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MACCHO
2017年5月16日 13:03
なんでもない話。早朝に山へ“虫取り”に行くことが今の大人たちの最近の流行である。ただ虫取りと言っても蝉や蛙、カブトムシを採りに行くのではない。6時4分から5分までの1分間だけ姿を見ることができる小型のキリンである。そのキリンは、手のひらに乗るくらいの大きさで、金色と銅色のきらきらした毛並みをしている。そして、「フィフォー」と鳴くのだ。あまりにかわいらしくて、みんなどうしても自分の家で飼いたいと
2017年5月15日 15:16
2114年、自分の名前を3つまで持てる時代がきた。それは、腕時計型の“ワタシ★チェンジ”を使えば、テレビのチャンネルを変えるように、ワンボタンで顔から体つき、声に至るまですべてを変えることができる商品が国から発売されたからである。一生のうちに、まったく異なった3人分の一生を送ることができるというなんとも欲張りな夢のような代物である。しかも、なんと性別まで変更可能ときた。だから、手術をしなくても、な
2017年6月6日 03:04
なんでもない話。ついに今年、日本に住む人々はバーチャルリアリティー(VR)の世界で生きる時間が現実の世界で生きる時間を上回ってしまったそうだ。というのも、大人たちは朝起きるとすぐにVRの世界にあるさまざまな会社に出勤をする。与えられた仕事をこなし、仮想通貨の給料をもらうのだ。そして、お昼ご飯だけは現実世界で食べる。もっぱらみんな出前をとっているようで、時間を無駄にしないためだそう。その後、夜に
2017年6月9日 10:51
なんでもない話。ある日の早朝、鳥がなんとなく鳴くことをやめた。すると、牛が代わりに鳴くことにした。ピーヒョロモロロロー。それを見ていたワニが羨ましがって、二足歩行で歩くことにした。世界一胴長短足の小走りである。すると、これはたまらんとシマウマが縦ジマを横ジマに描き変えはじめた。体を大きく見せたいらしい。そのニュースを聞いた犬と猫はついに人間の家を出た。これからは水の中で暮らすことに決めたらしい
2018年4月3日 14:46
彼は気むずかしい人なのです。いつも一緒にいるくせに私の助言はまったく聞かない。私の話をそもそもあまり聞いていない。忙しくて手伝って欲しい時に彼はいつもいないし、私が友達とおしゃべりを楽しんでいると彼はそっといなくなる。そのくせ、いなくていい時に横にいる。そして、囁くように独り言のように話すのです。私がこれから失敗することを、その失敗をどうやって受け入れるべきかを考えさせようとして
2018年4月4日 21:43
ついに博士は人間のあたらしい感覚を発見した。これは人類にとっての大ニュースである。朝一番の自分のオナラをもれなく食べれたときにそれは偶然舞い降りた。ただこの感覚をどう言葉にすればみんなに伝わるのか決めかねているところである。 味も、色もない。熱くも、冷たくもない。イライラも、ソワソワも、ドキドキも、ウキウキもしない。おもしろくもなんともない。でもすこし心地よいような気もするよう
2017年10月17日 01:48
ある日、男はなんでも開けることのできる、鍵を作りました。それは隣の家の玄関だって、政府機関のビルの入り口だって、エアフォースワンのコックピットだって、いつも不思議なあの子のハートだって、どんな錠がかかっていても、絶対の絶対に開けることができるのです。 ある日、女は一度閉めると、何をしても開けることのできない、錠を作りました。満員電車の一両目の扉だって、飲みかけのミックスジュース