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【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第7話 黎明期編(3)
【行ったり来たり漫才】遂に七戸師範との邂逅の瞬間がやってきた。
県大会では挨拶程度の会話しかできなかったが、これから行うのは挨拶なんて生易しいものではない。まかり間違えば、逆鱗に触れるかも知れない重大な話し合いなのだ。
意を決したフリムンは、一歩ずつ、一歩ずつ、高校時代からの夢を叶えるために道場までの階段を上り始めた。
しかし、途中まで来ると何故か突然心拍数が爆上がり。
呼吸を整えるために
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第7話 黎明期編(4)
【初審査】入門から3ヶ月後、遂に審査の日がやってきた。
フリムンの白帯に、偽物ではなく本物の色が付く日がやってきたのである。
ちなみに極真の審査は、内容の厳しさもそうだが、黒帯を取るまでに最低でも10回は審査を受けなければならないという厳しさがある。
「白帯」→「橙帯」→「橙帯一本線」→「青帯」→「青帯一本線」→「黄色帯」→「黄色帯一本線」→「緑帯」→「緑帯一本線」→「茶帯」→「茶帯一本線」
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第9話 逆襲編(1)
【死ぬこと以外はかすり傷】傍から見れば、順風満帆に思える空手ライフであったが、入門から僅か1年で引退に追い込まれるなど、先行き不安しか感じていなかったフリムン。
28歳になったばかりの若者に突き付けられた、余りにも酷なこの現実。
既にモチベーションを保つので精一杯だったが、安息の地へ逃亡するという選択肢はフリムンにはなかった。
「ここで逃げたら死ぬまで後悔する」
これまでも、そしてその先も
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第9話 逆襲編(4)
祖母の涙孫やひ孫の活躍だけでなく、道場生の育成や社会貢献に奔走するフリムンを見て、これまで空手に反対していた祖母が突如フリムンにこう言った。
「ゴメンね」
「本当に空手が好きだったんだね」
「なのに反対ばかりしてゴメンね」
そう言って涙を流し、フリムンの頬を撫でた。
祖母にようやく認めてもらえたフリムンは、今まで以上に本気で空手に打ち込もうと決意。
自身の修業だけでなく、道場生の育成、青