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つれづれなる日々のこと

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2019年4月の記事一覧

いろいろメンテナンス・ウイーク

いろいろメンテナンス・ウイーク

10連休のあいだに、やっておきたいことがいくつかあった。

そのうちのひとつに「冬服のメンテナンス」がある。四月の終わりに、また少し肌寒い日があったけれど、さすがにもう真冬に着るようなダウンジャケットやセーターの出番はない。

わたしは気に入った洋服は、なるべく長く着続けたい。洗濯してヘロヘロになってしまうようなヒートテックとか、毛玉まみれになっているタイツですら捨てるのを迷ってしまう。まだ着られ

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楽しみはいつだって見つけられる

楽しみはいつだって見つけられる

先日、「生活のたのしみ展」に行ってきたというnoteを書いた。そこでは、わたしは気持ちばっかり焦ってしまって、何事もゆとりがないと楽しめないなあとガックリした気持ちを書いた。

けれど、「生活のたのしみ展」で迷わずに買った「金のさんま」が、ゴールデンウィークの初日に、たのしみをもたらしてくれた。

冷蔵庫を開けた瞬間に、夫が「あ! 金のさんま買ってきたの! やったー!」と、大よろこびしてくれた。わ

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梅の木、レモンの木。

梅の木、レモンの木。

先日、梅の木の苗と、レモンの木の鉢植えを購入した。

梅の木の苗は、庭の土をしっかり掘って埋めた。レモンの木は、いまのところ鉢植えのままで育てるつもりで、もっと成長したら地植えにするか、大きな鉢に植え替えるか考えようということになった。

梅の木を地植えにしている最中に「なんか、植樹祭っぽいね」とわたしが言ったら、夫は「日当たりが微妙な場所だから、枯れたりして」と笑っていた。

夫が梅の木を植えた

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もっと早く献血にいけばよかったのに

もっと早く献血にいけばよかったのに

「あなたの趣味はなんですか?」と聞かれたら、「献血です」と答えていた時期がある。

高校生のとき、その学年全体で献血が流行っていた。献血は16歳以上になればできるのだけれど、ちょうど16歳の誕生日をむかえた人から

「献血してきたでーーーー!」

と、得意げに献血カードを見せびらかしていた。今でこそ磁気カードだけれど、私が高校生のころの献血カードは、確か二つ折りの紙タイプだった。(もう二十年以上前

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子どもらしくふるまおうと決めた日

子どもらしくふるまおうと決めた日

「ひろちゃん、抹茶アイスあるで。追加してもらうか?」

「うん! 抹茶アイス食べたいーー!!!」

わたしはさも楽しそうに「抹茶アイス食べたい」と振る舞った。

けれど、それは「この場で、わたしは子どもらしく、いかにも『子ども』を演じなくっちゃいけない。それが、わたしの役割である」と、考えていたからだ。多分、小学三年生くらいの話だ。

父方の大叔父が主催する法事によばれ、父と母、姉とわたしの四人で

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室長とよばれた4月のこと

室長とよばれた4月のこと

「今から1ヶ月のあいだ、みなさんに社会人としてのマナーや、基礎的な職務について教えていきます」

平成16年4月1日。配属先の職場で挨拶を終えるとすぐに、私たち新入社員は研修所へ移動することになっていた。

大きなトランクを引きずりながら、東京の、その当時は聞いたこともない場所にある研修所へ私は同期入社の子達と一緒に向かった。

1ヶ月もの間、その研修所で宿泊研修を行ったのちに、またそれぞれの配属

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MRワクチン、その後。

MRワクチン、その後。

3月の中頃に、風疹麻疹混合ワクチン(以下MRワクチン)を接種してきました。

この時、お世話になっている先生からは「来年度(2019年度)からは、また接種対象が変更になると思うから」と言われていたので、その続編。

先日、病院に行ったところ「やっぱりこの4月から変わりましたよ」とのこと。わたしが予防接種を受けた時には「抗体検査」は必須ではなく、検査してもしなくても、どちらでもいい、という認識だった

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どんなピアスを選んだの?

どんなピアスを選んだの?

「おい、心の準備できてるか? おれたちは男三人で、女子にプレゼントするピアスをこれから選びに行くんだぞ?」

中学生か、高校生になったばかりくらいに見える男の子たちが三人、横並びになって話しながら歩いている。

「いや、おれ意外と選べると思う」「えっ、お前すげえな。オレは緊張してる」「とにかく、これから戦いに挑む覚悟で、いこうぜ」

えーーーっ? なにこの甘酸っぱいシチュエーション。四月のなかばだ

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週末、あのきっぷで京都に行った?

週末、あのきっぷで京都に行った?

えーっと、ちょっと待って、ちょっと待って。うわー……。ふう、いったん落ち着いて。もう一回、よく探してみよう……。あー、やっぱり、ない。

一瞬のうちに、頭の中をこんな言葉がぐるぐると駆けめぐっていた。それもそのはずで、わたしはさっき買ったばっかりの新幹線の乗車券・特急券をなくしてしまったからだった。

先週の金曜日、二時間くらい仕事を早く上がらせてもらって、わたしは大阪の実家へ向かうことになってい

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【短編小説】カンパ・カンパニー

【短編小説】カンパ・カンパニー

「わたくし、こういうものでして」

そういって差し出された名刺には「カンパ・カンパニー 代表取締役社長 氷室 雪緒」と書かれている。

受け取った名刺は冷凍庫から取り出したばかりのアイスクリームのように、ひんやりとつめたかった。

「ひむろ ゆきお、だなんて、いかにも冷たそうな名前でしょう? ちょっと雰囲気を出したいなあなんてね、思いましてね。まあ、いわゆるビジネスネームってやつですな。ははははは

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ありがとう、note。

ありがとう、note。

noteを利用し始めたのは、2017年7月17日のことだ。

「noteのアカウントをとって、そこで書き始めなさい。今日から!」と、めちゃくちゃ具体的なアドバイスを、テソーミのマーコさんこと日笠雅水さん@macco3 にもらったおかげだった。占いでもなんでもない。

noteでいろいろと、文章を発表すればいいじゃないと、マーコ先生に背中を押してもらったことで、なんとなく楽になった。

その当時、わ

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黒いミニバンが運んでいるもの

黒いミニバンが運んでいるもの

二月に父が亡くなり、葬儀の手続きや、人がひとり死んでしまうと生じるさまざまなことを体験している。

これまでにも、祖父や祖母が亡くなっていたけれど、一緒に住んでいなかったし、まだ子どもだったので、実際の手続きなんかには関わることがなかった。そのため、今回のことは、悲しみもあるけれど「そんなふうになってるのか」と、単純なおどろきもあった。

一番初めにおどろいたのは、病院から葬儀場へ、父のからだを運

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わたしたちは日々支配されている。

わたしたちは日々支配されている。

「え? ちょっと通知が来るの、早くない?」

春分の日の、夕方のことだった。

その日は、朝から父の四十九日法要があった。わたしは前日から実家に帰省し、夫は当日の朝に神奈川から大阪へと向かっていた。

新幹線での移動中、わたしは「病理医ヤンデルのおおまじめなひとりごと」を読んでいた。特別、スマホをいじっていたわけではない。ときおり表示される通知があれば、見てみるくらい。新幹線のなかでは、本を読むと

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ぬか床をあきらめた。

ぬか床をあきらめた。

人にはどうしても向き不向きがある。できることと、できないことがある。

がんばればできるよ、というのは簡単だけれど、身体が受け付けないことは、やっぱり向いていないんだと自覚した。

わたしにとっては「ぬか床」がまさにそうだった。

昨年、無印良品から発売されていた「発酵ぬかどこ」という製品がとても気になった。

ぬか漬けは乳酸発酵で、身体にいい。毎日の食卓に提供できればいいなあとぼんやりと考えてい

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