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動物的トリガーで人を好きになる。

「好きになった人がタイプです」と言うと、「ハァ?」と言われるらしい。

けど、私には分かる。

めちゃくちゃ分かる。

好きになった人がタイプです。

好きなタイプを日本国憲法並みに細かく定めている私は、どういうわけか好きなタイプとは全然違う人を好きになる。

たとえば、茶髪猫っ毛、178cm、私服モノトーン系、デザイナー(笑うと目尻にシワが寄る人)がタイプなのだが、

黒髪クセ毛、169cm、私服ダサめの笑わないサラリーマンを好きになったりする。

え、一つもタイプじゃないじゃん。

みたいな冷静なツッコミをされると困る。

笑うしかない。

なんででしょうね?って。

自分でも分からないから。

人を好きになるときに理性がワークしてない気がする。

お見合いとかマッチングアプリみたいに冷静に条件を判断する思考能力を失っている。

「本能で恋をする」とか言うと、ちょっとトレンディードラマっぽいかもだけど、

直感でビビッとくるとか、

一目惚れとか、

すごく分かる。

本当は、ずっと幼なじみだった男の子のことが思春期になって急にカッコよく見え始めてジワジワ好きになっていく系の展開が好きなのだが、自分の人生においては無縁だった。

長年恋人じゃなかった人のことを時間をかけてゆっくり好きになっていくという感覚が理解できない。(から、うらやましい。)

恋に落ちるかどうかは、大体ファーストミートの一瞬で決まってしまう。

その人の目、輪郭、髪質、声、話し方、笑い方、匂い、手。

そういう動物的=直感的なものでビビッとくる。

理由も理屈もない。

説明もできない。

ただ、本能的にとても惹かれる部分を見つけてしまった。

それだけ。

「あなたの匂いを好きになりました」

とか

「手の血管が浮き出てて好きになりました」

とか言ったら、人は引くんだろうか。

もちろん、トリガーが動物的なだけで、付き合うときには性格とか、仲間に対する接し方とか、そういう中身も含めて好きになっているのだけど、

「トリガーは何だったか」と問われれば、やはり「匂いでした」「手でした」としか言いようのないケースが多い。

逆に自分のことを好きになってくれた人にも聞いてみたい。

私のことを好きになってくれたきっかけは何ですか?って。

「私のどこが好き?」なんて質問も今まで一度もした(できた)ことがないから、聞けるわけないんだけど。

気になるは気になる。

「髪が長くてツヤツヤしてたからだよ」

「一つしかない消しゴムを貸してくれてやさしかったからだよ」

嬉しいのはどちらだろう。

外見を好きになってもらえるのも、それはそれで嬉しいけどな。

ところで、動物的トリガーで人を好きになる人は、自分が恋に落ちた瞬間が分かるから、その印象的な瞬間を記憶する。

「ワラビーって何?」と言ってクシャっと笑った瞬間。
グラスを手渡そうとしたら、冷たい指先に触れた瞬間。
目が覚めるようなブルーのタンガリーシャツを難なく着こなしていた瞬間。

いろいろ。

付き合ってしばらく経っても、なんなら別れた後でも、恋に落ちた日の一番エモい瞬間を鮮やかに覚えてたりする。

それはそれでキツいときもあるけど、カメラのシャッターを切るみたいに一番キラキラした瞬間を永久保存できるのは小さなおみやげとして悪くはない。


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