micmac | 随想録 𓂃 ✍︎

あの街この場所にこびりつく事柄について𓍼𓅯𓂃𓈒𓂂𓏸

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あの街この場所にこびりつく事柄について𓍼𓅯𓂃𓈒𓂂𓏸

マガジン

  • 場所についての記録

    記録であり、記憶。 街について、或いは街よりもっとミクロな場所について。 

  • nagorite録

    音楽ユニットnagoriteに関連する記事たちです。

  • 尊重と無関心

    愛するとは何だ‥‥と考える中で「尊重と無関心って紙一重だな。一歩違えばどちらにでも転んでしまうものだな」と折に触れて感じてきました。自他境界についてなどの研究を綴ったもの、またはこのテーマに少しでも触れるような記事を纏めます。

最近の記事

それはコミュニケーションを円滑にするための道具なのか

最近よく「ホモソーシャル」という言葉を聞く。 同性同士の性や恋愛を伴わない絆や結びつきを表す言葉で、とりわけ男性同士のそれにおいて使われることが多いらしい。特に女性や同性愛を蔑視し排除することで成立する男性の関係性のことを言うようだ。 今放送中の朝ドラ『虎に翼』を観ている。少し前の放送回で、"女性を蔑視しなければ男性社会の中でうまく生きていけない男性" という、男性にとっての生き辛さも描いていた。 本当は女性蔑視なんてしたくないが、仕方なくとはいえそういった行動を自らとっ

    • 麗らかなる東京

      どうやら世間は春のようだ。 と書いて早々、激しめの三寒四温が続いたりしたのだが、4月を前にして春を通り越して初夏のような陽気がやってきてしまったので、麗らかだった日のことを記しておこう。 少し前、毎日外があたたかそうだったので、 「いいなぁ公園とかでぼーっとしたいなぁ」 なんて思っていた。しかしながらとんでもない量の花粉が飛んでいそうなので、外に出たい欲より花粉に塗れたくない欲が勝ってしまい、すっかり外に出る気を失くしていた。 毎日家に引き篭もって、朝起き抜けにトイレに

      • お守り

        目覚ましをかけることも忘れ、気づいたら始業の30分前だった。あぁ、今日が在宅勤務でまだ良かった、と思った。 一丁前に寝坊しておきながら、目覚めと共に興奮と余韻が再び襲ってきて、前日の夜のこと以外何も情報を入れたくない、上書きしたくないと身体が言っていた。記憶と痺れと目頭の熱さが遠ざかっていくのが嫌だった。 2024年2月19日、朝は仕事にもイマイチ身が入らなかった。やるべきことがたんまりあるのに、一夜明けても放心状態でなんだかぼんやりしてしまう。 東京ドームの反響気味の

        • 過ぎゆく時間の中で

          今年、吉高由里子さんが大河ドラマの主演をするということで、実家のTVから流れてくる宣伝番組に耳を傾けていると、吉高さんが朝ドラ主演を務めたのが10年前だという。2014年である。2014年が10年前なんて信じられるか?私は5年前くらいの感覚だ。おいてけぼりを喰らっている気持ちだ。 2024年になったらしいけれど、この年末年始は色々なことがあり、気持ちがあっちに行ったりこっちに行ったり大忙しだ。フワフワしている。 年末にはnagoriteのライブがあり、京都まで行ってきた。

        それはコミュニケーションを円滑にするための道具なのか

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          15本
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        記事

          音楽と共に京都

          nagoriteのライブが3日後に迫っている。 最近は、毎回ではないが、nagoriteのスタジオ練習に一緒に入らせてもらったりして、彼らの熱を直に感じる機会を得ている。 スタジオに居てその音を、熱を感じていると、初めてひとり自室でnagorite初の楽曲を聴いた時のことを思い出す。 あれは夏の始まりのような日だった。 真っ暗闇の中で気が遠くなりそうな日々を過ごすことも、なんだか肯定してくれているような気がした。そんな毎日もどうにかこうにか生きていこうぜと言われている気

          自己分析ツールを使う人間の曖昧さ

          この記事は、2年前に執筆したものを加筆・修正して公開したものです。 自分の扱い方を知りたい 「ストレングス・ファインダー」をご存知だろうか? 簡単に言うと、自身が持つ上位5位までの資質(強み)について知ることができる自己分析ツールだ。つまり自分自身が意識せずともよく使っている行動源泉について知ることができるのだ。 私は以前失恋した時、自身の扱い方がさっぱりわからなくなってしまい、自己理解に繋がるような自己分析ツールをめちゃくちゃやりまっくていた。 実際、その分析が本

          自己分析ツールを使う人間の曖昧さ

          狡い本音と表現のせめぎ合い

          転職活動をしていた時、面接官に趣味を聞かれ、咄嗟に「文章を書くことです」と答えてしまった。 続けて「その文章公開してるんですか?」と聞かれ、「してません」と答えた。「公開しているなら読みたい」と言われかねない雰囲気を感じ取り、そうなったら困るし、読まれたら不採用になりそうだったので嘘をついてしまった。 私は自分の本名を明かさずに、こっそりと、自分の書きたいことを明け透けに書いていたい。というか、こっそりという姿勢だからこそ、好き放題書けているのだろう。 それはSNSのそれと

          狡い本音と表現のせめぎ合い

          合唱コンクールの影響

          ひょんなことから、9年ぶりに小中学校の同級生Rちゃんと会った。 同級生と話すと大体が当時の懐かしトークになる。何度同じ話しをしても盛り上がるし、何故か飽きないのだ。 Rちゃんとは高校時代も殆ど会っていなかったので、高校時代どんなふうに過ごしていたか聞くと、部活に入ることもなく勉強に打ち込んでいたという。凄く真面目に取り組んでいたようで、凄いなと思った。 そして、 「本当は少し合唱部に入りたい気持ちがあったんだよね。」 と彼女は言った。 「合唱部に入りたかったの、めっちゃわ

          合唱コンクールの影響

          LIGHTHOUSE 作って表現せずにはいられない人の性

          私は安易に、「チームのために」みたいな精神で、人と繋がれてる感覚になれちゃう人間だ。 かつて芝居をしていた時があったのだが、「役者じゃなくたって社会と繋がれる、むしろバイトの時間のほうが没頭できてるし、社会と繋がれてる」という感覚があった。バイト先の店長に頼られることが嬉しかったし、バイト仲間と連携しながら業務に取り組んでいく達成感があった。 簡単に他者の力になれている感覚になれていたのかもしれない。本当に簡単にだ。 役者の私なんて誰も必要としていないし、自分が好きでやってい

          LIGHTHOUSE 作って表現せずにはいられない人の性

          たりなさと向き合い、その先へ

          今年の4〜6月に観ていたドラマ『だが、情熱はある』にひどく感銘を受けた。 そこから若林正恭さん(以下:若林さん)のエッセイを読み、『だが、情熱はある』の主人公でもある「南海キャンディーズ」山里亮太さん(以下:山ちゃん)と、「オードリー」の若林さんによる漫才ユニット「たりないふたり」の創ったものにも興味を持ち、過去作を遡ることにした。 1ヶ月以上かかったが、2012年の『たりないふたり』から観始めて、2021年に『明日のたりないふたり』で解散するまでを順を追って観た。 2

          たりなさと向き合い、その先へ

          あらゆる欲と眠気の狭間で

          新しい環境に身を置き、1ヶ月が経とうとしている。だけどなんだかずっと前からここに居るような感覚がある。何故なんだろう。 今まで、新しい家に住み始めると借りてきた猫のような気持ちになっていた。馴染むまで時間がかかった。 新しい職場に馴染むのはもっともっと時間がかかった。最初の数か月は毎日戦場に行くような気持ちで家を出て、「今日も何とか一日を乗り越えられますように‥‥」と祈るようだった。心身ともにヘトヘトになって、会社に行きたくないと思う気持ちにムチを打っていることも多かった。

          あらゆる欲と眠気の狭間で

          神戸・六甲の街にサヨナラを

          この10年の間に、あらゆる土地に住んできた。実家で生活していた10年前には全く想像していなかったことだ。 しかしあちこち転々としているという経歴ゆえに、他者からはどうも ”フットワークの軽い人” に見られがちだ。そう見られれば見られるほど、自分自信とのギャップを感じる。普段の私はというと、フットワークは激重だし、出不精だし、お陰で体重は増えるし(どうでも良い)。環境の変化とかも本当はあまり得意ではない。新しい環境に馴染むのにも、かなりの時間とエネルギーを要する。 だが、この

          神戸・六甲の街にサヨナラを

          健全な悔しさ

          このあいだ、久しぶりに「悔しい」という感情が湧いた。 しかし、今までの人生で「悔しい」という感情を抱いたことは、あまり多くなかった。 中学時代、陸上部で中長距離を走っていた。中長距離走は短距離走と違って決まったレーンを走らないオープンコースなので、スタート直後の位置取りがレース運びにおいてまぁまぁ大事になる。だけど私は大会のレースの時、大体「どうぞ~」という調子でライバルたちに場所を譲ってしまう癖があった。いや、譲りたくて譲っているわけでは当然ないのだけど、勝手に身体が「ど

          小ボケはライフハック?

          新たに勤める会社の入社初日に、盛大に寝坊をかましてしまい、気が付いた時には11時、どうやって言い訳しよう‥‥という夢を見て起きた。あ、そっか、今日は入社初日ではない‥‥と安堵しつつ、超絶焦った。 実家のLINEグループでは、いつも「おはようございます」という挨拶を送り合って生存確認する習慣がある。いつものように挨拶をしつつ、夢の内容と、焦った〜、と書き加えた。 ちょっと聞いてよ〜、おぉ怖い怖い、と誰かに言いたかった。 そうしたら、両親からマジレスがきた。 「正夢にしな

          小ボケはライフハック?

          名残手 -nagorite-

          音楽ユニット "nagorite" 突然だが、私にとっての nagorite について書いてみたいと思う。 彼らは今年4月28日、結成1周年を迎えた。 これまでの nagorite の歴史については、nagorite 発起人であるタニー・グレイスが2022年10月にnoteを書いているので、是非読んでもらえたらと思う。 私は、メンバーのタニー・グレイスと松尾渉平とは大学の同期で、大切な友人だ。佐々木詩音くんも含め、大学時代には一緒に映画を作っていた。 大学を卒業して

          自分は「なにもの」でもない。だが、情熱はある

          4月から毎週日曜日に放送されていた連続ドラマ『だが、情熱はある』を最終回まで観た。漫才コンビのオードリー 若林正恭さんと、南海キャンディーズ 山里亮太さんの幼少期から学生時代、売れない時期、テレビに出られるようになってから、そして2023年現在までを描いたドラマだ。若林さん(以下「若林さん」または「若林」表記。敢えて統一していません。)役を King & Prince 髙橋海人さん、山里さん(以下「山ちゃん」表記)役を SixTONES 森本慎太郎さんが演じた。 観始めた時

          自分は「なにもの」でもない。だが、情熱はある