日常短歌

あなたの背大きいリュックそこどいて今からわたしが抱きつくんです

友が言う「時間が解決してくれる」なら速めてよ時計の針を

ダウン着てマフラー巻いてもまだ寒い君が隣にいないからかな

晩御飯4本並べるスプーンは来年減るねとカレーを食べる

片付けが苦手なわたし冬なのに未だニトリの冷感シーツ

桜の木裸で耐えて寒そうねわたしは君を忘れてないよ

マフラーと重い前髪してるのに君を探すの簡単すぎる

年末の酔っ払いたち責められぬ普段は堪えて働いてるから

リュック底砕け散ってるちんすこうお土産いつも食べ損ねちゃう

ふと顔をあげた時計が誕生日ひとり嬉しい1分バースデー

階段をのぼる足音これはパパ今日も仕事で疲れてるのね

店員は客に心を見せないしアクリル板で察してほしい

街歩くレディのかばんのブランド名読めて感動わたしも大人

よく転ぶなんでだろうと考えたいつも上見て歩いてるんだ

クリスマス推しの壁紙可愛くてそのままでいる28日

今わたし歯磨きしたのに「これ食べな」みかん剥いてる笑顔のばあちゃん

髪の毛は生えてるときと抜けたとき扱い激変可哀想だな

小納言十二単を着てるから「冬はつとめて」と言えたんでしょう

川沿いの公園ぶらんこなくなった週に5回は遊んでたのに

初恋の君が好きだと言っていたバンド今でも聴いているのよ

さらさらとノートを走る鉛筆の音は聞こえぬ大教室だ

カレーうどん慎重に麺すするのにいつのまに染みそういう柄さ

応答をタップしたあと一言目なにを話そう「お疲れ様です」

「すみません」もこもこダウン着てるから電車座ると肩縮めるの

おかしいなわたしの足は2本でも靴下片っぽ迷子になるな

嬉しいも悲しいもすぐ伝えたい気づいたこれが好きってことか

コンビニで空腹だけをまぎらわし久しく食べずあたたかご飯

ストレスが溜まってるからしょうがないただ好きなだけチョコもうひとつ

まっさらの白シャツ居心地悪いのはこんな綺麗な人じゃないから

友だちも家族も彼氏も好きなのに言えないままだ「ありがとう」って

「今年こそ落ち着きたい」と言ったけど三つ子の魂百までみたい