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およそモテない趣味の数々と、ヨーロッパの歴史(古代〜近世)と文化、クラシック音楽、宗教…

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およそモテない趣味の数々と、ヨーロッパの歴史(古代〜近世)と文化、クラシック音楽、宗教学、薬草(ハーブ&漢方)が興味の対象。高校時代に「世界史だけなら東大に行ける」と先生に言われたほど偏った知識の所有者です。

マガジン

  • ハコボタ巡礼顛末記

    同人三次創作の自キャラの足跡を追うべく、二次創作者さんと一緒に九重連山を旅した記録。アホの極みともいう。

  • 穏やか貴族の休暇のすすめ。考察note

    異世界ファンタジー小説/コミックス『穏やか貴族の休暇のすすめ。』の概要、登場人物、主人公リゼルと相方ジルの足跡から辿るあらすじ(ネタバレ)。 各キャラクターに思うところ、作中に出てくる謎アイテムなど、考察してみたいことが山ほどある不思議な作品です。

  • 「結婚商売」設定考証&雑学シリーズ

    韓国のロマンスフィクション「結婚商売」の時代背景や舞台といった設定、物語に登場する世界観に基づく雑学をまとめたシリーズです。 ●設定考証 考証① 作品の特徴とストーリー概要 考証② 回帰前のアルノー夫妻について 考証③ 時代設定と中世について 考証④ セブランのモデルをフランスとみる理由 考証⑤ アルノー領の地理 考証⑥ 首都ラホズの地理 ●雑学 雑学① フランス貴族の爵位解説 雑学② フランスの爵位制度の歴史 雑学③ 子爵、家令、荘園(ウィグ子爵兄弟とヴァンサンの半生から) 雑学④ カトリック教義が生んだ騎士道と性愛(ザカリーの愛から) 雑学⑤ 貴婦人の役目と金(ビアンカの人生に重ねて) 番外編 貴族の矜持と苦悩 雑学⑥ 装束と紋章と馬上槍試合の相関 雑学⑦ カトリーヌが持ち込んだカトラリーはどこへ消えた 最終回 『結婚商売』のテーマは善か無慈悲か

最近の記事

大神先生が見た熊本 ―ハコボタ巡礼 8(終)

⬇️前回、メインイベント。 懲りない我々ずぶ濡れから復活!ワイナリー突撃 幸いにして、私と峰咲さんは割と似た者同士だった。食欲・酒量、そのペース配分、寝る時間帯、そして体力。2人旅をするにあたって、こういった要素は重要だ。まあとにかく二人ともそこそこよく食べるし、酒もそこそこ飲むし(飲む酒の種類は一部違う)、その間も喋りっぱなしだし、ほうっておけば「よるほ」など余裕で越える。 で、三俣山で4時間近く戦った直後だというのに、我々は長者原登山口にある激ぬる風呂から出ると、「今

    • 三俣山外周〝初心者向け〟の解釈違い2 ―ハコボタ巡礼 7

      ⬇️前回 三俣山外周メインルートドラクエ11のダーハラ湿原のような道 YAMAPを起動する。記録によると10:51登山口出発。 三俣山外周の東側は「九州自然歩道」に指定されているが、「指山自然観察路」という道と交錯していて初っ端から迷う。この手の看板がどうも素人にはわかりにくい。YAMAPのGPS捕捉地図がなかったらどうなっていたか。 雨は止んでいるが、ネックストラップのついていないミラーレス一眼はリュックへ。 雑木林の木漏れ陽を楽しめる道が続く。さすが「九州自然歩道

      • 三俣山外周〝初心者向け〟の解釈違い1 ―ハコボタ巡礼 6

        ⬇️前回 先生の見た景色を追って大雨の中、朝食で気を紛らわす我々 軽めの小鉢がたくさん並んだ朝食。写っていないが筍のお味噌汁がめちゃうまい。 食後のコーヒーを部屋に持って行き、改めて地図を眺めるも、外はとんでもない大雨である。 Yahoo!の雨雲レーダーとWindyを確認すると10時には雨が弱まる。12時台もちょっと強いものの、そのあとはまあまあ程度。その代わり強風になり、瞬間最大風速が引くレベル。ただ山中なら風の影響は少ないと踏みつつ、「長者原ビジターセンターで状況

        • ある意味メインだった宿の話 ―ハコボタ巡礼 5

          ⬇️前回 筋湯温泉九重連山を西へ、北へ 我々が泊まる筋湯温泉は、竹田の北西約40kmの場所にある。九重連山の向こう側だ。 国道442号「日田往還」は、川端先生、文子、そして大神先生の下山ルートの逆走だ。急斜面でこそないが、明らかに「麓から山へ上っていくのだ」とわかる。 暫く走ると、道路標識や住所表示が久住町に。周辺はキャンプ場が多く、花公園やワイナリーなどもある。九重連山で一番ベタな観光エリアのようだ。 まだ明るい時間帯、美しい青空と緑豊かな傾斜を堪能しながら車を走らせる

        大神先生が見た熊本 ―ハコボタ巡礼 8(終)

        • 三俣山外周〝初心者向け〟の解釈違い2 ―ハコボタ巡礼 7

        • 三俣山外周〝初心者向け〟の解釈違い1 ―ハコボタ巡礼 6

        • ある意味メインだった宿の話 ―ハコボタ巡礼 5

        マガジン

        • ハコボタ巡礼顛末記
          8本
        • 穏やか貴族の休暇のすすめ。考察note
          15本
        • 「結婚商売」設定考証&雑学シリーズ
          15本

        記事

          豊後竹田・青天の荒城にて ―ハコボタ巡礼 4

          ⬇️前回(旅準備ではない) 火の国にて熊本空港から阿蘇の裾へ 2024/06/21(金)いよいよ熊本に向けて出発する。 羽田空港直結駐車場の予約枠を押さえそびれた私は、猫のために有給を取った夫の運転で早朝6時に家を出た。 スーツケースの中は平場の衣服や化粧品類に加え、山用のウェア、トレッキングシューズ、ラップトップでギチギチだ。リュックも一眼レフとレインパーカー、地図、本、折り畳み傘で余裕ゼロ。これに貴重品やスマホを入れたショルダーポーチと、峰咲さんへの土産+武器を入れた

          豊後竹田・青天の荒城にて ―ハコボタ巡礼 4

          名刺代わりに無配本を作った話 ―ハコボタ巡礼 3

          ⬇️前回の話 制作に緊急着手空路で大分に入り、別府港を経由して由布岳を遠目に長者原を目指し、大神先生が見たであろう景色を可能な範囲で探して歩き、豊後竹田から特急「あそぼーい!」に乗って熊本へ行き、峰咲さんに挨拶して、最後は空港ライナーもとい乗合バンに乗って熊本空港から帰る。 それが当初考えていたベストだったが、なんと峰咲さんが旅についてきてくれるという。 大分・熊本の土地勘ゼロの私にとって地元の方というだけでもありがたいのに、「ハコボタ」の祖である作品の著者がご一緒してくれ

          名刺代わりに無配本を作った話 ―ハコボタ巡礼 3

          文子の山越えというブラックボックス ―ハコボタ巡礼 2

          ⬇️前回 独り旅のつもりが気づけば女2人の巡礼に〝休暇。〟の現パロ自著の第二章が全く書けず死んでいたところに降って湧いた長期休暇。 私は決めたら早いタイプだ。早速、上司と、仕事でタッグを組んでいる後輩に「6月のローンチが終わったら九州に行きたいから永年勤続休暇取るよ」と伝えた。仕事は無茶苦茶だが制度や権利の行使にはホワイトなので「行ってきて、どうぞ」と了承された。あとは仕事の算段をつけ、夫に留守番を頼むだけだ。 文子の山越えの謎 『千羽鶴』とその続編『波千鳥』の主人公は

          文子の山越えというブラックボックス ―ハコボタ巡礼 2

          自キャラを追って大分・熊本に弾丸した話 ―ハコボタ巡礼 1

          「まりりんさん、九州行くってよ」紀行作家・大神紫をどこへ飛ばすか問題 故あって〝休暇。〟の現代パロディ三次創作『箱庭と牡丹』シリーズを書き始め、「川端康成研究を専門とする日本文学研究者の青年と女子大生の話」などという意味不明な小説を大神先生に連載させてしまったため、私は人生で初めて真剣に川端康成先生について調べ、作品を読む羽目になった。 ハコボタは恋愛物語でありながら極度の恋愛音痴がヒロインだ。私は頭を捻った。どこかで人並みの感情を持たせなければならない。しかし元キャラが

          自キャラを追って大分・熊本に弾丸した話 ―ハコボタ巡礼 1

          リゼル、心の旅 ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[ジルという運命の輪]

          2024年最初のnoteでは、長らく考えまくったジルのイデア論をまとめました。 今回は、リゼルが休暇世界とジルから得ているもの、そしてリゼルとジルと陛下の性質をリゼル自身がどう見ているかを考えてみます。 【おさらい】ジルから見たリゼルとの関係性 前稿では「友愛では説明できないのがジルから見たリゼルとの関係ではないか?」と述べました。過去稿も含めて要約すると、こうなります⬇️ 青年貴族は〝旅〟をするもの薮から棒にタロットカードを出して恐縮ですが、私の頭の中にはだいぶ前から

          リゼル、心の旅 ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[ジルという運命の輪]

          ジルの信愛と執着の行き着く先は ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[リゼルというイデア]

          2024年最初のnoteです。今年も変わらず推しマンガ・小説に関してアレコレ考えた結果をちまちま書いていこうと思っております。 新年一発目は、『穏やか貴族の休暇のすすめ。』にハマって以来ずーっとずーっと考え続けている、ジルがリゼルに向ける眼差しの正体(の一面)を掘り下げます。 ※個人の主観です!!! 休暇。堕ちして初めて考えた難題 原作の岬先生は、「休暇。」が男性キャラばかりで、リゼルがとにかく大事にされるさまを「恋愛感情はない、濃い友愛」と記されています。 しかしジル

          ジルの信愛と執着の行き着く先は ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[リゼルというイデア]

          アスタルニアの愉快な仲間たち ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[登場人物⑤]

          前稿に続いてアスタルニアの話。リゼルたちが出会ったキャラクターのまとめです。「その人も取り上げるんだ」もあれば「おい、いないぞ!」もあるかもしれない。アスタルニアはモブだらけ。 アスタルニアの愉快な仲間たちアリムダード王弟殿下(アリム殿下) リゼルたちがアスタルニア滞在中の多くの時間を過ごすことになった王宮の書庫の住人。ノベル7巻81話から登場。リゼルたちと対面するのは84話である。 アスタルニア王族12人きょうだいの次兄。年齢は30代前半。褐色の肌に金糸のような美しい

          アスタルニアの愉快な仲間たち ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[登場人物⑤]

          陽気で楽しいアスタルニア ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[御国柄の話]

          休暇。世界で個人的に一番好きな舞台が、パルテダールから遠く離れた南国アスタルニアです。 アスタルニアは月並みな表現で甚だ恐縮ですが本当に〝陽気で明るい南のオアシス〟といった風情が漂い、レギュラーキャラもモブのオッさんも皆いい人たち。そもそも王族からしてぶっ飛んでいます。 最初の王都編(ノベル1-5巻)以上のボリューム(ノベル6-11巻)があり、大きな事件やハプニングもありますが総じてアスタルニアでの日々は底抜けに楽しく、リゼルとジルの青春と呼べるような話も多く、そのぶんこの国

          陽気で楽しいアスタルニア ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[御国柄の話]

          麝香の紫煙を追いかけてジルを探す ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[煙草の歴史と変遷]

          まさか休暇。の考察で現実世界の雑学を書くことになるとは思ってもみませんでした。しかも直近最後に書いた雑学回(結婚商売にまつわる雑学⑦)と同じく、またもカトリーヌ・ド・メディシスご登場です。とはいえ今回は〝休暇。〟で〝煙草〟…そうです、ジルに関わりのある雑学です。 煙草の歴史と変遷煙草の中身ってどうなってるの?!でざわつくTL こちら、筆者が旧・青い鳥にアップした煙草の手巻き動画です。 我が家は夫も私も喫煙者で、煙草を手巻きしています。 煙草を巻く際、「煙草がもう無ぇ…」と

          麝香の紫煙を追いかけてジルを探す ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[煙草の歴史と変遷]

          貴族と強者の親和性 ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[ジルとイレヴンを掌握する方法]

          前稿では古代ギリシアのドーリア人男性社会におけるパイデラスティアを取り上げました。発端は「なぜリゼル様はスタッドとジャッジを甘やかすのか?狙いは何なのか?あんなスキンシップ込みでいいのか?」という疑問の供養でしたが、あれは疲れました。ぜんぶジャッジが悪いんだ… 今回は対となる二人、パーティメンバーであるジルとイレヴンについて。 「彼らはなぜリゼルにハマってしまったのか?」「リゼルはどうやって彼らに選び取らせたのか?」を双方の視点で整理してみたいと思います。 ⬇️辛かった原

          貴族と強者の親和性 ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[ジルとイレヴンを掌握する方法]

          リゼルとパイデラスティア論 ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[スタッド&ジャッジの育成]

          本稿は考察というより妄言なので解釈の是非は不問にしてください!…と、『結婚商売』雑学④「騎士道と愛とキリスト教と」と同じ謝罪をします。あのときはカトリックの教義についてでしたが今回は哲学です。 リゼルはなぜスタッドとジャッジをああも甘やかすのか?という点に関して、無理やりにでも自分が納得したくて編み出した持論の供養です。 今では考えられない文化・風俗の古代地中海世界古代ギリシアは極端な男性社会 如何せん2000年以上も前なので、古代の文化や風習は、現代からすると奇異に映る

          リゼルとパイデラスティア論 ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[スタッド&ジャッジの育成]

          パルテダールのレディーは颯爽と石畳を行く ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[登場人物④]

          ヒロイン不在の『穏やか貴族の休暇のすすめ。』ですが、準レギュラーといえる女性キャラは結構います。メディさんとレイラちゃん以外は名前がないし、メディさんだって薬士だからそう付いたであろう名前で、そういう意味ではモブだらけなのですが、多くの女性が度々再登場してはリゼルたちと楽しく、時に真剣に関わっていきます。そして頼もしい!あと、なんか強い!!(アクが) 本稿は、パルテダール王国内で交流のある女性たちのまとめです。アスタルニアとサルスの女性も一纏めにするつもりでしたが、書き切る

          パルテダールのレディーは颯爽と石畳を行く ー 穏やか貴族の休暇のすすめ。[登場人物④]