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megane@麻酔科医
2021年7月22日 02:56
麻酔って、なんでそうするんだろう?かつて自分が麻酔科研修をしていた頃、疑問だらけでした。「どうしていま鎮痛薬を増やすんだろう」とか「なんでこの吸入麻酔薬の濃度なんだろう」とか上級医によって言うことも違いました。教科書をみても、はっきりとした答えがないこともありました。しかし、麻酔はしなければなりません。決断をしなければなりません。どう考えて行動を選択していけばい
2021年7月19日 01:37
麻酔が終わったら、患者さんを手術台から病棟へ帰るベッドにうつします。「ただうつすだけでしょ?」いやいや、これが結構複雑なことなんです。麻酔科医がやることは結構あります。ベッド移動のとき、麻酔科医がなにをみているのか?まとめてみました!■ 移動前の確認事項- 手術台をベッドの高さを合わせる移動するときは手術台と移動用のベッドをくっつけます。このとき高さが合っていないと
2021年7月5日 18:30
釣りみたいなタイトルですみません、、。でも事実なんです😅■ 抜管後、まず上気道閉塞がないか確認する 研修医「抜管します!カフのエアを抜いてください」看護師「はい!抜けました!」麻酔科医「抜管したね。ちゃんと息はできてるかな?」抜管後、麻酔科医がまず気にするのは「上気道閉塞がないか?」です。■ なぜか?気道閉塞したまま帰室するのは危険です。病棟で状況が悪化して、呼吸
2021年5月22日 02:42
麻酔科外来で患者さんからこんな質問をよくされます。「麻酔ってどのくらいで目がさめるんですか?」私の答えは、「薬の投与をやめると15分くらいで目が覚めてきますよ」です。これはある意味正しくて、ある意味まちがっています。正しいのは、そのように目が覚める薬があること。まちがいは、投与をやめるだけでは目が覚めない薬もあることです。前者がプロポフォール、後者が吸入麻酔薬のことで
2021年5月8日 02:45
全身麻酔から「どのように目覚めさせたいか」は症例によって違います。目的に応じて、薬剤の調整や麻酔計画を考えていきます。覚醒したときに何を重視するのか?さっそく具体例をみていきましょう!■ 脳外科- 意識の確認をしたい脳腫瘍の手術ではもともと意識がクリアな人がほとんどです。手術後に悪くなるとしたらそれは頭の中で何かがあったということです。術後出血がその例ですね。
2021年3月15日 19:00
全身麻酔中に血圧を維持するのが大事なのはわかったけど、どのくらいで管理すればいいの?今回はそんな疑問にお答えします。元ネタの論文はこちらBlood Pressure Targets in Perioperative Care Hypertension. 2018;72:806–817■ふだんの血圧で3グループに分けるさっそくですが、この記事の結論です。スライドにまとめてみました
2021年3月11日 18:24
麻酔中、血圧をさげるのは良くない。麻酔科医をはじめ、みんななぜ麻酔中の血圧を気にするのでしょう。「なんで麻酔中は血圧をみるんだろう?」今回はそんな疑問にお答えします。■なぜ血圧に注目するのか?- 理由① 組織酸素化を保つ目安になるからそもそも、循環を維持するのは「組織の酸素化を保つ」ためです。全身に酸素を含んだ血液を行き渡らせるためある程度の血圧が必要になるわけです。
2021年3月1日 11:25
研修医「血圧80きったんですけど、エフェドリンでいいですか?」麻酔科医「うーん、とりあえずプロポとレミをさげようか。それからネオシネをいれよう。」よくある研修医と麻酔指導医のやりとりです。今回の記事ではなぜこのようなやりとりになったか、を解説していきます。後半で具体的な麻酔科医のアタマの中も紹介します!■原因別に考える前回、麻酔中の原因は3つしかないという話をしまし
2021年2月28日 03:42
研修医(あ、血圧が下がってる!昇圧したほうがいいよな。とりあえず、、エフェドリン、、かな?)麻酔中、血圧低下に対応しなければいけない場面は多くあります。冒頭のようにテキトーに昇圧薬をいれても血圧はあがります。しかし原因の見当がついていないと同じことの繰り返しなったり次第に薬の反応が悪くなったりします。とりあえずエフェドリンをいれる前になにが原因なのか考えてみまし
2021年2月19日 11:18
呼吸って、人工呼吸器にのせたらあとはお任せでしょ?確かに麻酔中の呼吸維持は、人工呼吸器の進歩によりかなりラクになりました。挿管チューブを人工呼吸器につないでボタンをおせば呼吸はできます。しかし、それでも麻酔科医が必要です。刻々と変化する患者さんの状態、体位、手術進行。呼吸もこれにあわせて変えていく必要があります。設定を変える作業は一瞬なので、適当にやっ
2021年2月13日 18:28
麻酔維持期とは患者さんの状態が安定している時期です。しかし、勝手に安定するわけではありません。麻酔科医が作り出しているのです。ふだんの安定した状態はホメオスタシスのおかげつぎのことをふだん意識することはありますか?息をする脈拍や血圧を一定に保つ体温がさがらないようにするありませんよね!これらのことは無意識に、運動をしている間にも、寝ている間にも、ちょうど良くな
2021年2月8日 21:01
「言い訳」からはります「麻酔科の先生って、麻酔中遊んでますよね?」本を読んでいたり、スマホをいじっていたり、寝ていたり現場を見たことがある人はそう感じるかもしれません。麻酔科医は想像以上にいろいろな「内職」を維持期にやっています。「患者さんをみてないじゃないか!」批判はごもっともです。日本麻酔科学会も「安全な麻酔のためのモニター指針」で現場に麻酔を担当する医師が居て、
2021年1月23日 23:51
麻酔記録をながめるとき、私は気道情報からみます。気道はトラブルがあると「死」に直結する麻酔科医の重大な関心ごとです。何か問題があるなら、次の麻酔の時にどうするのか考える必要があります。次の麻酔で記録を役立てるひとつ記録の例をみてみましょう。挿管難易度:難使用デバイス:喉頭鏡 Mac#3BURP:ありcormack grade:3施行回数:2合併症:酸素飽和
2020年11月28日 21:28
この記事は 1500文字程度 約2分半 で読めます。挿管とは?患者さんを眠らせるために鎮静薬を投与すると、その副作用で呼吸が止まります。呼吸を補助するためは様々な手段がありますが、その一つが挿管です。口からのどの奥、肺の手前まで管を入れていきます。麻酔中は人工呼吸器に管をつないで、自動的に酸素を出し入れします。確実な気道確保ともいわれ、呼吸の止まった患者さんによく使わ