アカデミックな知見は企業人のメンタルに効く?!
久々のNOTEです。私の会社HPのブログとNOTE、どっちで発信していこうかなとか、どんな使い分けしていこうかなとか考えていたら、わからなくなったのですが、あまり考えずに、ゆるく、どっちでも発信していこうと決めました。
アカデミックな切り口をうっすら混ぜつつ、人材開発・組織開発について語っていきたいと思います。
人事異動は突然に
この春、こんなことがありました。
メーカーに勤める私の夫、K氏が、全社横断で新規事業開発を行う部署の長に任命されました。ここ数年は事業会社に所属していて、新規事業を立ち上げた経験があったとはいえ、全社で、0から1を生み出すようなしくみを創るのは初めてのこと。上からは「お前に任せた!」と言われ、かなり狼狽していました。
お前に任せた!と言われても・・・
何からやったらいいんだろう?
そもそも部署で交わされる言葉もよくわからない・・・
1冊の本との出会い
その時、私はちょうど大学院で修士論文(にあたるプロジェクト報告書)を書き上げたところで、机の上には山のように本が積んでありました。
ふと、我が師、中原淳氏(立教大学経営学部教授)と田中聡氏(同助教)の書籍の中に新規事業開発に関わる研究の本があったな!と思いだし、「これ読んだら?」と渡してみました。
それがこれ。「事業を創る人の大研究」です。
彼は本を手に取り、すぐに驚きの声をあげ始めました。
「おおっ!まさに、こんなことがうちの会社でも起こっているぞ!」
「なるほど、こういう失敗はしちゃいけないんだな!これ知らなかったらやってたぞ!」
付箋をペタペタ貼りながら読んでいます。
それからは、1日1冊以上のペースで、新規事業に関わる本が自宅に届くようになりました。もちろん読むのも1日1冊以上。休みの日は3冊くらい読んで、エッセンスをtake noteしていました。特に最初のうちはアカデミックな本が多かったと記憶しています。大学院生だった私よりたくさん本を読んでいたのではないでしょうか。
そしてある日、こう言ったのです。
アカデミックな知見はメンタルに効く!!!
おー、なんか、名言っぽい!
彼によると、その心はこうです。
みんなそうなんだ、とわかって心が安らぐ
データを使って分析された結果が実務での実感とも重なり、やっぱりそうか、みんなそうなのか、と安心する。こうやれば失敗しなんだ、ということがわかる
これまで積み重なった知見を得ることで、少なくとも大失敗することは防ぐことができる。大成功ができるかどうかは別だが。(これと同じ話を私も大学院でさんざん先生たちから聞かされました)他者と共通言語ができる
本の内容を他者と共有することで、部下や職場のメンバーと同じ言葉で話ができるようになる。
みんなそうなんだ、こうやればいいのか!自分より経験あるメンバーや他部署の人とも同じ土俵で話せるようになってきたぞ!
当初は何をやっていいかわからず、周囲で交わされる話もわからず、路頭に迷いそうになっていた自分のメンタルに効いた、ということなのでした。
実務経験オンリーの人が囚われるもの
さらに、こんなことも言ってました。実務経験が長くなると知らない間に囚われるものが3つあると。
自分自身の過去の成功パターン
社内の暗黙のルール
社内の評価
アカデミックな知見を持つと、この3つから逃れられるのだと。
彼自身、新規事業での成功パターンは自分の経験や既存の事業とは全く違うものであるとわかり、社内の暗黙のルールや社内評価にとらわれずに考え、提案することができるようになったとのこと。またこの3つに囚われている社内の意見には、しっかり根拠を持って反論ができるようになったと。
ほぅ。我が夫、頼もしい!!!
未知の仕事の担当になったらたくさん文献をあたれ!
大きな組織に勤めていれば、ある日突然、自分の専門外、経験したことのない仕事に任命されることはいくらでもありうることです。その時は、その分野のこれまでの研究をできるだけ多く、しっかり学ぶことが近道なのかもしれません。
これまでの2年間、私が社会人大学院で学ぶ姿を、さびしい気持ちやうらやましい気持ちで見ていた夫。そんな夫のメンタル向上、仕事のモチベーション向上に、私からの1冊の本で貢献できたことにうれしくなると同時に、こちらも負けてられないぞー、と思うのでした。
最後にもう一度
「科学の知見はメンタルに効く!」
なかなかの名言です。
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