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【読書】「『晩年』に就いて」太宰治 〜太宰治の文章って素敵だよなぁ...〜
もう、タイトルそのままのことを感じた。
出尽くした感想かもしれないけど、太宰治の、読者に語りかける書き方が、私はとても好きみたい。
壮大なことでなくとも、ただ、自分の書いた小説について書いたことも、なぜか魅力的に感じる。
「『晩年』に就いて」も、太宰が出した最初の小説集について、文庫本でいうと2ページだけさらっと書かれたものだ。
これだけ読んでも、ああ、やっぱり太宰っていいなと思う。
私の小説を、読んだところで、あなたの生活が、ちっとも楽になりません。ちっとも偉くなりません。なんにもなりません。だから、私は、あまり、おすすめできません。
いや、そんなことないですよ
少なくとも私は楽にはなっていますと答えたくなる。
こういう自虐的なところもいいし、突然断定的な口調でびしっと書かれているところもいい。
やさしくて、かなしくて、おかしくて、気高くて、他に何が要るのでしょう。
あのね、読んで面白くない小説はね、それは、下手な小説なのです。こわいことなんかない。面白くない小説は、きっぱり拒否したほうがいいのです。
急にはっきりした主張が入るから、「あ、ここは何を言いたいんだろうか」と惹きつけられる。
そして、2ページしかないこの文章の最後のほうには、こんなことが書かれていた。
「晩年」お読みになりますか?美しさは、人から指定されて感じいるものではなくて、自分で、自分ひとりで、ふっと発見するものです。「晩年」の中からあなたは、美しさを発見できるかどうか、それは、あなたの自由です。読者の黄金権です。
わぁ〜
本当に、そうですねと言いたくなる。
なにかを感じることは、他人から強制されてできることではない。
何かを見たり聞いたり読んだりして感じる美しさも、自分ひとりで、自分の心に素直になって感じるものなんだなとストンと心に落ちた。
そして、私は「晩年」をまだ読んでいない。
太宰が小説に散りばめた「美しさ」を「ふっと発見」できたらいいなと思いました。
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