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女性マネージャーが自信を得る3つのカギ 「ゆるめる・かかわる・つながる」とは

(この記事は、2023年3月16日にスリール株式会社様と共同で開催させていただいたイベントにてお話させていただいた内容をまとめたものです。)
youtubeでさらに詳しい内容を配信しています!

「女性マネジャー1on1講座」で起こった変化

3年ほど前から「女性マネジャーのための1on1ステップアップ講座」という、全6回、4ヶ月のプログラムをご提供しています。この講座は、「会社で1on1やれって言われているけど、1on1ってどうやるの?」という女性マネジャーの要望から生まれたもの。人気のため定期開催をしており、2023年5月現在、5期生募集中の状況です!

この講座に参加した女性たちですが、参加当初は「私は女性活躍のゲタを履かされて課長になっただけ。周囲からもそう思われているはず。」とか「そもそも私の性格はマネジャーに合ってません。」とか「課長にはなったけど部長になる気はありません。」とか、そんなことを多く口にします。

そんな彼女たちが、講座の終了時にはこんなふうに発言が変わります。
原文のままご紹介します。

このように「誰よりも知らなければいけないと思っていた」「完璧でなくていいんだ」「楽になった」「成長した」そんな言葉が多く聞かれるのです。

そこで、この講座の参加者である彼女たちに何が起こっているのか、なぜこんな変化が起こるのかを考えてみました!

女性がマネジャーになることに対する不安と懐疑心

実は、約5割の女性が、マネジャーを目指したくないと思っていることがわかっています(2020,独立行政法人国立女性教育会館)。男性は2割ですのでその差は歴然ですね。

また、パーソル総合研究所(2022)によると、女性は、男性以上にマネジャーになることに対して「精神的な負担が大きい」「自分の性格に向いていない」「自分の能力・経験が不足している」と感じています。また、女性の方が男性以上に、自社の女性活躍推進施策に対して「法律があるからやっているだけ」「世間体を整えているだけ」と懐疑的にみています。同じ女性として、そういうふうに思ってしまう気持ちも理解できますが、女性活躍推進に力を入れている人事の方の悲鳴が聞こえてきそうです・・・。

根強い「リーダーステレオタイプ」の実態

同じくパーソル総合研究所(2022)によると、経営者・人事部800名に対して「自社が求めるリーダー像」のベスト10を調査したところ、上位には「行動力がある」「説得力がある」「数字に強い」などが並びます。そしてその10項目は、「男性リーダーのイメージ」ベスト10のうち7項目が一致する一方、「女性リーダーのイメージ」ベスト10とは、たったの1項目しか一致していません。

赤枠が「自社に求められるリーダーのタイプ」と一致している

つまり、「自社が求めるリーダー像」は「男性リーダーのイメージ」とは一致するものの、「女性リーダーのイメージ」とはほとんど一致しないということ。経営トップ、人事も含めて「リーダー」や「性別」に対する偏見や思い込みを強く持っていることが調査から見えてきます。

このような状況の中で、女性たち自身が「企業から求められているのはいわゆる男性的なリーダーであり、自分のスタイルとは違うものである」と思い込み、実際にマネジャーになった時には「ゲタを履かされている」「実力ではない」「性格に合わない」と思ってしまうのも当然だと言えるのではないでしょうか。

女性マネジャーが自信を得る3つのカギ

上記のことを踏まえ、なぜ1on1講座に出た方々が変わったのか、ということを考えてみました。

講座では、まず、簡単な1on1のスキルをお伝えし、職場で試していただきます。
実際に職場で1on1をやってみると、部下に小さな変化が現れます。
実践から気づいたことを次の講座で振り返り、他の参加者と語り合います。

「私はこうやったらうまくいったよ!」「へー、やってみます!」
「私はうまくいかなかったなあ・・・」「実は部下のこんなことに困っていて」
「あー私も!」「一緒ですね、安心しました!」

そして新しいスキルを習い、職場で試し、結果を振り返ります。この繰り返し。この過程でこんなことがぐるぐると起こっていきます。

  • 思い込みを「ゆるめる」
    部下の話を聴く、その上で成長を支援する、それも上司の役割だと気づく。
    誰よりも知識と能力があり、先頭を走るマネジャーでなくても良いのだと理解する。

  • 仕事の場で「かかわる」
    実際の部下との関わり(1on1の実践)を通じて手ごたえを感じ、体験として、上記を確信していく。

  • 同じ立場で「つながる」
    同じ女性マネジャー同士で体験を共有・共感し合う。男性社会の中でがんばっている多くの女性マネジャーに触れて、勇気を持つ。

以上をもう少し一般化するとこうなります。

自社の取り組みをチェックしてみよう!

人材開発部門の方は、この3つのキーワードで、自社の女性活躍の施策をチェックしてみることをおすすめいたします。「ゆるめる」「かかわる」「つながる」、この3つがつながった施策になっているのか、偏りや何か抜けているものはないか、そんな視点で整理してみると何か気づきがあるかもしれません。

  • 思いこみをゆるめる
    (例)いろいろなリーダーシップスタイルを学ぶ研修

  • 職場でかかわる
    (例)後輩指導・会議のファシリテーション・さまざまな調整等の経験 

  • 同じ立場でつながる
    (例)社内外の女性マネジャーとのつながり

なお、「マネジメントに自信満々という態度をとる人にはこの3つは効果がないのか」という質問を時々受けます。それに対する私の答えはこうです。

自信満々に見える人こそ、本当は自信がないかもしれません。部下の前で弱みを見せてはいけない、何か言われたら論破しなくてはいけない、そんな思いに囚われて強く見せていることも考えられます。一見強く見える女性が、なんの利害関係もない参加者との1on1の練習や実践、振り返りを通じて、「実は自信がなくて」という思いを吐露し、変化していく姿が見られます。

「ゆるめる・かかわる・つながる」の3つを意識して、「完璧でなくてもいい」と自分自身を受け入れられて、かつ、切磋琢磨し合う仲間がいる。そんなマネジャーを職場に増やしていきませんか。

最後に「女性マネジャー1on1ステップアップ講座」のご案内をさせてください。

2023年5月からの5期お申し込みはこちらから!

<参考文献>
令和元年度男女の初期キャリア形成と活躍推進に関する調査(第五回調査)報告書(2020,独立行政法人国立女性教育会館,p70)

女性活躍推進に関する定量調査(2022, パーソル総合研究所)  https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/female-manager.html  2023/3/13閲覧

ここまでお読みいただきありがとうございました!
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