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読書感想文

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【読書】「寒山拾得」芥川龍之介 〜飯田橋で寒山拾得に遇った話〜

【読書】「寒山拾得」芥川龍之介 〜飯田橋で寒山拾得に遇った話〜

体調があんまり回復しません。
noteもなかなか書く気力が起きなくて…悲しいです。

そんななかではありますが、本は変わらずに読んでいます。
最近は、芥川龍之介の『杜子春』(角川文庫)を持ち歩いて、通勤時間に読んでいます。

そのなかに、私の好きな話が載っていました。

寒山拾得(かんざんじつとく)なぜ好きかと言うと、言語化するのが難しいけれど、やはり芥川の人となりを感じられるからだと思う。
あと

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【読書】「『晩年』に就いて」太宰治 〜太宰治の文章って素敵だよなぁ...〜

【読書】「『晩年』に就いて」太宰治 〜太宰治の文章って素敵だよなぁ...〜

もう、タイトルそのままのことを感じた。
出尽くした感想かもしれないけど、太宰治の、読者に語りかける書き方が、私はとても好きみたい。
壮大なことでなくとも、ただ、自分の書いた小説について書いたことも、なぜか魅力的に感じる。

「『晩年』に就いて」も、太宰が出した最初の小説集について、文庫本でいうと2ページだけさらっと書かれたものだ。

これだけ読んでも、ああ、やっぱり太宰っていいなと思う。

いや、

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【読書】「大川の水」芥川龍之介 〜龍之介さん、涙していて可愛い〜

【読書】「大川の水」芥川龍之介 〜龍之介さん、涙していて可愛い〜

芥川龍之介の随筆が好きだ。
正直、小説は、堅苦しい感じがして難しかった。
角川文庫の『羅生門・鼻・芋粥』に収録されている「尾形了斎覚え書」は、漢字が多くて読みづらそうだったから、飛ばした。

そんななかで、「大川の水」に出会った。
川の水の描写が目に浮かぶようだったし、何よりも、「大川」を、そして「東京」を愛する芥川の心が素敵で感動した。

「大川」そして「東京」への「好き」が伝わってくる。
心が

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【読書】「懶惰の歌留多」太宰治 〜三十一歳は三十一歳だけのことしかない〜

【読書】「懶惰の歌留多」太宰治 〜三十一歳は三十一歳だけのことしかない〜

突然ですが、読書感想文を書いてみます。
最近読んだ、太宰治の「懶惰の歌留多」(らんだのかるた)から。

作家である「私」が、「怠惰」であることの言い訳をつらつらと述べるところから始まる「懶惰の歌留多」。
なかなか書き物が書けなくて、やけくそになって、いろはかるたの形式で少しずつ書き始めていく。

「に 憎まれて憎まれて強くなる。」の句の説明?にこんなことが書かれています。

私も今年三十一歳になる

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