マガジンのカバー画像

GOOD WAR TOUR 2022

27
本作は2021年2月に京都で上演された『GOOD WAR』のリクリエイションを行い、大阪と東京で公演を実施します。 『GOOD WAR』は、私たちが「あの日」と聞いて想像する… もっと読む
運営しているクリエイター

#舞台感想

GOOD WAR TOUR 25. おやすみなさい

GOOD WAR TOUR 25. おやすみなさい

PIPE DREAMの上演の始まる直前、朗くんは近所の美容室に髪の毛を切りにいった。
「明日12時から予約したから」
前日に突然そんなことを言い出して驚く。
髪を切った朗くんはちょっと少年じみていて、ちょっと学生時代を思い出す。

上演中、吊られている朗くんを見て、ときどき、生きてるかな? と心配になる。
まばたきするとほっとする。
今この人が死んでいたとしても、私は気付かないかもしれない。人とい

もっとみる
GOOD WAR TOUR 24. いい夢がいい

GOOD WAR TOUR 24. いい夢がいい

以上が、名村造船所跡地(クリエイティブセンター大阪)での公演と、北千住BUoYでの公演によせたステートメントです。
ちょっとずつ違う。
なぜ大切な記憶や思い出を人と共有できることを嬉しく思うんだろう?
それを許すことのできる関係性が嬉しいのかもしれないな。

さて、12月から続いたGOOD WAR制作ニッキも残り2回で終了です。では参りましょう。

ある日突然分断され、会えなくなる。
それは今日か

もっとみる
GOOD WAR TOUR 23. 夢を歩く

GOOD WAR TOUR 23. 夢を歩く

初日が無事あけた。
ドアを開け放っているため、上演中に外の環境音が入ってくる。
救急車のサイレンや電車の走る音、誰かの話し声。
今日は特に救急車が多かった。消防車まで通った。
風の吹かない地下室で、暖房の風に煽られてくらげのビーズが揺れる、光が反射してキラキラ光っている。

初日は、夜にGOOD WARの上演が一回のみ。
ギリギリまで調整を重ねて、なんとか開場、一回目、そして一日目が終了した。

もっとみる
GOOD WAR TOUR 22. おふろの夢

GOOD WAR TOUR 22. おふろの夢

あれ、明日から上演開始じゃない?
ほとんどPIPE DREAMの気配がないが大丈夫だろうか。

制作の美希さんが「いつも反省するんです。もっと朗くんと話さないとなあって」と言っていた。
学生だった頃は、一緒に過ごす時間・制作する時間が長かったから、言葉にしなくても伝わっている(だろう)と思えることが多かったけど、と。
今年の目標は「もっと言葉にできるように」。
私もそう心がけたい。

GOOD

もっとみる
GOOD WAR TOUR 21. おふろの跡地

GOOD WAR TOUR 21. おふろの跡地

昨晩東京にやってきました。
一晩眠り、北千住BUoY入り。
北千住BUoYは、元銭湯のおふろの跡地。

破壊されたタイル、剥がされた床、剥き出しの梁、柱、配管、あっちとこっち。
よっぽどストレートに跡地感がある。「剥き出し」という印象。
やっぱり地下には地下独特の雰囲気があるな。
広島の、平和記念公園内にあったレストハウスの地下展示室を思い出した。

お風呂に入るということはどういうことなのか。

もっとみる
GOOD WAR TOUR 20. その日

GOOD WAR TOUR 20. その日

「あの日」っていうのは、人間ならではの感覚なんだろうな。
動物は後悔するのだろうか。本能的に、反省はするだろうけれど。

朗くんが撮った動画を見たら、視点が高くて天井が近くて、そりゃそうだな、身長が違うもの。あたり前なのだが、見えているものがずいぶんちがうんだろうなと思った。
窓から見える椰子の木の向こう、煙突から白い煙がもくもく湧いている。

いま私たちがこういうご時世のなかで生きていて、こうい

もっとみる
GOOD  WAR  TOUR 19. モータープール

GOOD WAR TOUR 19. モータープール

朝8時から電話で全体ミーティング。
みんなの声を聞けて少し安心する。

昼から現地で、朗くんとまをさんと、音響のノブさんとで打ち合わせ。展示について考えてゆく。
試しにまをさんと私の声で録音してみて、ノブさんがスピーカーの塩梅を調整してゆく。

公募もしていた「あの日にまつわるモノ」として、私はうさぎのぬいぐるみを二つ持ってきていた。
子供の頃、毎年年末年始の一週間ほど、長野までスキーに行っていた

もっとみる
GOOD  WAR  TOUR 18.イメージトレーニング

GOOD WAR TOUR 18.イメージトレーニング

小屋入り二日目。昨日はよく寝た。
朝、名村造船所跡地に向かうため電車を乗り継ぎながら、「あの日」に想いを馳せて中学生の頃聴いていた曲を聴いていた。中学生の頃聴いてた音楽って一生聴けるな。

「m美電車降りれる?!」
とつぜん朗君からLINE。ねぼうか? わすれものか? と思ったら、ちがった。関係者の一人が発熱したという。

おお。きたか。
手が震えた。中止なんだと思った。公演がなくなってしまう。

もっとみる
GOOD  WAR  TOUR 17. 丘の上に立っている

GOOD WAR TOUR 17. 丘の上に立っている

とつぜん南国風の木、歩くのが妙に遅いおばさん、でかい工場、みっつ並んだ○○荘、干されている長靴と作業着。

名村造船所跡地、4階が今回の会場。
だだっ広くて、天井が低くて、左右一面の窓から外が見える。

どのくらい掃除していないのか、掃除していてもここまで溜まるのか、埃がすごい。
3時間、端から端まで箒で履いて、ときにはモップや水拭きも駆使して一面をきれいにした。手が千切れるかと思った。

トラッ

もっとみる
GOOD  WAR  TOUR 16.ウェルカムでエンドレス

GOOD WAR TOUR 16.ウェルカムでエンドレス

PIPE DREAMの稽古のつもりで集まるが、結局GOOD WARのテキストを検討する。
伊奈さん、諸江さん、綾子さん、の代わりに、朗くん、まをさん、私、でテキストを読む。

ウーバーとドローンの話。
空を牛耳られてしまってはもうおしまいだ。

今ここに争いがあるときは、語ることができない。
語ることができることとは、すでに距離が空いている。

「なんでも話してあげるよ」
その言葉はだいぶ魅力的

もっとみる
GOOD  WAR  TOUR 8. ドボートー

GOOD WAR TOUR 8. ドボートー



東京から、音響のおにぎり海人さんがやってきた。
天一の本店に行ったらまだ開いてなくて、祇園で4000円のゆば定食を食べたらゆばがカピカピでおいしくなかったらしい。京都限定なんだと思って八つ橋グミを3つ買ったら京都限定でもなければめちゃくちゃまずかった、と言っていた。
とりあえず今のところ京都の印象は最悪。

一度目の通しを終え、「良かったです! 今まで一番良かったんじゃないでしょうか」と朗くん

もっとみる