- 運営しているクリエイター
記事一覧
エッセイ「ただいまピンターダ」
12月と1月は、怒涛の飲み会ラッシュだった。
コロナが5類になってから初めての年末だからか、新しい商業ビルがオープンしたからか、すすきのには観光客も含めて大量に人が戻ってきていた。
コロナ中のあの静かなシャッター街の寂しさを知っているから、喜ばしくはあるのだけれど、酒だけではなく人にも酔ってしまった。
肝臓にやさしくない日々に乗じて「ピンターダ」に行って来た。無論、以下の報告をするため。
エッセイ「ゴミ屋敷ではないかもしれない家について」
通勤の道すがら、ゴミ屋敷がある。ぱっと見で分かるゴミ屋敷ではない。ごくごく普通のアパートの最上階。
網戸は破け、窓にかかるカーテンが内側から何かいろいろなモノに押しつぶされているのが見える。アパートの角部屋でもう一面にも窓があるのだけれど、同じく何か、袋のようなものがいくつか積まれ、黄色のカーテンがたわんでいる。
しかし考えてみれば、ゴミ屋敷ではない可能性もある。たまたまふたつある窓際に、袋状
エッセイ「夢枕で待ち合わせ」
コロナで「死」について考える時間が多くなった。出産した姉のお見舞いにも行けず、コロナで亡くなったがためにお線香もあげられないまま別れた人もいた。身近な人の死と出逢う時、不思議な体験をすることがある。
中学1年生の冬、祖父が死んだ。12月23日だった。明日から冬休みという日「おじいちゃんが亡くなったので昼にお母様がお迎えに来ます」と担任に言われた。
びっくりはしたけれど悲しいのかは分からず、でも「