政治の抽象化と構造主義、規制、経済とお金のアナロジー

政治の抽象化と構造主義、規制、経済とお金のアナロジー

・初めに

 です・ます体とだ・である体の区別は拘らないことにする。

 40年前私の小学校の授業では作文は「です・ます体」と「だ・である体」を統一するように習った。

 しかしそんなものは「そういう主張があるだけ」のもので現代は多様な文体があっていい。

・政治とは何か

 ここでは政治とは何かを普通と違う点から考察する。

 法律を含めた規制の点から考察する。

 こういう議論は経済学でもなされているのかもしれない。

 30年以上前日米構造協議というのが行われた。

 そこでは日本の規制撤廃や規制緩和が主要な議題となった。

 これには経済学的な裏付けがあっただろう。

 まあなかったかもしれないが。

 規制というものが経済と思想にどういう影響を与えるかを開設する。

・財政政策と金融政策と規制

以前「お金とは何か」という小節を書いた。

 そこではお金とは何か資本主義とは何かについて原理的にかつ分かりやすく説明した。

 今回も同じ論法、同じ構造を使わせてもらう。

 規制の設置、強化と規制の撤廃と緩和、これは経済政策における財政政策や金融政策の緊縮や同じものとみなせる。

 経済学だけではない。

 規制は人間の心の流動性を支配する。

 人間の精神に影響を与えて操作するための方法として使える。

 そしてその仕組みはお金の緊縮や緩和と同じだ。

・フィッシャーの交換式

 以前お金とは何かを説明するために「フィッシャーの交換方程式」を使った。

 MV=PT

であらわされる。

 ここで

M : 貨幣量
V : 貨幣の取引流通速度(英語版)
P : 物価
T : 1期間における財・サービスの取引量

となる。

 これは貨幣数量説やマネタリズムのみならず新ケインズ主義など主流派経済学でも当たり前に使われる。

 現在の経済政策は財政政策と金融政策の2本立てであるが前者はケインズ、後者はフリードマンの功績が大きい。

 それはともかくフィッシャーの交換方程式は金融政策の基礎だ。

 貨幣量が多いほど貨幣の流通や商取引が活発に行われると読み取れる。

 すなわち景気が良くなる。

・政治における緊縮と緩和

 政治とはなにかと一言でいえば規制を作ったり無くしたりすることだ。

 ついでに規制を緩和したり強化したりすることも含む

 規制の設置や強化はフィッシャーの方程式の経済の緊縮政策と同じだ。

 流動性が減る。

 すなわちお金も人も思想も動かなくなる。

 世の中が動かなくなるので停滞して不況になる。

 究極は共産主義他、先鋭過激な制度になる。

 規制の緩和や撤廃はお金の緩和と同じだ。

 お金も人も思想も動く。

 世の中の流動性が上がると活気が出て景気が良くなる。

・社会主義と身内資本主義

 規制を強化すると社会主義化する。

 集団主義、統制化、計画主義化、自由の制限が行われる。

 何かの規制は必ず不自由を生む。

 政府の計画のもと経済を動かそうとすると政府支出に群がる輩が出る。

 利権という。

 補助金などの情報を早く手にした者が勝つ。

 インサイダーに有利になる。

 また権力者の身内が有利になる。

 そこでは自由競争が制限される。

・古典的自由主義と個人主義

 規制をなくすと自由競争が生まれる。

 究極には完全自由競争が生まれることもある。

 集団が利権集団を作ることも減る。

 既得権益を守るものも減る。

 私的な集団の結束はあっても公的な規制で作られる既得権益・利権集団が成立しない。

 個人が尊重される。

 既得権益や利権や集団として存在しにくいので個人主義で的になる。

 民間の利権集団とはドイツのギルドや慶応の三田会のようなものだ。

 私的な利権集団は存在していいいが政府が規制で利権集団を作るのは公正でも公平でもない。

・社会思想の位置づけ

 規制の強化、設置は現代では大きな政府やリベラリズム、集団主義(福祉国家、社会主義、共産主義、ファシズム、民主主義)という。

 規制の撤廃や緩和は現代では小さな政府や保守主義(法の支配、消極的自由の護持、自由権、古典的自由主義)といわれる。

 何かを規制するということは何かの自由を奪うことだ。

 古典的自由主義はアダムスミスのレッセフェーレだ。

 消極的自由を尊重し規制をなくす。

 消極的な自由の反対に積極的な自由というものがある。

 積極的な自由は規制で作られる自由だ。

 LGBTのためにトイレを作れ、見たいな規制を作る。

 積極的自由にはトレードオフと機会費用が発生する。

 何かお自由を作るために何かの自由を奪う。

 誰かの自由を作るために誰かの自由を奪う。

 わざわざ規制を作らなくてもそもそも自由だったところに規制を作るとおかしくなる。

 日本は性的に自由な国だ。

 ネットを見れば分かるし井原西鶴や上野千鶴子も頭が上がらない性風俗のフィールドワーカーの民俗学区者赤松啓介を読めばいい。

 それ以外にも日本の歴史は同性愛や漁政愛、稚児制度などの小児性愛を知らないと見当違いが多い。

・規制は経済学の重要な分野

 20世紀の日本人は経済についてはサルレベルだったかもしれない。

 大阪のような商人文化を迫害した。

 お陰で失われた30年を継続中で早晩日本民族、日本語、日本文化の消滅の危機にあり、このままでは滅亡する可能性が高い。

 それを避けるために正当な手続きを通すとするとすれば規制撤廃、規制緩和しかない。

 これだけ大きな政府になると規制を作るより減らすのが重要だ。

 歳出を増やすより歳出削減が大切なのと一緒だ。

・おわりに

 MV=PT

 これは重要な式だ。

 E=MC²より大切だ。

 E=MC²はそれこそ普通の人は知ることも理解する必要もない。

 しかしMV=PTを知らない人は経済的主体として個人としてこの経済社会を生きることはできない。

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