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1on1は「びっくり箱」!想定外を歓迎しよう!

1on1に対する質問から

1on1ミーティングや職場での対話に対する質問や問い合わせが増えています。「1on1ミーティング導入の実態調査」(リクルートマネジメントソリューションズ,2022年4月)によると、従業員数3000人以上の大企業のうち、75.7%の企業がなんらかの形で1on1を導入しているそうです。

そんな中、効果的な1on1に関して日々様々な質問が寄せられています。例えば、こんな質問。

「どうしたら部下が本音を話してくれますか?」「どうしたら部下の本音を引き出せますか?」

そうですよね。せっかく時間をとって1on1をやるのだから、部下の本音を聞きたいですよね!

そのヒントが、ある女性マネジャーが語った「1on1はびっくり箱!」という言葉の中にある感じたので、今日はそのお話をします。

▼ 詳細はこちらで説明しています

1on1とは何か

まず、1on1とは何か、ということを簡単に説明します。

1on1とは、
部下の成長支援のため
上司と部下が
定期的に対話し
部下の振り返りを促すこと

企業によって1on1施策導入の目的は異なりますから、定義はいろいろですが、私は、2016年に立教大学教授の中原淳先生が講演で使われていたこの定義を使っています。

重要なのは上司の関わりで部下の「振り返り」を促すことで成長を支援する、という部分です。1on1は、単なる業務報告・相談・指示の場ではありません。今、部下が業務上で困っていることを、上司が今がんばって解決してあげるのではなく、ある期間(例えば前回の1on1から今日まで)の、部下の感情や思考を伴う経験を、部下自身で言語化することをサポートし、そこから気づきや学びを得て、次の行動につなげていく。これが1on1です。

ということは、前回の1on1から今日まで、どんなことがあって、それを部下がどう感じ、どんなことを思っているのか、最初にしっかりヒアリングする必要があるわけです。部下が上司に思いや感情を部しっかり話せる、ということは、本音を言える、ということです。

「本音を聞きたい」けど「想定外の話が出てくるのは嫌」の矛盾

部下は、上司のことをよくみています。上司の求める正解は何か?期待されていることは何か?これを言ったら怒られるのではないか?これを言ったら褒められるのではないか?だから簡単には本音は話しません。

上司の側もなんとなく部下が本音を話しいていないことに気づいていて、「どうしたら部下が本音を話してくれますか?」「どうしたら部下の本音を引き出せますか?」という質問になるのだと思います。

しかし、この質問をする方の多くの方が、「本音を聞きたい」と言いながら、別の矛盾する感情も持っているように思います。なぜなら、こんな発言がよく出るからです。

  • 知らないことを聞かれたらどうしよう・・・

  • 想定外の話が出てきたり、期待と異なる答えが出てくると焦る・・・

  • 愚痴が出ないように当たり障りのない話題で終えよう!

  • 不平不満には反論できるように理論武装しておかなくては!

部下の前で恥をかきたくない、とか部下を自分の思い通りに動かしたい、という欲求があり、部下の話をきちんと聴こうとしていないのです。そして話の途中で遮られたり、途中でピシャッとやられた部下は、その経験を学習して、当たり障りのない話題で済ませる、話をしなくなる、という行動をするようになります。

1on1はびっくり箱!想定外を楽しめ!

先日、弊社の1on1プログラムを受講したある女性マネジャーが、「1on1はびっくり箱。何が出てくるかわからないけれど、それを楽しむ!」とアンケートに書いていました。これを読んで、「これこそ、上司に必要なマインドとして最も重要なことではないか!」と、膝を打ちました。

今の時代の上司には、想定外が当たり前、むしろ想定外を歓迎するくらいの気持ちが必要なのではないでしょうか?だって人間ひとりひとり、みんな違うんだもの(あいだみつお風)。

そもそも、自分の想定内の、自分の期待通りに動く人間を作っても、組織の成長はありません。

「あなたはそんなふうに思ってたんだ!もっと聴かせて。」
「いつから?なぜそう思うの?」
「あなたが大事にしていることは何?本当はどうなったらいいの?」
「それを聴いて、今私はこんなふうに感じたよ!」
「話してくれてありがとう!」

部下から、なんかちょっと的はずれな意見が出ようが、自分に対する愚痴を言われようが、たいていはこれでなんとかなります。そして、おそらく、徐々に何かが変化していくのではないかと思います。人は、受け入れてもらったと感じた時に、自分の中から変わろう、チャレンジしようという勇気が出てくるからです。

自分の中にある「恥をかきたくない」「思う通りに動かしたい」などの欲求や、「上司は部下より強くなければならない」という思い込みのために、部下の中から出てくる芽を摘まないことです。もちろん、自戒も込めて。

1on1で「ヨット」になれた!

弊社の1on1プログラムを受講したある男性マネジャーが、こんなことをおっしゃいました。

以前は、自分が部下になんでも教えなければならないとがんばっていました。私一人のエンジンで動く船のようでした。でも今は違います。一人ひとりのものさしは違うんだとわかって、1on1で話を聴くようにしたんです。そしたらみんなものすごく喋るので驚きました。今は「部下の風を受けて前に進むヨット」のようです。

彼は、1on1が楽しくなったと言い、さらに、360度評価で「1on1ありがとうございます。」と部下から初めてコメントをもらったことを嬉しそうに話してくれました。私も本当に嬉しかった!

みなさんにとって、1on1とはなんですか?何かに例えて一言で表現するとどんな言葉になりますか?


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