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ミッション経営企業のマーケティング組織に求められる本当の役割

💡この記事は12月に実施される予定のログラスアドベントカレンダーに先駆け、マーケティング部のメンバーが勝手に始めたプレアドベントカレンダー10日目、最終回の記事です。明日から、ログラスのクリスマスアドベントカレンダーがまた始まります!乞うご期待!

2週間ぶりの投稿になります。ログラスのマーケティング部でマネージャーをしている刈谷です。

私が入社してから1年間、ログラスのマーケは全力で走り続けた結果、ほんの少しだけですが会社に嬉しい変化をもたらせたのではないかと感じています。今日は、その変化の具体的な事例と、それを通じて学んだ「マーケティング組織の本当の役割」について私見を述べていきます。

この記事はこんな人に向けて書いています
・マーケティング部署の役割・存在感をもっと高めたいと考えている方
・熱量を持った組織の裏側を知り、組織づくりの参考にしたい方
・半年間ともに走ってくれたすべてのログラス社員・インターン生

では、少し長いですが最後までお付き合いください!


ログラスの目標とマーケティング部のミッション

私が所属しているログラスは、経営管理システムのSaaSを提供するシリーズAスタートアップです。私たちの目標は「T2D3」。売上1億円をスタートラインに1年ごとに売上3倍を2回、2倍を3回して5年間で売上72億円を目指すという驚異的な目標です。
このT2D3という基準はグローバル規模で成長を遂げるためのひとつの基準としてスタートアップ界隈で用いられ、日本ではSmartHRさんだけが達成しています。

一年ひいこら頑張って達成した3倍という数字が、次の年も3倍になって、それもなんとか達成したら次はその2倍というペースなので、普通にやっていたらまずたどり着けません。参入市場、ポジション、プロダクト、プライス、セールスノウハウ、もしかしたら時の運まで。本当に色んな条件が噛み合わなければ辿り着けない境地です。
当然、マーケティング部における活動もT2D3を目指す上で重要なものになります。

ログラスのマーケティング部のミッションは、めちゃくちゃ端的にいうと「リード獲得」です。つまり、Loglassシリーズに興味を持っていただけるし、セールスのメンバーに繋げることが求められます。
一人でも多くの、少しでも受注見込みの高いお客様とログラスを繋ぐために、Webサイトの改善やWeb広告・メディアの運用、セミナーやイベントの企画、展示会などの多岐に渡る活動をしており、T2D3の成長ペースを維持するために、私が入社してからの1年、マーケメンバー全員がかなりストレッチな日々を過ごし続けてきました。
みんなの頑張りもあり、リード獲得数は順調に成長。なんとか、ログラスの成長スピードに振り落とされずについていくことができました。

トップセールスの高橋も「リードが枯渇したことない」とご満悦の表情



成長の踊り場にたどり着いたマーケ

しかし、有効な集客手段は無限にあるわけではありません。「経営管理」の領域はただでさえニッチです。ストレッチな毎日を過ごし、アクセルを踏み続けるほど、残された有効手はなくなり、頭打ち、成長の踊り場に来てしまいます。
もちろん、まだまだ限界に達したとは思っていません。むしろやりたいことが多すぎて困るくらいです。
ですが、当時はリソース不足に起因して思うような投資ができない、そんな壁にぶち当たっていました。

「人さえ足りていればまだまだ踏める・・・」、そんな施策のひとつに、今ではログラスの名物になりつつある「展示会」がありました。
※今回のアドベントカレンダーも展示会のことを書いてる人ばかりで笑いましたが、展示会以外のチャネルもめちゃ注力してます。

展示会
展示会とは、多くの企業が参加し、自社の製品やサービスを他の企業に紹介する活発なイベントです。東京ビッグサイトなどの大型ホールで行われることが多く、会によっては万を超える参加者で賑わい、各ブースでの製品説明や名刺交換が活発に行われます。新しい顧客を獲得する絶好の機会であり、最新の市場動向を得るためにも重要な場です。

ChatGPTによる展示会の解説を編集したもの


ログラスの展示会ブースの様子。パンフレットを持って呼び込みをしたり、座ってデモをしたり。


昨年度までのログラスは、展示会に出店する際は、必ず1ブースのみで出展をしていました。
展示会チャネルは、特に大型のものは昨年10月に初挑戦したばかりで採算性に確信を持ちきれていませんでしたし、普通に考えても社員50人前後の小さな会社が複数ブース出展するなんて想像もできなかったからです。

そんな中、展示会の持つ可能性について思うことがありました。

「東京ビッグサイトってめちゃくちゃ広いな?こんだけ広いと全部回り切れない人ばかりじゃないか?」

という、太字でハイライトするまでもない超当たり前の仮説です。

東京ビッグサイトはマジで広いです。全部練り歩いたら日がくれますし、ど
こを自分が歩いたかもそんなに区別がつかないので網羅することは不可能。
それに、もし自分が展示会に仕事で行けと言われていたら、確実に20分くらいで切り上げてハッピーアワーの新橋に飲みに行くだろうという確信もありました。


東京ビッグサイト。デカすぎんだろ・・・(画像は公式サイトより)


いずれにせよ、絶対に全ブース歩く人ばかりじゃないし、最初は素通りしても別ブースで足を止めることもあるだろうと。来場者の行動導線から外れた場所に出展していたら、その人と出会える可能性はほぼゼロです。
複数面で出ることで、行動導線の問題で出会えていないお客様と会えるのではないか。

前回のnoteでも触れましたが、ログラスには圧倒的なプロダクト最強コミットのセールスがいることもあり、アーリーアダプターと出会える展示会ではひたすらに採算が合うというボーナスステージ的な構造があります。

ログラスなら、出展さえすれば確実に採算は合う。それも2ブースとかいう次元ではなく3ブースでも余裕で。小さな出展ではなく、大通りの大きな出展で。そんな確信がありました。

採算はおそらく合うのに、人が足りないというジレンマ。当時の状況がイメージできるように、前回の記事から少しだけ引用します。

この期間、ログラスの社員数は50名から70名程度であり、ビジネス職はおよそその半分の、20〜30名程度です。展示会は基本的に、マーケとセールスで参加するので更に数は少し減ります。
1ブースあたりの人員は少なくとも10名は必要な中で、少ない人員で月に2度以上の出展や多面ブース出展へのチャレンジと成功を続けてきました。
社員数からするとこのペースの出展は相当ヤバイはずなのですが、展示会の運用や切り盛りについてのHowは次回の投稿でお伝えする予定です。

自分の前回note記事より

改めて数えてみると、当時のセールス・マーケの人員は22名。1ブースあたり13人程度アサインしていたので、単純計算で2ブースで26人、3ブースで36人必要になるので、なんなら2ブースでももう限界突破しています。

当然、全員普段の通常業務があるのでビジネス職を総動員できたとしても、会期の3日間、彼らの業務はほぼ停止します。T2D3で売上を追っている中で、売上を担う彼ら全員の手を止めさせることには、失注などのリスクもつきまとうため現実的ではありません。


踊り場を一瞬で超えた、重大な意思決定

どうすりゃいいの???
そんな時、あることを思い出します。

そういえば、前回の展示会、なんか知らんけどエンジニアが展示会に来とったな?しかもめちゃくちゃ活躍しとったな?しかもこんなことも言っとったな?

「展示会めちゃくちゃ学びになった。絶対他のエンジニアも出た方がいい」

そのエンジニアの名は勝丸というのですが、前回の展示会で商談の様子を見に来て、そのままブース集客をしてテンションが上がって自分でデモ商談をしていました。同じチームの原さんというエンジニアも、1日中集客をして活躍していました。かつ、その上でめちゃくちゃ手触り感のある学びを得ていました。

エンジニアの勝丸が貴重な学びを得ていることがわかる独り言

この勝丸のSlackの内容からも、エンジニアがフロントに立ってお客様と話すことで得られる価値の高さを感じ取れます。ちなみに関係ないですが彼は初めて展示会に挑戦したエンジニアとして「展示丸」という称号を得ました。

Slackの展示丸スタンプ(実際は七色に輝くエフェクトがついている)


この2人の活躍を見て、自分がログラスのエンジニアを舐めていたこと、そして思い込みをしていたことに気付かされました。

①エンジニアは商談をしたくない生き物だという思い込み。
②エンジニアは商談が苦手だという思い込み。

刈谷の脳内思い込み集より抜粋

本来、エンジニアもお客様と直接触れ合って学習した方がいいに決まっていますし、ログラスのエンジニアは日常的にセールスの商談動画を見ながらランチをとるくらい、顧客志向と一次情報への感度が高いです。
開発のロードマップを毎週ディスカッションしている(ロードマップモム会)ので、機能の実装背景やお客様の課題感も知っています。かつ、その上で彼らは開発している張本人で、経験の浅いセールスよりもプロダクト解像度が高いです。
「絶対他のエンジニアも出た方がいい」その言葉を思い出したとともに「お客様の解像度上げた方がいいのは全職種そうじゃね?」という思いがふつふつと湧き上がりました。
加えて、当時は組織の急成長に伴うカルチャー面への成長痛が危惧されており、職種を超えた繋がりも積極的に作りたかったこという背景もありました。

「リード獲得を爆発的に増やす」
「急成長する組織で協力してやり遂げるイベントを作る」
「直接会話することで、全職種がよりお客様を理解する」

これらの意味を展示会に込め、「全社一丸の最強モメンタムイベント」として、2ブース出展、3ブース出展への挑戦を立て続けに決定したのです。

全社にSlackに呼びかけた後の反応は予想以上で、エンジニアのみならず、あらゆる職種の方が手を上げてくれました。

デザイナー、QA、PdM、カスタマーサクセス、経営戦略室、コーポレート・・・そして、COO、CTO、CEO。

展示会は、ただのマーケティング施策ではなく、当時のCxO全員が出動するという全社の狂気的なイベントとなりました。

エンジニア、デザイナー、PdM
「お客様がどんな機能を求めているか知りたい」

カスタマーサクセス
「受注後を任される立場としてセールスやマーケの現場の難しさや、ログラスを知る前のお客様を知っておきたい」


人事
「採用候補者様によりプロダクトをより詳しく説明できるようになりたい」

想像以上に各々が目的意識を持って参加に手を上げてくれました。
あとは「なんか展示会楽しそうだから自分も参加してみたい」という人が多かったのも印象的です。
もちろん、あくまで任意なので全員参加ではないですが、参加希望者が多すぎて、断る必要があったほどでした。

展示会当日、全ブースのスタッフが集結する朝会の景色は壮観で、「全社がマーケティング部になった」そういっても過言ではない、普通ではない景色がそこには生まれていました。

全員、展示会業務は初めてでしたが、ログラスはやるからには徹底的にやる組織。片手間のお手伝いではなく、成果を出すために全力です。ログラスの展示会は後日商談の獲得が重要なKPIのひとつなのですが、セールス以外の職種が次々と商談を約束をとりつけるなど、パフォーマンスは下がるどころか上がる側面もありました。

🏆結果はもちろん圧倒的ギネス記録🏆

展示会後に社員から届く声もポジティブなものが多く、私たちはこの挑戦から多くの学びと絆を得ました。

間違いなくログラスでなければなし得ないやり方で伝説的な展示会を作りました。


初の展示会2面出展時のSlackでの全社速報投稿では職種を超えた活躍を紹介

なぜ、普通じゃない景色を作れたのか?

思い起こせば、ログラスでは今回の展示会のみならず、人事に限らず全社的に知人にログラスを紹介する「採用狂気」を行ったり、今回のようなアドベントカレンダーに全力を出したり、セールスに限らず全員が知り合いのつてを辿り価値を提供できる企業に邁進するなど、職種に役割を限らない狂気的な活動が当たり前に存在しています。

念のために書きますが、自分の今までの環境だと「人事の仕事は人事」だし「営業の仕事は営業」だし「マーケの仕事はマーケ」でした。多くの職場ではそれが当たり前で、むしろ最適解。それを飛び越えたら怒られることすらあります。普通とは真逆のコミットです。

なぜ、そんな普通ではないコミットが可能なのか?

私見ですが、それはログラス社員の全員がミッションに共感し、そこに向かうためのプロダクトと仲間を信じているからだと思います。

ログラスのミッション

ログラスのミッションは「良い景気を作ろう。」です。
日本の景気は、長い間停滞したままで、極端に言えば誰もこの国の未来を信じていない。諦めながら生きることに慣れてしまったとすら感じます。

それでも次の世代は生まれてきますし、日本経済は続いていきます。もちろんこのままでいいはずはないです。未来に向けて、今の労働世代に何ができるのか。
Loglassシリーズは、その中で「経営の意思決定」という領域にアプローチすることで日本にもう一度良い景気をもたらすことを目指しています。そして、そのプロダクトが少しずつ社会に届き始め、経営管理の在り方が大きく変わったお客様も生まれ始めました。

ログラスの社員は、そのプロダクトの素晴らしさ、そしてそれを扱う仲間の誇らしさを信じています。
今日ここで紹介してきたように、どの職種も顧客理解に能動的で、仲間に協力的。そんな仲間たちが作っているプロダクトが世に広まれば、絶対に世の中はもっとよくなる。それを信じているから、採用にも、営業にも、マーケティングにも、ログラスという会社の成長に職域を超えて全力になれる。

冒頭でログラスはT2D3を目指していると書きましたが、そんな数字の物差しを超える想いや熱量がそこにあり、それが社員を動かしているのだと思います。


半年で感じたマーケティング組織の本当の役割

マーケティング組織のミッションはさまざまで、企業によって「ブランディング」「リード獲得」「商品企画」などの機能に整理されると思います。
ログラスにおいても、先に触れた通りリード獲得がミッションです。

しかし、今回紹介した狂気の全社展示会などを実施する上で、確信を持って思います。マーケティング部署の役割は、そんなに単純なものじゃない。

マーケティング機能は、ビジネスの第一走者です。

第一走者が圧倒的に差をつけてバトンを繋いだときに、何が起こるか。
もしそれが体育祭のリレーなら、チームも応援席も大いに盛り上がります。誰もが優勝を意識し、走者にはやる気が宿り、応援席は各走者に目が釘付けになるでしょう。
そしてそれはビジネスでも同じです。会社も(もしかしたら投資家も)、多いに盛り上がり、成長に対しての期待が膨らみます。セールスもプロダクトも明るい未来を信じ、事業に没頭できるはずです。

そして、マーケティング部だけが持っている特権。それは、多くのお客様や関係者を巻き込める戦術を大量に扱っているということです。
展示会、セミナー、イベントもそうですし、TVCMや事例記事もこれにあたると思います。

マーケティング部には、ビジネスのリードオフマンとして、組織を熱狂の渦、「モメンタム」に巻き込むミッションがあるんです。
圧倒的な差をつけて先頭を走り、組織を鼓舞することで最高の一体感を生み出す。その一体感が、全社の機能を底上げする。


初の2面ブース出展後の感謝の全社ポエム。ひさびさに読んだら泣けた。

だからログラスのマーケティング施策は、いつもストーリーとともに発信されます。

その施策がどんな意義を持つのか。
なぜ協力し合うことに意味があるのか。
いかに自分たちが、突き抜けたことをしているのか。

挑戦する姿勢と勇気。
自分たちだからこそ圧倒的な速さで前に進めているというなんかめっちゃエモいモメンタム。
そして時には、挑戦を前にした恐怖心まで。


挑戦に宿る熱を組織に伝播させています。


特にミッション経営をしている会社ほど、社員の目線が揃い、圧倒的なモメンタムを感じながら熱狂していることが重要だと思います。
上記の例を始め、展示会やオフラインイベント、事例リリースの度にログラスのマーケティングからは全社を盛り上げる発信がなされ、、全社に最高のモメンタムをもたらすエンジンであり続けています


展示会終了後、全社に訪れた熱狂的モメンタム


一緒に、「良い景気を作ろう。」

いかがでしたか。

物心がついた頃から、良い景気を一度も味わったことのない私ですが、日本の成長にみなが胸を踊らせる未来に少しでも貢献したい。そんな想いを胸に働いています。

そんな風に働く中で、ふと、ログラスの環境そのものが「良い景気」そのものだと感じる瞬間があります。
ここでは、誰もが会社の成長を信じて疑わず、胸を踊らせながらイキイキと働いている。努力したことが報われると信じている。
まさに「良い景気」そのもの
で、もしこんな状態を日本中に作れたら、本当に日本は変わると思います。

この記事を読んで、少しでもログラス面白そう!と思ってくださった方、ぜひお話しましょう!ログラスがもっと前に進むには、まだまだ仲間が必要です。マーケティング職も、他の職種も、絶賛採用中です。
「熱量高すぎて怖いんだけどw」という方ももちろんいらっしゃると思いますが、まずはカジュアル面談でふんわり話すこともできますので、気軽にご連絡ください。

刈谷のTwitterアカウント。
フォローしてくれたら想像の4倍くらい喜びます。

それでは、本日を持ってログラスマーケティング部のプレアドベントカレンダーは無事終了です!
明日からは、🎄ログラス全社のクリスマスアドベントカレンダー🎄が始まります!こちらも、ぜひ楽しみにしてください。


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