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異世界ファンタジーの統治を現実世界の理から考える
2年近く前ですが、当時の推し作品『結婚商売』の雑学として、ヨーロッパと中世フランスにおける貴族階級の成立の歴史をnoteにまとめました。
この2本の記事は「結婚商売の楽しい参考資料」としてTwitter(X)のフォロワー諸姉に重宝いただいたのですが、先日、別作品の王侯貴族に関する質問が飛び込んできました。
別作品とは『悪役のエンディングは死のみ』(以下『悪エン』)、質問とはイオカ帝国の皇族と皇位継
文子の山越えというブラックボックス ―ハコボタ巡礼 2
⬇️前回
独り旅のつもりが気づけば女2人の巡礼に〝休暇。〟の現パロ自著の第二章が全く書けず死んでいたところに降って湧いた長期休暇。
私は決めたら早いタイプだ。早速、上司と、仕事でタッグを組んでいる後輩に「6月のローンチが終わったら九州に行きたいから永年勤続休暇取るよ」と伝えた。仕事は無茶苦茶だが制度や権利の行使にはホワイトなので「行ってきて、どうぞ」と了承された。あとは仕事の算段をつけ、夫に留守
自キャラを追って大分・熊本に弾丸した話 ―ハコボタ巡礼 1
「まりりんさん、九州行くってよ」紀行作家・大神紫をどこへ飛ばすか問題
故あって〝休暇。〟の現代パロディ三次創作『箱庭と牡丹』シリーズを書き始め、「川端康成研究を専門とする日本文学研究者の青年と女子大生の話」などという意味不明な小説を大神先生に連載させてしまったため、私は人生で初めて真剣に川端康成先生について調べ、作品を読む羽目になった。
ハコボタは恋愛物語でありながら極度の恋愛音痴がヒロインだ
リゼル、心の旅 ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[ジルという運命の輪]
2024年最初のnoteでは、長らく考えまくったジルのイデア論をまとめました。
今回は、リゼルが休暇世界とジルから得ているもの、そしてリゼルとジルと陛下の性質をリゼル自身がどう見ているかを考えてみます。
【おさらい】ジルから見たリゼルとの関係性
前稿では「友愛では説明できないのがジルから見たリゼルとの関係ではないか?」と述べました。過去稿も含めて要約すると、こうなります⬇️
青年貴族は〝旅〟
ジルの信愛と執着の行き着く先は ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[リゼルというイデア]
2024年最初のnoteです。今年も変わらず推しマンガ・小説に関してアレコレ考えた結果をちまちま書いていこうと思っております。
新年一発目は、『穏やか貴族の休暇のすすめ。』にハマって以来ずーっとずーっと考え続けている、ジルがリゼルに向ける眼差しの正体(の一面)を掘り下げます。
※個人の主観です!!!
休暇。堕ちして初めて考えた難題
原作の岬先生は、「休暇。」が男性キャラばかりで、リゼルがとに
アスタルニアの愉快な仲間たち ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[登場人物⑤]
前稿に続いてアスタルニアの話。リゼルたちが出会ったキャラクターのまとめです。「その人も取り上げるんだ」もあれば「おい、いないぞ!」もあるかもしれない。アスタルニアはモブだらけ。
アスタルニアの愉快な仲間たちアリムダード王弟殿下(アリム殿下)
リゼルたちがアスタルニア滞在中の多くの時間を過ごすことになった王宮の書庫の住人。ノベル7巻81話から登場。リゼルたちと対面するのは84話である。
アスタ
陽気で楽しいアスタルニア ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[御国柄の話]
休暇。世界で個人的に一番好きな舞台が、パルテダールから遠く離れた南国アスタルニアです。
アスタルニアは月並みな表現で甚だ恐縮ですが本当に〝陽気で明るい南のオアシス〟といった風情が漂い、レギュラーキャラもモブのオッさんも皆いい人たち。そもそも王族からしてぶっ飛んでいます。
最初の王都編(ノベル1-5巻)以上のボリューム(ノベル6-11巻)があり、大きな事件やハプニングもありますが総じてアスタルニアで
麝香の紫煙を追いかけてジルを探す ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[煙草の歴史と変遷]
まさか休暇。の考察で現実世界の雑学を書くことになるとは思ってもみませんでした。しかも直近最後に書いた雑学回(結婚商売にまつわる雑学⑦)と同じく、またもカトリーヌ・ド・メディシスご登場です。とはいえ今回は〝休暇。〟で〝煙草〟…そうです、ジルに関わりのある雑学です。
煙草の歴史と変遷煙草の中身ってどうなってるの?!でざわつくTL
こちら、筆者が旧・青い鳥にアップした煙草の手巻き動画です。
我が家は
貴族と強者の親和性 ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[ジルとイレヴンを掌握する方法]
前稿では古代ギリシアのドーリア人男性社会におけるパイデラスティアを取り上げました。発端は「なぜリゼル様はスタッドとジャッジを甘やかすのか?狙いは何なのか?あんなスキンシップ込みでいいのか?」という疑問の供養でしたが、あれは疲れました。ぜんぶジャッジが悪いんだ…
今回は対となる二人、パーティメンバーであるジルとイレヴンについて。
「彼らはなぜリゼルにハマってしまったのか?」「リゼルはどうやって彼ら
リゼルとパイデラスティア論 ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[スタッド&ジャッジの育成]
本稿は考察というより妄言なので解釈の是非は不問にしてください!…と、『結婚商売』雑学④「騎士道と愛とキリスト教と」と同じ謝罪をします。あのときはカトリックの教義についてでしたが今回は哲学です。
リゼルはなぜスタッドとジャッジをああも甘やかすのか?という点に関して、無理やりにでも自分が納得したくて編み出した持論の供養です。
今では考えられない文化・風俗の古代地中海世界古代ギリシアは極端な男性社会