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つらつら紅葉の旅日記、day2福島磐梯高原。〜朝焼け→猪苗代湖→磐梯山ゴールドライン→まぼろしの滝→ばや池→桧原湖→諸橋近代美術館→磐梯山噴火記念館→中津川橋→あだたら山→奥岳の湯→空の庭〜


紅葉の旅、2日目(10/24(日) )。
今日は猪苗代・磐梯高原の旅です。

早朝。
山道を越え、福島県の
猪苗代湖まで車を走らせます。
 
早朝の山道は朝焼けは大好き。
山の間に雲。
雲海が広がり幻想的です。
 
「すごいねー!嬉しい!」

山を越えると
少しずつ景色に色もついてきて、
雲がピンク色に染まってきました。

「もうすぐ陽が昇りそうだね」

「ちょっと車止めようか」

車を降りると、
ちょうど日の出タイム。
ひらけた景色に
オレンジの光が射します。
ほわっとした小さな雲が可愛い。


「おはよう。
今日も太陽よろしくね」

猪苗代湖周辺は
ところどころ霧がかっています。

今日の予報は曇りのち晴れですが、
想像よりも雲が多め。

猪苗代湖につきましたが、
どんより。

早く来すぎました。
(写真すら撮っていません)

長めに朝ご飯休憩をして
空が微笑むのを待ちます。
 
「お、ちょっと晴れてきたね」

雲が少なくなったとこで、
 
「さて、ゴールドラインに行きますか」
「うん!」

そう。

福島県の磐梯エリアには、
日本風景街道に登録されている
3つの魅力的な
ドライブコースがあります。

【猪苗代・磐梯の3つのドライブコース】
●磐梯吾妻スカイライン
不動沢橋⇒天狗の庭⇒霜降⇒浄土平
⇒蒼龍の辻⇒国見台
 
●磐梯吾妻レークライン
中津川橋⇒三湖パラダイス⇒涼風峠
 
●磐梯山ゴールドライン
黄金平⇒まぼろしの滝⇒山湖台
 

磐梯山ゴールドラインから望む
磐梯山の噴火口や猪苗代湖。
磐梯吾妻レークラインの湖沼群や渓谷。
磐梯吾妻スカイラインから眺める
山々や湖沼、湿地帯。

それぞれのコースで四季折々の
自然豊かな景色が楽めると本で読み、
楽しみにしていました。

まずは
磐梯山ゴールドラインへ
出発です。

「あ、赤くなってる〜!」


山を登っていくほど、
紅葉が深まる山道。
車を停めるスポットがたくさんあります。

ご夫婦の合間にのぞく
猪苗代湖が可愛い。


車を走らせていると
「まぼろしの滝」の看板が。
見逃しそうな場所にありました。

駐車場に車を停め、
道路を渡り、
山のほうに入っていきます。
 
すると、
ガラッと冒険感のある景色に。

「雰囲気いいね」

「うん、
葉っぱがすごく大きいね!
キミたち、
この静かな場所で豊かに育ったのね」


昨日の雨の影響か足場はジメジメ。
だけど、
手のひらの2倍はある葉っぱが
いい感じに絨毯になっていました。

整備され過ぎていない山道が好きなので
テンションが上がります。
 
「楽しい〜」
「はい、パン子ちゃん」

耳男くんからモミジのプレゼント。

「ありがとう!」

何度もらっても嬉しい、
自然が残した小さな幸せ。

昨日みたいに
イナバウアーにならないように
ゆっくり、
二人で支え合いながら登ります。

「まぼろしの滝」に到着。

「いいね〜」


水しぶきを感じるほど
すぐ近くまで滝が見れて、
とても雰囲気がよかったです。
(人によるかも)
 
観光客もいなかったので、
二人のペースで散策を楽しめました。
 
その後は磐梯山の紅葉や
磐梯山を昇る人たちを車から眺め、
Googleマップが示す
「ばや池」へ。

駐車場から降りて、
また茂った道に入っていきます。
また誰もいないようです。

すると、晴れ間が!
黄色と赤に紅葉したモミジが
木漏れ日で輝いています。


「晴れてきた〜」

道を進んでいくと静寂な空間、
「ばや池」が姿を現しました。
 
「わ~
キレイだねー!」
 
ばや池が鏡になり、
二重に広がる景色。


 「やっほー!」
「やっほー!」

テンションが上がり
つい山びこごっこ。
かすかに反響します。
 
時が止まったようなやさしい池、
穴場スポットでした。
 
その後は桧原湖へ。

小腹が空いたので、
お店にあった出来たて
きなこ餅をオーダー。
とっても柔らかくて
美味しかったです。


続いて
「なんか建物がかっこいいね」
と話していた
「諸橋近代美術館」へ。
 
到着すると、
あらゆるところにヒゲのモチーフが。


「野口英世かな?」
「そうかもね。」

そして…。


「わー!かっこいい!
外国に来たみたい!」
 
今までみたことない美術館のビジュアルに
テンションが上がります。

水面に映る、諸橋近代美術館。


さすが美術館、
モミジも洒落ています。
 
「どうする、入る?」

「せっかくだから入ってみようか」

芸術系には疎い私たち。
 
何かよく分からないけど。
「ステッピング・アウト〜日常の足跡〜」
という展覧会が開催中でした。

飾ってある絵画をいつになく
一生懸命、
理解しようとする耳男くん。

「耳男くん珍しいやん」
「うん〜、でも意味が分からない」
「ハハハ」
 
展覧会のテーマ、
ステッピング・アウト。

『2020年、
COVID-19のパンデミックから約一年。
世界的な脅威を乗り越えるために
新たな生活習慣が提唱され、
今や就業や娯楽をはじめとした
生活様式も大きな変化を遂げています。

歴史をさかのぼると、
人間は幾度も未曾有の事態を
経験してきました。
その度に日常や価値観の
大きな転換を迎えながらも、
人は文化を手放すことなく
新たな思想や芸術表現を創出し続け、
今日までの歴史を織りなしています。』

そんなテーマの展覧会。

その変化の歴史は
芸術にも反映されていて、
芸術に疎い私も
絵画から伝わる
当時の作者の心の物語に、
いつの間にか魅了されていました。

誰の絵か分からないけど 。
 
しかし、途中から作者名が
「ダリ」「ダリ」「ダリ」!
 
あの有名な「ダリ」だということに
気づきます。

そうここは…。

世界屈指の所蔵数を誇る、
サルバドール・ダリの
絵画・彫刻・版画が
展示されている美術館だったのです。

(帰りに入り口カーペットを見たら、
思いっきり書いてありました)

そうとも知らずに
ヘラヘラと見ていました。

後半には有名な「柔らかい時計」を
モチーフにした作品たちが。

「耳男くん。
これ、すごく有名な人の作品だよ」
 
「そうなんだ。」
 
「ね、これ、
いろんな絵が隠されてるね。
すごい。
今の時代には見ることのできない
生と死の世界だね。
見なくていい景色。
これは絵だけど、
風景のベースは
当時の現実だったんだよね。」
 
「すごいね」

絵を眺めていると
なんとなくだけど、
作者の人柄や心が見えてきます。

時を超えてダリが伝えたかった
メッセージのようなものが
届きました。

そして、絵画はもちろん、
私が特に惹きつけられたのが
作品とともに添えられてる名言でした。
 
【ダリの名言】
あなたは、
あなたの一生以外の何ものでもない。

時間は私たちに残された
数少ない大切なものだ。

もっといい時代はあるかも知れないが、
これは我々の時代なのだ。
 
人間は自由であり、
常に自分自身の選択によって
行動するべきものである。

何も真似したくないと思う者は、
何も生み出さない。
 
完璧を怖れる必要はない。
決してそこには到達しないから。

天才になるには
天才を演じ続けよう…。


ダリが言うと説得力が増します。

「誰が言うか、だぁ」

柔らかい時計の絵を見ていると
自然とこんな言葉が
頭に浮かびました。

「時計は
柔らかくないといけない。
本来、時間というものは
カタチじゃないんだ。
時間という存在を
縛ってはいけない。
時間は自由であるべきだ。
 
キミの人生は
数字なんかじゃない。
12の数字ではかれない。
丸く繰り返されてるわけじゃない。
始まった瞬間から
カウントダウンに進んでいるのだ。
 
時間は限られている。
時間こそ、人間の宝物なんだよ。」
 
小さい頃から時計が丸く、
12の数字が繰り返されることに
不自然さを感じていた私。

そんな自分の根本の想いと
ダリのメッセージが
重なったような感じがしました。

「ね、ヒゲのモチーフ、
ダリだったんだね」
「野口英世とかいいよった」

「カスリもしてないやん」
「あはははは」


芸術の秋を堪能したあとは、
「磐梯山噴火記念館」へ。

四季折々に美しく、
私たちに秋を届けてくれている
磐梯高原。
その彩り豊かな姿も
1888年の水蒸気爆発による、
多くの犠牲の上に築かれていることを
知りました。

噴火当時のリアルな様子を体験できたり、
噴火後の磐梯高原を学べて
楽しかったです。


「次どこに行こうか?」

借りてきたるるぶを見ます。

「この本にある
浄土平と吾妻小富士行きたいな」

吾妻小富士とは、
秀麗な小型の富士山を思わせる名山。
直径約500mの噴火口を
間近で眺めることができ、
火口壁をぐるりと一周することが
できるようです。

というこで、
磐梯吾妻レークラインから
磐梯吾妻スカイラインを通って、
吾妻小富士を目指すことに。

磐梯吾妻レークラインでは
いろんな湖や紅葉の景色を眺めました。

特に、中津川橋から覗く
紅葉と川が美しかったです。


うどん休憩を挟み、
磐梯吾妻スカイラインへ。

すると…
 
!!!
 
通・行・止・め!
 
!!!!
!!!!

そうだった!
磐梯吾妻スカイラインは
先日から路面凍結で
通行止めになってたことを
すっかり忘れていました。

「そういやパン子、
通行止めって言ってたね」
 
「バカやん!
自分で言ってたのに忘れてたぁ。
一時間弱かけてきたのにぃ。」

「しょうがない。
次どこ行こうか」
 
「ん〜、えとね、
紅葉してるか分からないんだけど、
安達太良山っていう日本名山が
あるらしいんだけどね、
「あだたら山ロープウェイ」から
見える景色がキレイなんだって。

でもね、
ロープウェイの下りが
16時半までにみたい。
3時だし、
天気もちょっと微妙かも〜。」
 
「まだ余裕やん。
せっかくだし、行ってみようか」
 
潔く方向転換。

安達太良山方面を
目指すことに。
あっちこっち忙しく楽しい旅です。

展望スポットから見える雲、
今日も可愛い。 

駐車場に着くと
たくさんの車と登山者がいました。

山の上は寒いので、
しっかり防寒して
ロープウェイに乗り込みます。
 
「あだたら山ロープウェイ」は
標高約940mの山麓駅から
標高約1,350mの山頂をつなぐ
ロープウェイのこと。


 安達太良山の八合目にあたる、
薬師岳山頂の展望スポット
「薬師岳パノラマパーク」の近くまで
一気に運んでくれます。

「暗いけど、綺麗な景色だね。
ワクワクする〜」

「ひぇ〜!高い〜早い〜!!」

「どんどん登るね〜」
「もう着くよ」

到着〜。

本当、
ピューーーーーーーン! 
くらいの勢いでつきました。

すると足洗い場に行列が。
登山客が
ドロドロになった靴を洗っていました。

「あの人たち、安達太良山の
頂上まで行ったんだろうね。」

「小さい子も。えらいね〜」

少し歩くと…
紅葉した安達太良山。

開けた世界が待っていました。

遠くには
福島の街並みや安達太良連峰、
吾妻小富士、蔵王連峰。
いろんな景色が広がります。

雲は多めですが、
雲が好きなので私たち夫婦には
嬉しい風景。


 「壮大だね〜!」

時間があれば
もっと上まで登りたかったのですが、
ロープウェイの最終時間の関係で
「またいつかだね」。
 
山頂まで登った人に感想を聞いて
思い出を分けてもらったり、
ぬかるんだ山道から下山する人たちの
勇敢さを拝んだりして、
パワーをもらいました。

みんな、なんのために
登るんだろう。

いつかみーんなに、聞いてみたいな。
一人ひとり、
いろんなストーリーがあるんだろうな。


その後は、ロープウェイに
ついていた割引券で
温泉「あだたら山 奥岳の湯」へ。
 
この温泉がとっても良かった!

露天風呂の正面にはフェンスがなく、
大好きな空と山並みを
開放的に眺めることができました。

今日は天気が微妙だけど、
来る時期、時間によって
いろんな景色を楽しめそうな温泉です。

そして。
ボーっと夕焼けを眺めていると…。
 
右に白い鯨の雲と
左に黒い龍の雲。

互いに向かい合ってる。

龍の雲が鯨の雲に近づいていく。

その真ん中には
白い小さな丸い雲。
何かはわからなかったけど、
きっと鯨の仲間。

ゆっくりゆっくり、
龍の雲が鯨の雲に近づいていく。
風に流れるように
空を泳ぐように、
少し怯えるように。

『龍とそばかすの姫』みたいだ。
映画が空に描かれてる!

耳男くんに今すぐ伝えたい…!
(男湯に叫びたい)

「頑張れ、鯨」
謎に鯨を応援する自分。

すると、
龍が煙みたいに
ほわっと消えていった。

わっ、龍いなくなった。

そして。
龍が消えた跡に
違う何かが生まれた。
だけど、不安定。
カタチがあるようでない
暗い雲。

あ、消えた。

鯨は変わらずそこにいる。
 

 
「耳男くーーーん!」
 
「お、こっちこっち」
 
「聞いて聞いて!
パン子、映画見てたの!
『龍とそばかすの姫』」
 
露天風呂の出来事を
夢中になって話します。
 
「〜そう、
こんな空の物語に出逢ったの!」

「へ〜」

「パン子、
細田守監督が見た世界が
分かった気がしたよ。

山は鯨みたいな雲ができやすいよね。
そして、細田監督の作品には
よく鯨の雲が登場するやん。

で、
やっぱり私たちが好きな雲は、
自由からのメッセージなんだよ。
自由からの招待なんだよ。

雲は大事な
メッセージなんだ!」
 
「大事なこと分かってよかったね。
(あっさり、さっぱり、耳男くん)
 
よし。
パン子ちゃん、
今からディナーに行きましょう。」
 
「あ、いいラーメン屋さんあった?」
 
「ノンノン!今日は洋食だよ」
 
私のお風呂を待ちくたびれた
耳男くんがセレクトしてくれてたのが、
『空の庭 自然レストラン』。

名前がおしゃれ。
全然、耳男くんらしくない。

私のこと考えてくれたんだ!
と思ったら、
「近くで開いてるいい感じのお店が
ここくらいだった」
というだけでした。

お店に着くと…
まさかの
結婚式併設のレストランということが判明。

もちろん、
風呂上がりスッピンパジャマ、なう。

店内には
おしゃれに着飾った人たち、
式後の幸せ感溢れてるご家族、
結婚指輪を見せながら
写真を撮るカップル。
 
そして、
スッピンパジャマの夫婦。
若干の場違い感を感じながらの
ディナータイムです。


コースのメイン料理が選べたので
私は鯛のポワレ、
耳男くんはスペアリブにしました。

たくさん動いた日は食べるのが
怖くありません。

「いただきま〜す!」

サラダもスープもパン、
全部いちいち美味しい。

「ね、美味しいね。
たまにはこういうご飯もいいね」

「そだね。」
耳男くんに洋食も捨てたもんじゃない、
という気持ちが芽生えるように
「美味しいね」の種を蒔きました。 

「きた〜!」
メインがやってきました。

どっちもとっても美味しそう!
耳男くんのスペアリブは
分厚くて大きい。
見たからに耳男くん喜びそうだぁ。
 
パク。
 
「え、めっちゃ美味い!
久々にこういうの食べた〜。
皮はパリパリなのに、
身はほぐれる〜」
 
鯛のポワレ、
美味し過ぎて感動しました。

「スペアリブも美味いよ、はい」

「ありがとう。
わっ、ほんとだ〜!
分厚いのに柔らかい〜 。

耳男くんも鯛、食べてみて。
めちゃくちゃ美味しいよ」

仲良くシェアしながら食べました。
耳男くんはご飯をお代わり。
ご飯をお代わりする耳男くんを見ると
とっても嬉しい気持ちになります。
 
デザートの自家製プリンも最高でした。


しかも、これで1780円。
味も価格も花マル。
幸せ笑顔です。
 
久しぶりに
またここに来たいなと思えた
お店でした。


温泉も入ったことだし、
あとは寝るだけです。
 
「明日はまず、
朝日スポットに行って、
五色沼に行こう」
 
「うん!やっと五色沼に逢えるね!
晴れますように」

「大丈夫、晴れるよ」

明日はいよいよメインの五色沼です。
 
あっという間に2日目が終わりました。

耳男くん、美味しいご飯と
楽しい時間をありがとう。


day3へ続く…。

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