム興味ないかたはここで。
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2021年1月の記事一覧

【読書記録】屋台もない。うどんもない。「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」に出てくる豆腐が気になる!

【読書記録】屋台もない。うどんもない。「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」に出てくる豆腐が気になる!

生きた動物を飼うことがステータスになっている1990年代の未来。
人間のふりをした高性能アンドロイドを排除して賞金でペットを飼おう、あわよくば馬のような大型の生き物を飼いたいと願うバウンティハンター、リック。

彼が持っている機械は、ウソ発見器の進化版のようなもので、相手の顔に器具をつけて、いくつかの質問をして本物の人間かどうかを識別できる。
しかし、新型アンドロイドはその機械で判別できるかどうか

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【読書記録】日常生活の中の遍路「内澤旬子の島へんろの記」

【読書記録】日常生活の中の遍路「内澤旬子の島へんろの記」

四国のわだちがある遍路とは違う、小豆島の遍路みち。
ほぼ廃墟だったり、イノシシに道を掘り返されていたり、ほぼ洞窟だったり、いやここ誰かの庭だろって道があったり、景色はカラフルに刺激的に変化する。

忙しい日常の合間をぬっての、車と歩きを使って長い月日で分割した巡礼の旅。豪快に休みと金を使った旅行記と違って、多くの人にマネできそう。小豆島に行かなくても、知ってるはずの地元の道をていねいに歩くだけで、

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「悪童日記」双子美少年は戦時下でサイボーグになる

「悪童日記」双子美少年は戦時下でサイボーグになる

「悪童日記」は、双子の美少年が、疎開先のおばあちゃん家に連れてこられるところから始まる。

おばあちゃんは服を洗わない。そのへんで用を足す。
戸惑うふたりだが、そこで適応するために自ら厳しいルールを定める。

これから生きるために、自主的に読み書きを学ぶ必要がある。
聖書を手に入れ、店でごねて文房具をゲット。二人で交互に作文を書いて勉強をする。

おばあちゃんや周囲の子供に暴力をふるわれた。
じゃ

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2020年に読めて良かった本。 リモートワーク殺人事件「はだかの太陽」

2020年に読めて良かった本。 リモートワーク殺人事件「はだかの太陽」

自分以外でもSFの面白さに目覚めたひとが多い一年だったのかな。「1982年」が突然話題になったりしていたけど、2020年に読めたことも含めて充実感でいっぱいになって、みんなにも読んでほしいのは「はだかの太陽」。

PS4の「デトロイト」のような刑事コンビのリモートワーク小説だ。

徹底的に管理されて、人々は触れ合うことなく、何十体ものロボットに世話されてくらす、トラブルの全くない星。
この星で殺人

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【読書記録2021】現時点で今年ベスト「羆嵐」

【読書記録2021】現時点で今年ベスト「羆嵐」



これを読みながら年を越した。すさまじく良かった!怖かった!感動した!今年ベスト!明けましておめでとうございます。

北海道の大地を開拓して、貧しいがどうにか住めるようになった村を巨大な羆(ヒグマ)が襲う。
本州にいたときに、北海道のクマはほかと違うとは聞いていたが、大切にしてきた仲間が必死でつないできた命が一瞬で終わって、はじめて「自分たちは奴らの住みかに侵入したエサにすぎない」ことを悟る。

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