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「なんもしないからウチに来ない?」

と言われて、なんもされなかった試しがない。

別にこちらとしても「なんかされてもいい」と思うからノコノコ家に遊びに行くわけで、想定外でもなんでもないんだけど。

冷静に考えると、あれってちょっと面白い。

「言葉のアヤ」というか。「なんもしないから」っていうのは、要するに「なんかするかもだけど」って意味じゃないですか(笑)。

女の子を警戒させないために言っているんだろうけど、言葉と真意が裏腹すぎて面白い。

女の子が「ダメ」とか「イヤ」とか言いながら欲しがるあれとちょっと似ている。

あるいは、ダチョウ倶楽部の熱湯風呂を前に「押すなよ」って言う伝統芸ともちょっと似ている。

あれも「押すなよ」っていうフリだもんね。要は「押せ」ってことだもんね(笑)。

こう考えると日本語って奥深い!真逆の意味を持つ言葉を我々は駆使して生きているなんて。

端的に言えば、「嘘」ってことになるけども。

でも、男の子に「なんもしないから」という嘘をつかれて、いざなんかされたときに「さっき『なんもしない』っつったじゃねーかよ!!!」とガチ切れする女の子はあまりいなくて、「もうっ、『なんもしない』って言ったじゃん♥」みたいなのが一般的なリアクションのような気がする。

あるいは女の子が嫌がる(フリをする)のも同じで、いいところで「ダメ♥」とか「イヤ♥」と言われて、それを真に受けて「ごめん!嫌だったよね・・・」とか言いながらシャツのボタンを止め直す男の子はちょっとどうかしていて、「もっといったろ♥」となるのが普通だと思う。

一昔前に「ツンデレ」という言葉が流行ったが、その醍醐味をここに感じる。人は逆の言葉で踊らされるのが案外好きな生き物なのではないかと思う。

心のうちをストレートに言葉にしてくれる人も素敵だけど、心とは裏腹なことを言ってしまう人はどこかセクシーである。

裏腹なことを言っているのに裏腹なことを言っているとバレちゃっている、というところがミソである。

つまり、報道番組のアナウンサーみたいなガチトーンで「押すなよ」と言われたら「あ、押しちゃいけないんだな」ってなるけど、あれだけ押してほしそうに「押すなよ、絶対押すなよ」と何度も言われるともう押したくてウズウズしてくるわけである。

それと同じように、デート終わりに男の子がいかにも帰したくなさそうな雰囲気で「ちょっとウチ寄ってく?あ、もちろんなんもしないけど・・・」なんて言った日には、もう可愛くて胸がきゅぅぅっとなるわけ。

え、なんか耳赤いし、「なんもしないけど」って言いながら「したいです」って顔に書いてあること、本人気づいてないのかしら???

本音がダダ漏れしてるのに真逆なことを言ってしまう人って食べちゃいたいくらい可愛い。

・・・たとえそれが私のことを食べようとしている男の子であったとしても。


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