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短歌まとめ

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短歌のnoteをまとめています。
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思い出したように詠む短歌

大丈夫大丈夫だと思いつつ食べたカレーは涙スパイス

この服でどころかこの顔で人に会いたくない日が繰り返される

最近はビールがうまいとかぬかす彼氏に親父の片鱗を見た

大好きなチュロスに遠慮なくかぶりつかれても腹は立たないらしい

年下が輝いている甲子園興味ないふりチャンネル変える

カメラ向けたら変な顔しないでよでもそれがいつも通りなのか

なつのうた

なつのうた

踏切に負けじと喚くアブラゼミくんより儚くいきたいわたし

玄関の青い鉢から伸びる蔓長い休みが始まるみたい

藍染の空を見たくて東京に帰ると言った7月の君

耐えかねて半袖さえも腕まくり真っ赤に痛む肩にぶつくさ

橙の中央線に乗りたくてホーム長居の午後6時半

短歌

車窓から見える戸建ての屋根の海思い出すのは味噌汁の味

別れても消えぬ未練と思い出と君の名前の予測変換

ワンピース好きと言うから買ったのに捨てたら着るの無くなっちゃうな

ただいまに返す言葉が聞こえない部屋ってこんな広かったっけ

起こりうる出来事すべて意味がある信じるわたしは誰より綺麗

女の情念短歌

女の情念短歌

裏表ある子やっぱり気に食わぬヒール折れろと念じてみるわ

マスカラのバーガンディに気づくほど顔近づける人がいないの

この笑顔マスクなんだと気づかないお馬鹿な君はおとぎの住人

剥き出しの爪でサンダル履いてやる生身の色の何が悪いの

リクルートスーツで私の色消して求められるは自己PR

前髪の暖簾心の壁だから掻き分けてくる視線が嫌い

10センチヒール一日足悲鳴突然キレイにならないかしら

膝丈の

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アンコール恋愛短歌

アンコール恋愛短歌

「なにしてる」五文字に勇気ふり絞り送信押した五時間半後

桜色ネイルしたのに馬鹿な君上ばかり見て気づかないのね

初彼のあなたがくれたイヤリングお別れしたのは私の弱さ

あくび出る何人斬りだか知らないがあなたのそれは恋愛じゃない

真面目とか言われる私が今どんな下着着てるか知らないくせに

厚化粧するのはきっと怖いからほんとの私を見られることが

小雨でも「都合がいい」と肩寄せた相合傘の夜の東京

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恋愛短歌

ミラノ風ドリアの前で喜んだわたしはあなたの二番手のまま

クリスマス写真見返すぼんやりのわたしを急かすロビーの門松

真剣なあなたの顔が好きだから答え教えぬ間違い探し

直接に好きとあなたに言えなくて口ずさむのは愛のバラッド

冬だからあなたを愛しく思うならずっと終わらぬ季節を願う

いつもよりちょっとヒールが高いでしょ側であなたの鼻を見たいの

午前2時重い瞼を擦るのはあなたの声を聞いてたいから

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恋愛短歌2

「唇が柔らかいね」と笑う君過去の女にやきもちやいた

手洗いを忘れてかけた洗濯機下着に残る苦い思い出

赤リップあなたのためにつけたのに気づけばすべて舐め取られてる

「ごめんなさいそんなつもりじゃなかった」と謝る男は全員同じ

ファン1号ちょっとねじれた襟足を見つめてたいから後ろを歩く

片付いた部屋を見てると落ち着かないわたしの心はぐちゃぐちゃなのに

口元が見えぬ時世の赤リップ誰のためってあ

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ミラノ風ドリア

高校生のときに飽きるほど行ったサイゼリヤ。

部活終わりに「サイゼ行こうぜー」って誰かが言えばみんなぞろぞろついていき、ミラノ風ドリアだよなって笑いながら食べる。

馬鹿みたいに粉チーズかける同級生がいた。「温玉はお金かかるけど粉チーズはかけ放題じゃん」って、ドリアの表面が見えなくなるくらいまでかけて、挙げ句の果てにスプーンに出して直接食べてた。元気かなあ、あの子。

食べ終わったらSnowで自撮

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恋愛短歌3

手袋を買わなくてはと思うけど君の温もり伝えてほしい

それぞれに知らないままの部分とかあるからわたしあなたが好きだ

午後1時夜職終わりのディープキスたばことミントとお酒の味だ

右隣寸の足らないパンツからのぞく足首ずっと見てたい

今晩のブラとショーツで本気度は測れるだからちゃんと見ていて

取り急ぎ入れたいあなたもう全裸見せてないけど冷め切ってたよ

待ち合わせいつも君より早いのは慌てるすがた

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架空の文学的高校生〜ドーナツ短歌〜

放課後に君とドーナツ屋さんに来た。イトーヨーカドーの中に入っているミスタードーナツ。

わたしはいつも5個食べる。高校生は常にお腹が空いているのだ。

君はいつもハニーディップをひとつ食べる。なんでなの、たまには違うの食べないのと聞くと、君は「これがいちばん穴の形が理想的なんだ」と答えた。

「ハニーディップの丸みを帯びた表面を見つめていると、だんだん中央に吸い寄せられていくだろう?そこには穴があ

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日常短歌

あなたの背大きいリュックそこどいて今からわたしが抱きつくんです

友が言う「時間が解決してくれる」なら速めてよ時計の針を

ダウン着てマフラー巻いてもまだ寒い君が隣にいないからかな

晩御飯4本並べるスプーンは来年減るねとカレーを食べる

片付けが苦手なわたし冬なのに未だニトリの冷感シーツ

桜の木裸で耐えて寒そうねわたしは君を忘れてないよ

マフラーと重い前髪してるのに君を探すの簡単すぎる

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ご無沙汰恋愛短歌

ご無沙汰恋愛短歌

君がため伸ばしてないからこの髪は失恋しても切るわけないわ

小手先の恋愛スキルに騙されて自分殺してどうするつもり

秋別れ好きだった秋憎らしい別れに秋を選んだ君も

口づけをすると決まって君は言う「なんでくちびるべたついてるの」

人ごみであなたの愛を知りたくて不意に繋いだ手を離したの

いつまでも出会った頃のキスをしてときめかせなきゃ他に行くから

この世から私が5キロ減ったなら嫌だろうからダイ

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