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場所についての記録

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記録であり、記憶。 街について、或いは街よりもっとミクロな場所について。
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#東京

麗らかなる東京

麗らかなる東京

どうやら世間は春のようだ。

と書いて早々、激しめの三寒四温が続いたりしたのだが、4月を前にして春を通り越して初夏のような陽気がやってきてしまったので、麗らかだった日のことを記しておこう。

少し前、毎日外があたたかそうだったので、
「いいなぁ公園とかでぼーっとしたいなぁ」
なんて思っていた。しかしながらとんでもない量の花粉が飛んでいそうなので、外に出たい欲より花粉に塗れたくない欲が勝ってしまい、

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神戸・六甲の街にサヨナラを

神戸・六甲の街にサヨナラを

この10年の間に、あらゆる土地に住んできた。実家で生活していた10年前には全く想像していなかったことだ。
しかしあちこち転々としているという経歴ゆえに、他者からはどうも ”フットワークの軽い人” に見られがちだ。そう見られれば見られるほど、自分自信とのギャップを感じる。普段の私はというと、フットワークは激重だし、出不精だし、お陰で体重は増えるし(どうでも良い)。環境の変化とかも本当はあまり得意では

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五感の記憶 隅田川

五感の記憶 隅田川

東京という街は、なんとも不思議な街だ。
久しぶりに来ても感慨深さを感じさせない。

何故だ。

半年前に訪れた時もそうだったが、まだ今でも住んでいるかのように、当たり前の日常かのように、数ヶ月前まで毎日通っていた場所をただ歩いている。

母と祖父の誕生日祝いを兼ね、新国立劇場バレエ団の公演観たさに半年ぶりに東京を訪れた。



以前、蔵前の職場で働いていた。隅田川の側だった。

川の流れを見、音

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とある夏の初め(4月)の日のこと。東京。神戸。

とある夏の初め(4月)の日のこと。東京。神戸。

その日は暑かった。
最近食べ過ぎててやばいなーと思って、苦し紛れに職場まで30分弱歩いている。
職場は六甲山の麓にあるから、ほぼ登山。いや、そんなこと言ったら、登山をちゃんとする方々に怒られてしまうか。
家から職場までほぼずっと坂なので、私にとっては軽く登山なのだ。

とは言え暑いのは出勤時だけで、それ以外、室内ではひんやりするだろうと思っていた。
ところが日中、ちょっとスーツで動き回ろうもんなら

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