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映画やドラマのこと

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2023年5月の記事一覧

韓国エンタメ全部入り映画 『奈落のマイホーム』

韓国エンタメ全部入り映画 『奈落のマイホーム』

韓国映画『奈落のマイホーム』を観ました。

とにかくエンタメに徹しているこういう映画は四の五の言わずに、ただただ楽しめばいいんです。
例えばお正月映画。
元旦の次の日、テレビも飽きたよねって家族みんなで観に行くのは、こういう映画がいいんだと思う。

冒頭からしばらくは韓国映画の特有のコメディタッチでドラマがはじまる。
このアクの強さを受け入れられるかどうかが「韓国映画はダメ、無理」ってなるかどうか

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自主制作映画だって負けてない〜映画『グッドバイ、バッドマガジンズ』

自主制作映画だって負けてない〜映画『グッドバイ、バッドマガジンズ』

テアトル新宿で予告編を観て気になっていた1本。
U-NEXTの配信で観ることが出来た。

これって自主制作映画だったんだな。
日本はメジャー作品でもハリウッド映画と比べると制作費に雲泥の差があると言われているが、自主制作映画となるとさらに低予算であることは自明だが、それでも、いやそれが故に、
国内の自主制作映画および低予算映画などの非メジャー制作・配給映画は面白いんではないかと思っている。

いわ

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喪失と再生を不思議な味わい深いトーンで描いた映画『林檎とポラロイド』

喪失と再生を不思議な味わい深いトーンで描いた映画『林檎とポラロイド』

U-NEXTの配信で鑑賞した『林檎とポラロイド』
全くのノーチェック作品。

たったこれだけの情報で観始めた。

シンプルで洗練された感じの町並み、登場人物達のモノトーンを基調にした衣装、そうした全体の印象から「デンマークとかスウェーデンの北欧作品かな?」と観終わるまで思っていたら、なんとギリシャの監督の作品。
主役の男性もギリシャの役者さんのようで、ギリシャ・ポーランド・スロベニアの合作だけど実

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雰囲気だけではない評価の難しい映画でした〜『aftersun/アフターサン』

雰囲気だけではない評価の難しい映画でした〜『aftersun/アフターサン』

公開直後の土曜日に話題の今作を観に行ってきたので、ファーストインプレッションを書いておきます。

予告編での昔のデジタルカメラ特有のノイズとフィルタがかかった映像、
30才の父と11才の娘のひと夏を切り取った想い出、
当時の父親と同じ年齢になった娘がビデオを再生して思い返している。

「あの時、あなたの心の声が聞けたなら。あなたを知るには幼すぎた」

ただのひと夏の淡い想い出を綴った作品ではないと

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Apple TV+で配信スタートしたSF超大作『サイロ』は見逃せない

Apple TV+で配信スタートしたSF超大作『サイロ』は見逃せない

Aplle TV+でまさか!?と目を疑うようなドラマの配信がスタートしました。
『サイロ』です。

Apple TV+オリジナル脚本ではなく、ヒュー・ハウイー原作のディストピア系SF作品です。
今からちょうど10年前、2013年にシリーズ1作目の『ウール』が上下巻で出版され、続く2014年には2作目の『シフト』、2015年に最終作『ダスト』がそれぞれ2巻ものとして出たのでトータル6巻の長ーい物語で

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映画『はりぼて』〜腐りきった地方議会、富山市だけの話ではないだろう

映画『はりぼて』〜腐りきった地方議会、富山市だけの話ではないだろう

話題になっていたドキュメンタリー映画『はりぼて』をやっと観た。

富山市議会自民党議員一派の金にまつわる不正疑惑を追い続ける富山のローカルテレビ局チューリップテレビの2016年8月から2020年1月1日までの期間を記録したドキュメンタリー映画。

監督もチューリップテレビ報道部の2人、記者の砂沢さんとキャスターも務める五百旗頭さん(いずれも所属は当時)。

ちなみに、富山県は有権者に占める自民党員

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ケイト・ブランシェットをただただ崇める映画 『TAR/ター』

ケイト・ブランシェットをただただ崇める映画 『TAR/ター』

公開初日に午前中有休まで取って観に行ってきた。
何といってもケイト・ブランシェット様の新作映画なのだから。

これまでの作品でも、シリアスなものから軽妙なものまでどんな映画でも
ケイト・ブランシェットだなぁという存在感があったが、今作はもうずば抜けて最高傑作なのではないだろうか。

先のアカデミー主演女優賞を『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のミシェル・ヨーが受賞した時には、

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限りある命だからこそ輝いている〜映画『アーク』感想

限りある命だからこそ輝いている〜映画『アーク』感想

*ネタバレあるかもしれません。未見の方はご注意下さい。

石川慶監督の「Arc アーク」を配信サービスで観た。

石川慶監督作品は「愚行録」「蜜蜂と遠雷」「ある男」と、いずれも原作のある映像作品だが、それぞれに独自の解釈をしていて、映像的にも独特のムードがあり「間違いない」映画監督だと個人的には考えている。

今作も中国SFブームの先駆けのケンリュウの短編が原作だということで、期待してみたのだけど

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やっぱり最高な奴らだったよ!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3』

やっぱり最高な奴らだったよ!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3』

待ちに待ったガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの最新作にして最終章。

ジェームズ・ガンが DCに移ってしまったため、これが事実上最後のマーベルでの映画なのかな。
ガーディアンズもこれ以上制作しないと公式に発表されている。

前作の『〜リミックス』はド派手な戦闘シーンと勢いのあるロック・ミュージックで始まったけど、今作はオープニングからアコースティックなナンバーが続く。
うつろな感じのロケット、そ

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