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ちょいちょい書くかもしれない日記

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気が向いたら覗いておくれよ。
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2024年3月の記事一覧

ちょいちょい書くかもしれない日記(額装)

ちょいちょい書くかもしれない日記(額装)

買った絵が額に収められていると、ホッとする。
画家自身がその作品に合う額を選んだのだから、絵もさぞ居心地がいいだろうと思う。
でもときにむき出しの絵を入手することもあり、そうすると素人は悩むのである。
キャンバスの側面まで色を塗ってある小品は、なんだかこのままで飾るのがいい風情だなと思い、実際、ずっとそうしている。素朴で、さりげなくて、とてもいい。
でも、サイズの大きなものは、そうはいかない。

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ちょいちょい書くかもしれない日記(ご卒業)

ちょいちょい書くかもしれない日記(ご卒業)

四代目スイちゃん番組ご卒業を、涙ぐみながら祝福した。
この先も、あの輝く笑顔が曇ることがないように。
どんな道を選んでも、足下には幸運が敷き詰められているように。
見知らぬ女の子のためにそんなに祈るのは何故かというと、私の大切で特別な猫、たった一匹のソウルメイトともいうべき猫、ちびたが晩年、彼女とオフロスキー氏、そしてコッシーのことが大好きだったからだ。
無論、微笑ましいとかそういう方向性ではない

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ちょいちょい書くかもしれない日記(苗)

ちょいちょい書くかもしれない日記(苗)

急に暖かくなってきた。
空気がやけに金臭くなるのが、山における春到来の知らせだ。
庭の小鳥たちへの差し入れとして、あちこちに分散して仕掛けていたみかんも、残りは僅か。
ちょうどいい切り上げのタイミングだろう。

先日植えた苗たちも、いい感じに育ち始めた。
たとえ植物には害になる虫でも、私に見つかるまでは伸びやかに生きてくれ、というのが、私の庭運営のポリシーだ。
ただし、見つけたら例外なく殺す。

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ちょいちょい書くかもしれない日記(骨)

ちょいちょい書くかもしれない日記(骨)

有楽町線と丸ノ内線が脳内でごっちゃになる女。それが私。
今回は丸ノ内線のほうだった。
一度間違えて有楽町線のホームまで行ったが、電車に乗る前に気づいて駅員さんに出してもらった。
私にしては上出来である。
東京大学総合研究博物館が、今日の目的地のひとつ。最寄り駅は、本郷三丁目だ。
とてつもなく賢い人たちの詰まっている場所か、などと思いつつ、クラシックで重厚な煉瓦造りの校舎の前を通り抜け、敷地の端っこ

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ちょいちょい書くかもしれない日記(ままならぬ)

ちょいちょい書くかもしれない日記(ままならぬ)

自分の仕事のことなのに、自分が知り得ないところで複数の人たちが関係をこじらせ、修復の可能性が消えたあとでそれを知らされた。
今さらながら、芥川龍之介の「藪の中」は、地獄みたいにリアルな小説だなあと実感する。
同じ案件なのに、当事者ごとに違う言い分がある。
人の思いも行動も、いともたやすくすれ違う。
それぞれの話には、真実もあれば、都合のいい解釈もあれば、微妙な嘘もあるかもしれない。気づけない勘違い

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ちょいちょい書くかもしれない日記(上京)

ちょいちょい書くかもしれない日記(上京)

ジワジワと気温が上がってきた。
雨が降るたび、庭では何かが芽吹いている。
実家の庭の花壇からは、チューリップが顔を出した。
数年前に父が植えたものの子孫たちだ。
昨夏は球根を掘り上げる余裕もなかったのに、元気に顔を見せてくれてありがたい。
たぶん、赤い花ばかり咲くと思う。

仕事で、日帰り上京した。
朝から新大阪駅は大混雑。
若者のグループや家族連れが多い。
なるほど、春休みだなあ、と実感する。

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ちょいちょい書くかもしれない日記(週末)

ちょいちょい書くかもしれない日記(週末)

作家の仕事には曜日感覚などなさそうに思われるが、けっこうある。
決戦は金曜日……と月曜日。
週の終わりの夕刻に滑り込みで入稿。
あるいは、週のド頭の朝一番にどうにかこうにか入稿。
本当はもっと余裕を持って仕事をしたいけれど、そういうスケジュールになるときがそれなりにあるからだ。
私の場合は、そこに学校の非常勤講師の仕事が入るので、曜日は常に意識している。

ただ、週末が「休み」という意識はまったく

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ちょいちょい書くかもしれない日記(雨)

ちょいちょい書くかもしれない日記(雨)

霧が凄い。
暖かくなってきたなと実感するが、一方で底冷えもなかなか凄い。
まだまだ、布団からスムーズに出るのは難しい。

もとからあまり生野菜を食べるほうではないので、外食するときは意識してサラダを食べる。
インドカレー屋の例のドレッシングは、しみじみと美味しい。
売っているのは知っているけれど、こういうのは家で食べても気分が出ないんだろうなと思う。
家では、たいてい野菜は焼いたり煮たりして食べる

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ちょいちょい書くかもしれない日記(色彩)

ちょいちょい書くかもしれない日記(色彩)

やはり、受診は早めがいい。
相変わらず喉は痛むけれど、少なくとも悪化はしていない。
処方された薬が両方ともジェネリックで、お前誰だよ状態だった。
家に帰って先発薬を検索し、ようやく「ああ!」と納得。ややこしい。
こちらからジェネリックを希望してはいないのだが、今は薬があれこれ不足気味なので、在庫があるものを素直に受け取るのがよかろうと思う。
点鼻薬がバリッと効いている感じ。

創作はメンタルと直結

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ちょいちょい書くかもしれない日記(喉が痛い)

ちょいちょい書くかもしれない日記(喉が痛い)

花粉症で、年がら年中だいたい何かに引っかかる。春と秋に絶不調期が来る感じだ。
昨日は朝から喉がイガイガしていて、時間の経過と共に痛みが増してきた。
唾を飲み込むたび、「いくぞ」と、ちょっとした気合いが必要。
よろしくない。我慢のラインを越えた感がある。
様子を見ようかどうしようかと迷ったが、こういう症状はたいてい夜に悪化する。
正規の診療時間内に行っておくべきだなと、山を下りた。
昨夏に死んだ父が

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ちょいちょい書くかもしれない日記(雪)

ちょいちょい書くかもしれない日記(雪)

この冬は本当に雪が少なかったな、などと思っていたら、3月も後半になってちょい積もり。
寒さに震えながら、実家に現れる地域猫たちの世話に行ったら、裏の森の枝に、雪が丹念にまぶしつけられたようになっていた。
とても美しい。
去年の冬なら、家に入って寒い寒いと大騒ぎしながら、足が悪くて外に出られない母に、「ほら、綺麗だよ」と、スマホで写真を見せただろうにな……と思うと、なんだかとても寂しくなった。
母も

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ちょいちょい書くかもしれない日記(ニューカマー)

ちょいちょい書くかもしれない日記(ニューカマー)

用事のついでにスタバに寄った。
期間限定のキャラメル……ええと、そう、キャラメルミルクコーヒーフラペチーノがとても好みの味なのだ。
何げない時間潰しのつもりだったが、初めての経験をした。
レジのスタッフがガッチガチの緊張フェイスで、蚊の鳴くような声で「……ようこそぉ」と呟き、洗濯ネットに入れられた通院中の猫みたいな目でこちらを見てくる。
ひとめでわかる新人さんだ。
しかも、だいぶ途方に暮れている。

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ちょいちょい書くかもしれない日記(絵が増える)

ちょいちょい書くかもしれない日記(絵が増える)

昨年の8月に父が死んでから、家の中に何枚か絵が増えた。
親を見送ったことで、私の人生もとっくに折り返し地点を過ぎていたのだなあ、としみじみ感じたからだ。
ほしいと強く願うものについて、入手を迷ったり躊躇ったりする贅沢な時間は、もう残されていない。
身の丈に合った、あるいは短期間でリカバリー可能なはみ出し程度で手に入る価格帯のアートなら、思いきって買ってしまえ。
そして生きている限り、目いっぱい手元

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ちょいちょい書くかもしれない日記(血を抜かれる)

ちょいちょい書くかもしれない日記(血を抜かれる)

血液検査をしてもらうべく、駅前の内科医院に出掛けた。
学校の新学期が始まる前に、麻疹と風疹の抗体価を調べてもらうためだ。
母が施設に入って以来、高齢者が詰まった建物に面会で訪れねばならないので、感染症にはこれまで以上に気をつかっている。

初めて行くその医院は、ピカピカのオシャレ空間だった。
予約はしていないと伝えると、受付の人は「予約の方を優先するので、待ち時間が発生してしまいますが……15分く

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