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【詩集4】女の哲学(コズミック・オーガズム)

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詩集「コズミック・オーガズム」は霊的ワンネスを官能的な詩で表した詩です。 【詩集4】は、やがて愛が成熟しふと我に返る時、永遠に変容してしまった世界の中で、自分はいったい何者だった…
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2020年2月の記事一覧

何ひとつ|女の哲学

何ひとつ|女の哲学

  この世に私のものは何ひとつない
 
  家もお金も服も食べ物も仕事も
  恋人も家族も友人もペットも
   何ひとつ
  私のものではない
 
  声も身体も才能も
  思考も感情も運命も
  名前も使命も命さえも
 
  何ひとつ
  何もかも

 
  私は輪郭だけの
  宇宙の裂け目
 
  大自然と神と宇宙の中で
  何もかもがその裂け目を通り抜け
  いったりきたり
  きたりいった

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杞憂|女の哲学

杞憂|女の哲学

  今から千五百年ほど前に
  空がいつ落ちてくかと
  毎日心配している人がいた。
  そんなことは絶対ないと知り
  やっと安心した
  杞の国の憂いの人。
 
  
  同じように私も心配していた。
  空が落ちてきはしまいかと。
 
  いつか何か恐ろしいことが
  降りかかってくるかもしれないと。
 
   創造力を妄想に使い
  毎日毎日恐れ続けて疲れ果てた。
 
  ある日、心を決め

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過ぎ去りゆく者|女の哲学

過ぎ去りゆく者|女の哲学

  今日は何故かご機嫌なガビチョウ。
  あなたに触れた朝を彩る歌。
 
  隣家から聞こえてくる営みの音。
  皿がぶつかる音
  ドアが閉まる音
  水が流れる音
  小さな足音

  世界は何も変わっていない。
  私が変わってしまった。
  一か月前、いや、昨日の私も
  もうここにはいない。
 
  いいえ、世界も変わっている。
  そこには昨日と全く同じ人は存在しないのだから。
 

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群衆の中で|女の哲学

群衆の中で|女の哲学

  さみしさに溺れて
  あなたを見失いそうな日は
  群衆の中に
  紛れ込む。
  
  無数の見知らぬ魂の中で
  ただ一人知っている
  あなたという光を
  見つけられるから。
 
  あなたに出会えた幸運を想い出し
  その喜びが全てを拭い去るから。
 
  そうして顔を上げて前をみれば
  あなたの笑顔。
  何の邪心も計画もない
  無責任と思えるほど純粋な慈しみ。
 
  その笑

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火星|女の哲学

火星|女の哲学

  オレンジ色に輝く大きな星
   十五年に一度の火星の大接近
 
  情熱の星
  私は火星のエネルギーをかりて
  あなたと激しく燃え上がる
 
  破壊の星
  今まで大切だと思っていたものを
  全て破壊し捨て去る
 
  衝動の星
  後先考えず
  心にただ従う
 
  スピードの星
  私は何者の眼にも止まらぬ速さで
  あなたとまぐ合う
 
  争いの星
  破壊と創造の葛藤を引き

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神の実験場|女の哲学

神の実験場|女の哲学

  人類は
  失われた半身を求めて
  永遠にさまよう。

  完全にひとつになることを夢見ながら
  出逢い
  恋をし
  理解して
  愛し合い
  重なり
  そして
  失望し
  離れる
  完全にひとつにはなれなかったと。

  そしてまた恋をして
  永遠に探し続ける。
 
  神の聖なる実験場で
  最初からひとつの関係性があるとしたら、
  人類は耐えうるのだろうか?

  

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どうでもよいこと|女の哲学

どうでもよいこと|女の哲学

  私にとって
  あなたが
  どんな生い立ちで
  どんな経験をして
  どんな業績を成し
  家庭環境や
  国籍や
  年齢や
  大切なものや
  きらいなもの
  何を考え
  どういう性格で
  どこに属し
  何を大切にしているか
 
  まったく
  どうでもよいことなのです。
 
  目の前にあなたがいて
  命を燃やし
  ただ存在することのみが
  私にとって大切。

  

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無条件の空|女の哲学

無条件の空|女の哲学

  空が私の元へ降りてきた
  空が私に触れ
  ひとつに溶け合う

  空は私を知らない
  私を好きなわけでも
  愛しているわけでもない
 
  それなのに
  私とひとつに交わり
  私は空に溶ける
  大きな抱擁とエクスタシー
 
  理由のなき行為
 
  自然は
  大地は
  宇宙は
  無条件に
  私とひとつになろうとする

 
  好きでも愛してもいない私と
  ひとつになる

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グロテスク|女の哲学

グロテスク|女の哲学

  あなたに抱かれた日から
  グロテスクな悲惨さが
  この世に存在することが
  イヤではなくなった。

  私はすっかり変わってしまった。
  あの日から。

  人生の
  生々しさや滑稽さ
  一生懸命さや残酷さ
  悲しさ
  怒り
  やるせなさ
  喜び
  楽しみ
  汚さ
  狡猾さ
  譲れないもの
  どうでもよいもの
  情熱
  挫折
  創造力
  暗闇

  Pen

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遺伝子|女の哲学

遺伝子|女の哲学

  しらなかった
  女という遺伝子は
  強い男を求めて
  無条件に惚れてしまう。

  あなたが戦う姿を見て
  この強い男に組み伏せられたいと
  ひとつひとつの細胞が叫ぶ。

  この男が欲しいと身体が求め
  感じたいと身体が開く。

  自然界では雌と交尾する権利を得るために
  雄同士が死闘を繰り返す。
  戦いを何食わぬ顔で黙ってみている雌は
  勝った雄に自動的に吸い寄せられる

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大雑把な鍋料理|女の哲学

大雑把な鍋料理|女の哲学

  美味しそうなありとあらゆるものを
  ドンドン鍋に放り込み

  時に苦みや酸味のある
  材料も入ってしまうけれど

  そんなものを混ぜ込んでいるうちに
  鍋自体もどんどん巨大化して

  何だか分からないけれど
  おかしくて笑いだしてしまうような
  変な感じになったりもして

  しまいには全体として
  なんだかおいしい感じに出来上がり

  すきっ腹を抱えた子供たちが
  どん

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