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詩歌集

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更新は気まぐれ。作風が一定しないことが作風。所謂フリースタイルなのです! 諸事情により暫くの間、更新をお休みします。
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記事一覧

青い三角

青い三角

あたしの知ってる彼
いつもカッコいいように見えて
普段はいつもダラダラしてる
テストの前に慌てて勉強して
それでもなんとなく結果が出せてる
そして本当は運動音痴なくせに
強がって練習してる
間近で見てるあたししか知らない
不器用な人

わたしの知ってる彼
いつも真面目で優しくて
みんなの前で輝いてる
勉強も出来るし
スポーツも一生懸命
どうやっても届かない
高嶺の花の人

だから
あたしは

だか

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喰愛

喰愛

アナタを取られたくない
ただ
その想いが全て

だから
アナタの命を独占する

アァ
アナタの肢体の
ひとつひとつが愛おしい

そして
それを取り込むの

そうしたら
アナタとワタシ
ひとつにナッテ
ズットイッショ!

残影

残影

わたしが積み上げられていく
なにかを想い
なにかをして
そして足跡を残していく

ワタシが消えていく
なにかを想った
なにかをした
でも足跡は残らない

わたしはなにかを思い出す
ワタシはなにかを忘れてく

なにもかもがあやふや
思い出しては忘れてく

アァ
わたしは一体ダアレ?

ぼくらは生への希望を夢見るのか?

ぼくらは生への希望を夢見るのか?

僕は人間
空気を吸い
お腹が減ったら
食事を摂る
それがあたり前

ボクは機械
電気を蓄積して
お腹も減らず
なにも食べない

僕は人間
やがて老い
病気になり
きっと死の恐怖に怯える

ボクは機械
身体のパーツは劣化していき
内部のバッテリーも寿命を向かえる
その時の感情はよく分からない

それでも

僕は
ボクは

「「だだ、生きたい」」

その二つの意思に
何の違いがあるのだろうか?

刃と薬

刃と薬

その一言は凶器
心を抉り
無惨に切り刻む

その一言は癒し
心を温め
抱擁し傷を治す

たった一言
それは
武器になる

たった一言
それは
薬になる

与える言の葉は
全て受け取る者次第

アナタの言の葉は
武器ですか?
薬ですか?

フォーチュンクッキー

フォーチュンクッキー

「こ、これ!チョコレートです!」
それだけ告げて
一方的に渡してしまった気持ち

なんで、もっと上手に渡せなかったんだろう?
そんな先月の気持ちがグルグルしてる

ふと、そんな時

「これ、先月のお返しね」

そうやって
クッキーをぶっきらぼうに渡してくる彼

「あ、ありがとう!」

そうやって受け取る私は
テンパる態度とは裏腹に
必然的に心の中でニヤニヤしてしまう

「これ、フォーチューンクッキ

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フォーリン・エンジェル

フォーリン・エンジェル

小さい頃からだった
かのじよ
あいつ
ぼく

何をするにもずっと一緒
変わらぬ日常
だけど
そんなものは存在しない

「私、彼のこと子供の頃から好きなの」

そうやって君は僕に心を打ち明けた

「そっか、応援してるよ」

言葉とは裏腹に僕の心は騒めき立つ
同時に湧き上がるのはアイツへの妬みと僻み

日に日に増えてく酒の量
彼女を奪いさりたい気持ちを
ギリギリのラインで堪えてる

ある日届いた一通の

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特別なチョコレート

特別なチョコレート

今日はバレンタイン
義理チョコ
友チョコ
本命チョコ

色んなチョコレートが
みんなの間を行き来する

ふと振り返ると
真っ赤な顔の君がいた

その手にしてるのは
僕の大好きなウイスキーボンボン

「ありがとう」

そうやって君からチョコレートを受け取る
口に入れれば
ウイスキーのビターさと
チョコレートの甘さが広がる

そんな僕を君は嬉しそうに見つめる

なんだろう
この感覚

なんだか僕まで

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つみのゲーム

つみのゲーム

小さい頃
一生懸命貯めた
お小遣い
それで買った宝物
何時間も
何度も
遊び尽くした

時は経って大人
財布を開ければ
沢山のお小遣い
あれも欲しい
これも欲しい

気づけば
箱いっぱいの宝物

今週は通常版
来週は限定版

遊び尽くすには
足りない時間

部屋を見渡せば
積まれている沢山の宝物

それでも
まぁ、時間はあるさ
増えるペースと減るペース
釣り合っていないけど
それはそれで楽しいか

幕の合間

幕の合間

人の生死の美談
それは安直な喜劇

障害者がしたいことを勝手に助ける話
それはチープな茶番劇

対岸から見る戦場の話
それはありふれた恐怖劇

私たちが綴る無意味な人生の話
それは単純な不条理演劇

どれもこれも

所詮は人間が作る人形劇

違うのはただ
白痴な演者だけ

さて
次の演目は一体なんなのかしら?

Alis volat propriis

Alis volat propriis

恋人たちが様々に思いを馳せる日
だからこそ
僕は決心したんだ

いつか君が
この狭い鳥籠から
大空へ羽ばたく日が来るのは分かっていたから

「俺、別に好きな人ができたんだ」
そう告げながら
カーディナルに口をつける

とたんに涙を溢れさせた君を
僕はただ決心が鈍らないように見つめる

そしてとうとう
時間が終わる

最後に持ってきたポインセチアの花束を渡す

「これからも元気でな…」
そう残して彼

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亡失の彼方

亡失の彼方

永い間生きてきた
悲しいとき
辛いとき
楽しいとき
嬉しいとき

それは
それは
永い時間だった

人を蹴落としたときもあった
人を憎んだときもあった

そして
何より
人を愛したときもあった

それが全て
虚無へと消えていく

あの行為も
あの信念も
あの激情でさえ

けれど
それでいい

この足跡は
僕には平等に無意味だ

だから祝おう
僕にとって
忘却することが
どんなに幸せなことだろうか

赦し

赦し

人は罪を犯す
他者を欺き
他者を裏切り
他者を傷つける

そして最後には

自分さえ欺き
裏切り
傷つける

「天の国の父なる神は全てを赦してくれます」

そんなクソったれた言葉
絶対に俺は認めない

『神は賽を振らない』

だからこそ
信じる

たとえ
欺かれ
裏切られ
傷つけられても

人を赦すことが出来るのは
人だけなんだと…

君と日常

君と日常

桜が舞い踊る晴れの日
隣に座る君を見た
きっと
それは
一目惚れだったのかもしれない

時は流れ

あくせく働く毎日
忙しさに疲れ
入ったいつものBAR
隣りに居たのは
あの日の君だった

そして振り返る

隣りで寄り添う君を見て
あぁ
今なら信じられる
多分これが
偶然でもなく
必然でもなく
運命というものなんだね