かえりみちのブルー

誰にも言えない気持ちを書いています。

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彼が100均で買ってくれた桜のグラスの柄を今でも覚えている

春が近づき、桜モチーフの雑貨がショップに並び始めると、毎年胸がキュッと痛む。 15年前の春、100円ショップで買った桜のグラスが、私たちの儚い幸せの象徴だった。 …

やるせない時だけ吸うタバコ。見上げた夜空に飛行機がゆく。

週末に恋人ともめて、とても疲れた。 こんな時、10年前にやめたタバコを吸いたくなる。 こんなふうに、なんかあった時だけ、たまーにタバコを吸う。 久しぶりにコンビニ…

別れ話。我慢した感情は決して消えることなく、圧縮されていつか大爆発すると思い知った日

半年前から、恋人を信じることができなくなった。 信頼関係が崩れ去るような彼の秘密が発覚した。 彼は、私にそのことを知られていると思ってはいない。私もまた、気づいて…

8年間恨み続けた人物に、予測なくバッタリ再会してしまった日の話

冒頭から失礼いたしますが、断じてわたしは恨みがましい人間ではない。 わりと人情派だし、もし誰かとけんかしたとしても、のちに爽やかに和解している。冷静になってから…

ああけっこう病んでいるなと気づいた今日

このところ、無理をしていた。 普通に考えて受け入れ難いことを、なんとかして受け入れようともがいていた。 それくらいやれるさ!と自分を鼓舞し、心に折り合いをつけよう…

失恋の予感

私はもしかしたら失恋するのかもしれない 3年間幸せだった。 終わりが来ることなんて考えてもいなかったけれど、ただ私が楽観的すぎたのかもしれない。 彼が隠しているこ…

お世辞とか、八方美人とかじゃない褒める理由

「人をよく褒めるよね」と言われることがある。 「人のいいところをよく見ているよね」 「嬉しいことを言ってくれるよね」 しかし、この人(私)は調子良く誰にでも言って…

お正月のブルース

子供の頃からお正月が苦手です。 いろいろ大変な家庭で育ったので お正月というのは、一年で最も孤独を感じてしまう数日間でした。 日頃、普通であることに何の価値も見出…

彼が100均で買ってくれた桜のグラスの柄を今でも覚えている

彼が100均で買ってくれた桜のグラスの柄を今でも覚えている

春が近づき、桜モチーフの雑貨がショップに並び始めると、毎年胸がキュッと痛む。
15年前の春、100円ショップで買った桜のグラスが、私たちの儚い幸せの象徴だった。

15年前の3月
私は恋人と同棲を始めた。
ふたりとも若く、貧しかった。
築35年のボロアパートで一緒に暮らし始めた。

食器のすべてが、キャンドゥという100均で揃えたものだった。
季節は春で、桜の絵がついたグラスを彼がふたつ買ってきた

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やるせない時だけ吸うタバコ。見上げた夜空に飛行機がゆく。

やるせない時だけ吸うタバコ。見上げた夜空に飛行機がゆく。

週末に恋人ともめて、とても疲れた。
こんな時、10年前にやめたタバコを吸いたくなる。
こんなふうに、なんかあった時だけ、たまーにタバコを吸う。

久しぶりにコンビニに買いに行く。今は570円もするんだな。
数ヶ月、もしくは数年に一度しか吸わないから、イマドキのタバコの銘柄も値段も覚えられない。
一度本格的にやめているので意外と依存性はなく、数本吸ったら満足し、残りをゴミ箱に捨てるのだけど。

夜更

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別れ話。我慢した感情は決して消えることなく、圧縮されていつか大爆発すると思い知った日

別れ話。我慢した感情は決して消えることなく、圧縮されていつか大爆発すると思い知った日

半年前から、恋人を信じることができなくなった。
信頼関係が崩れ去るような彼の秘密が発覚した。
彼は、私にそのことを知られていると思ってはいない。私もまた、気づいていることを彼に黙っていた。

秘密に気づく前の3年間、
私たちは、本当に大切にしあって何年も過ごした。

だからこそ、と言ったら私の身勝手かもしれないけれど、別れるのなら憎しみ合わずに別れたかった。
ふたりの幸せだった時間までもが後悔に変

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8年間恨み続けた人物に、予測なくバッタリ再会してしまった日の話

8年間恨み続けた人物に、予測なくバッタリ再会してしまった日の話

冒頭から失礼いたしますが、断じてわたしは恨みがましい人間ではない。

わりと人情派だし、もし誰かとけんかしたとしても、のちに爽やかに和解している。冷静になってから「相手にも事情があったんだろう」と考えると、それ以上責める気にはならない。
「あんなことがあったのに、よく普通に戻れるね」と人に驚かれることもある。今、試しに嫌いな人を思い浮かべようと試みたが、該当者が浮かばなかった。

「そんな時代もあ

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ああけっこう病んでいるなと気づいた今日

ああけっこう病んでいるなと気づいた今日

このところ、無理をしていた。
普通に考えて受け入れ難いことを、なんとかして受け入れようともがいていた。
それくらいやれるさ!と自分を鼓舞し、心に折り合いをつけようと無理をしていた。

でも、うすうす気づいていた。
たぶん無理なことに。
往生際が悪い。でも後悔だけはしたくないから、もうこれ以上はない!というところまでやり切りろうとしていた。この数ヶ月。

そしたら今日
不意に、なんでもない場面で涙が

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失恋の予感

失恋の予感

私はもしかしたら失恋するのかもしれない
3年間幸せだった。
終わりが来ることなんて考えてもいなかったけれど、ただ私が楽観的すぎたのかもしれない。

彼が隠していることに、ひょんなことから気がついてしまった。
どうか気のせいであってほしいよ。
でもどうやら気のせいではないみたい。

彼は、変わらず私にとても優しい。
きっとバレない限り、彼のほうは別れるつもりはないのだろう。
気がついていることを、彼

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お世辞とか、八方美人とかじゃない褒める理由

お世辞とか、八方美人とかじゃない褒める理由

「人をよく褒めるよね」と言われることがある。

「人のいいところをよく見ているよね」
「嬉しいことを言ってくれるよね」

しかし、この人(私)は調子良く誰にでも言っているのだろうと思われてしまったり、お世辞なんじゃないかと訝しむ人もたまにいる。
褒められること自体好きではない人もいるし
褒めるという行為は、厳密に言えば上から目線でもあると思うので、褒められると不愉快になる人もいるかもしれない。

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お正月のブルース

お正月のブルース

子供の頃からお正月が苦手です。
いろいろ大変な家庭で育ったので
お正月というのは、一年で最も孤独を感じてしまう数日間でした。

日頃、普通であることに何の価値も見出してはいないのに
お正月は、明るい普通の家庭がまぶしく見えてしまってね。
厳密には、普通の家庭なんてきっとどこにもないのだろうけれども。

そんなままで大人になった私は、
毎年お正月が近づくと、ほんの少し憂鬱になります。

お正月の寂し

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