杉江美樹

株式会社ワークプレイス・ラーニング(旧Work F-style)代表取締役 /対話から…

杉江美樹

株式会社ワークプレイス・ラーニング(旧Work F-style)代表取締役 /対話から、職場をつよく、おもしろく。 / 人材開発・組織開発/ 立教大学ビジネスリーダーシッププログラム兼任講師 / 立教大学院経営学専攻リーダーシップ開発コース修了 / 生ハム、ワイン、醤油味が好き

最近の記事

マネジャーはつらいよ?!<後編>孤独を乗り越えろ

前回の続きです。 マネジャーの悩みの9割は「部下とのコミュニケーション」と書いていある本を読み、マネジャー研修でみなさんに聞いてみたら、本当に、悩みの9割近くが「業績」や「多忙」などではなく、「部下」にまつわる話だった、ということを前回は書きました。 今日はその続きで、マネジャーとして苦労がある中でも感じる「やりがい」を聞いてみたよ、という話です。 マネジャーの一番のやりがいは「部下のこと」「悩み」のあとは、17名のマネジャーのみなさんに「やりがい」を聞いてみました。

    • マネジャーはつらいよ?!<前編>悩みの9割は部下とのコミュニケーション?

      「リーダーの悩みの9割は部下とのコミュニケーション」 「1万人のリーダーが悩んでいること」(浅井浩一,ダイヤモンド社)という本の中に、こんな一文がありました。(ここでの「リーダー」とは、企業の中間管理職のことです) 多くのマネジャーが部下とのやりとりで悩んでいることは、研修等を通じてよーく知っています。今やマネジャーの多くがプレイングマネジャーであり、厳しい競争環境の中で業績を厳しく問われるだけでなく、働き方改革だ、コンプラ対応だ、など求められることはてんこもり。そんな中

      • 1on1は手段!いや目的かも知れない?!という議論から考えた対話の本質

        「1on1は部下育成の手段ですよね。だから、ほかに育成の手段を持つ人はやらなくてもいいですよね?1on1をやることが目的になってはいけないと思います。」 とある企業のみなさんとディスカッションをしていたとき、こんな発言がありました。「1on1は手段」、ごもっともな意見です。 ですが、私はこの発言に違和感を覚え、つい、あることを言ってしまいました。今日はそのことをお伝えします。 1on1は「手段」だから実施率にこだわる必要はない?!1on1を全社施策として導入してから5年

        • 「チャレンジする組織風土を!」というけれど「チャレンジ」って、そもそも何?!

          「チャレンジする組織風土づくり」を掲げる企業が増えているように思います。 ある企業のR&D部門のトップから「若手がチャレンジし、マネジャーがそれを支援している、そんな組織を目指したい」という相談がありました。その企業でも当然「チャレンジ」は重要なテーマです。 うんうん、と思うと同時に、「チャレンジって、そもそも何?」とも思いました。「チャレンジ」をめぐり現場でやや混乱が起きているように感じていたからです。 今回は、「チャレンジ」を社員のみなさんがどう捉えているのか、調査や

        マネジャーはつらいよ?!<後編>孤独を乗り越えろ

        • マネジャーはつらいよ?!<前編>悩みの9割は部下とのコミュニケーション?

        • 1on1は手段!いや目的かも知れない?!という議論から考えた対話の本質

        • 「チャレンジする組織風土を!」というけれど「チャレンジ」って、そもそも何?!

          1on1はまるで「月1回の妻とのディナー」?一言で、何かに喩えるとわかること

          「あなたにとっての1on1とは?一言で、何かにたとえると?」 1on1の研修を行ったとき、こんな質問をすることがあります。この質問の答えから、その人が1on1をどう受け止めているのか、また、1on1の本質を理解したかどうかよくわかっておもしろいので、今日はこんな話をします。 「1on1とは?」ひとことで表現してもらうと、理解度や実践状況がよくわかる! 研修前後で「1on1とは?」を比較してみると、研修効果もわかるよ 何かにたとえることを通じて、学習したことが定着する?

          1on1はまるで「月1回の妻とのディナー」?一言で、何かに喩えるとわかること

          「マネジャーになりたい/なりたくない」という声をどう捉えるか〜背景にある心理と施策の考え方

          前回の続きです。 ある企業において30代前半までの若手を調査したところ、6割が「マネジャーになりたい」って回答したよ、ということを書きました。その続きで、そこから考えたことについてもうちょっとお話してみたいと思います。 社員側の「マネジャーになりたいか」に加えて、企業側の「なってほしいか」も大事だよ 回答者側は必ずしも正直に回答するわけじゃないからアンケート設計と読み込みは大事だよ 前職を辞めて転職してきた人の声からも考えるべきことが見えるよ 企業側の「マネジャーにな

          「マネジャーになりたい/なりたくない」という声をどう捉えるか〜背景にある心理と施策の考え方

          現場レポート:「今の若手はマネジャーになりたがらない」は本当か?調査結果から考えてみたこと

          事業拡大中のITテック企業(創業数年目)からこんな相談を受けました。 「ここ数年でどんどんマネジャーを増やさなければ事業拡大に体制が追いつかないのだが、マネジャーになりたい、と言ってくる社員がいない。ついては、若手のリーダークラスからマネジャーになりたい!と手が挙がるようになる、そんな研修を企画したいと思っている。」 きたー、若手がマネジャーになりたがらない問題!いま、多くの企業が同様のことを抱えていらっしゃるのではないでしょうか? 「マネジャーになりたい!と手が挙がるよ

          現場レポート:「今の若手はマネジャーになりたがらない」は本当か?調査結果から考えてみたこと

          現場レポート:研修前に「現場を見る」ことは、研修効果を高めることにつながるかもしれない

          研修やワークショップなどでクライアント企業を訪問する際は、時間があればなるべく、見学OKなところを見させてもらうようにしています。特に出張を伴うようなケースは、普段目にすることのない現場を見てクライアントを知る貴重な機会です。 前回のnote「トップが何を語るかで1on1の社員の本気度が変わる!」で話題にしたこの1on1研修の際は、前日入りをして「現場」を見学しました。それが、思わぬ効果を生んだので、 現場を「見る」行為そのものが、ラポール(信頼関係)形成につながるよ

          現場レポート:研修前に「現場を見る」ことは、研修効果を高めることにつながるかもしれない

          現場レポート:トップが何を語るかで1on1の社員の本気度が変わる!

          1on1を導入してから3年ほどたった企業のある部署のトップの方から、人材開発部門経由でこんな相談がありました。 「1on1をやり始めて3年たつが、まだまだ定着していない。この部署全体のコミュニケーションを活性化したい。ついてはもう一度、1on1の研修をやってほしい。」 ということで、今日は、その研修を実施するまでの取り組みを通じて、改めて、 1on1を浸透させるには「目的=Why」が大事だよ その目的は「コミュニケーションを活発にする」ではかなり弱いよ 目的を語るとき

          現場レポート:トップが何を語るかで1on1の社員の本気度が変わる!

          DE&I変革のカギは"OBN"の解消〜NHKスペシャル「"男性目線"変えてみた」まとめ

          現代社会のいろいろなしくみや基準が、男性に標準を合わせて作られ、固定化していることをご存知ですか?2023年4月30日に放映されたNHKスペシャル「"男性目線"変えてみた #2無意識の壁を打ち破れ」をみていた私は、冒頭からその事実に驚きました。 この番組では、企業や行政、研究機関などで「無意識の壁」を打ち破る努力をされている方々の取り組みや奮闘、葛藤が紹介されており、組織の中でDE&Iに取り組む方々に参考になれば!と思い、まとめてみました。 (youtubeでもお伝えていま

          DE&I変革のカギは"OBN"の解消〜NHKスペシャル「"男性目線"変えてみた」まとめ

          1on1は「びっくり箱」!想定外を歓迎しよう!

          1on1に対する質問から1on1ミーティングや職場での対話に対する質問や問い合わせが増えています。「1on1ミーティング導入の実態調査」(リクルートマネジメントソリューションズ,2022年4月)によると、従業員数3000人以上の大企業のうち、75.7%の企業がなんらかの形で1on1を導入しているそうです。 そんな中、効果的な1on1に関して日々様々な質問が寄せられています。例えば、こんな質問。 「どうしたら部下が本音を話してくれますか?」「どうしたら部下の本音を引き出せま

          1on1は「びっくり箱」!想定外を歓迎しよう!

          女性マネージャーが自信を得る3つのカギ 「ゆるめる・かかわる・つながる」とは

          (この記事は、2023年3月16日にスリール株式会社様と共同で開催させていただいたイベントにてお話させていただいた内容をまとめたものです。) youtubeでさらに詳しい内容を配信しています! 「女性マネジャー1on1講座」で起こった変化3年ほど前から「女性マネジャーのための1on1ステップアップ講座」という、全6回、4ヶ月のプログラムをご提供しています。この講座は、「会社で1on1やれって言われているけど、1on1ってどうやるの?」という女性マネジャーの要望から生まれたも

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          「育休中リスキリング」やってる人に聞いて見えてきた、日本企業の根深〜い問題

          みなさんのご記憶にも新しいかと思いますが、岸田首相が1月の国会で「育休中の方のリスキリングを支援する」主旨の発言をして「育休は休みじゃねー」「どんだけ育児が大変だと思っているんだ!」と大炎上をしました。 中には「私も育休中に学んだけどよかったよ」「選択肢があることが大切」などの意見もあり、また、そもそも、岸田首相の発言は育休中の方を対象にしたのではなく「どんな人であれ、学びたいと思う人を支援する」という主旨だったようにも思うので、この首相の発言そのものについて私がどーのこー

          「育休中リスキリング」やってる人に聞いて見えてきた、日本企業の根深〜い問題

          腰痛に向きあって全身に働きかけるプロセスは「組織開発」に似ている?!

          (このブログは、あくまでも個人的な見解を述べたものです。腰痛の治し方や顔ヨガの効果についてマネされても責任は持てませんのでご了承ください。) せんだって、わたしの師匠である、立教大学経営学部の中原淳教授のブログを読んで、おお!わかる!そういうことか!と思いましたので、そのアンサー・ブログ(!)を書きたいと思います。アンサー・ブログなので、体裁も表現もマネさせていただきます。 中原淳先生といえば、人材開発・組織開発界隈の方にとっては知らない人はいない著名な研究者です。その中

          腰痛に向きあって全身に働きかけるプロセスは「組織開発」に似ている?!

          「良い研修」をやれば1on1導入ができるのか?!人事担当者はまず3年かける覚悟を!

          1on1を導入している企業が増えています。リクルートマネジメントソリューションズの「1on1ミーティング導入の実態調査」(2022)によると、従業員規模3,000名以上の企業では75.7%が人事施策として導入していると回答しています。 私はここ数年、1on1の導入から浸透・定着まで、多くのクライアント企業様の伴走をさせていただいておりますが、その中で思うことは、1on1推進のご担当の方が、まずは3年間、あの手この手で推進し続けること、その覚悟を持つこと、心折れずに3年がんば

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          アカデミックな知見は企業人のメンタルに効く?!

          久々のNOTEです。私の会社HPのブログとNOTE、どっちで発信していこうかなとか、どんな使い分けしていこうかなとか考えていたら、わからなくなったのですが、あまり考えずに、ゆるく、どっちでも発信していこうと決めました。 アカデミックな切り口をうっすら混ぜつつ、人材開発・組織開発について語っていきたいと思います。 人事異動は突然に この春、こんなことがありました。 メーカーに勤める私の夫、K氏が、全社横断で新規事業開発を行う部署の長に任命されました。ここ数年は事業会社に所属

          アカデミックな知見は企業人のメンタルに効く?!